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不眠大国といわれる日本で【質のいい眠り】を実現するには? ぐっすり睡眠を叶える3つの秘訣

  • 2024.5.29

年を重ねて熟睡感が減った、朝起きても疲れている……そんな悩みのある人はきっと多いはず。実はよく眠るには「お風呂」が味方になるそう。正しいお風呂の入り方を知って、ぐっすり睡眠を叶えましょう。

教えてくれたのは……

眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さん

最新研究を元に4000人に指導。日本睡眠環境学会奨励賞受賞。JCSP主宰。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)など。

質のいい眠りとは?

不眠大国といっても過言ではない日本。平均睡眠時間も世界一短く、睡眠に「不満がある」と答える人の割合も9割以上といいます。
眠りとお風呂の専門家・小林先生によれば、「満足に眠れないと昼間に眠くなって作業能率が下がるだけでなく、物忘れ、怒りっぽい、冷え性、免疫力の低下、そして健康を害しやすいなどさまざまな悪影響が出てしまいます。スマホだと50%の充電でも使うのに支障はないですが、人体はそうはいきません」(小林先生、以下同)

でも、入浴法を変えるだけで、睡眠の質を高めることができるのだとか。その前に、質のいい眠りとは、何でしょうか?

「よく寝ている、7時間眠れたと思っていても、主観評価ではわからず、脳波を測定しないと実際のところはわかりません。ですが、よく眠れている場合はたいてい『寝つきがよく』『途中で何度も覚醒せず』『翌日に熟睡感がある』もの。そして良質の睡眠をとることで、成長ホルモンが分泌され、肌荒れや肌の老化サインの減少、脂肪分解、筋肉量増加、脳機能低下の防止、うつ発病リスクの低下などさまざまな恩恵があります」

元気に生き生き若々しく過ごすためには成長ホルモンの働きがとても大切ですが、実は35歳ら75歳まで、成長ホルモンの分泌能力は変わらないそう。

「それをしっかり分泌させていくためにも『深い』睡眠が必要なんです。寝ついてから3時間、特に90分の間に、深い睡眠が確保できることが大切です。その決め手になるのは深部体温。深部体温を下げると覚醒度が下がり、眠くなって、深い眠りに入っていけます。ここでポイントになるのがお風呂なのです。お風呂に入ると体がぽかぽか温まり、深部体温が上がりますが、その後急降下します。この深部体温の急降下により眠りに誘われ、深い眠りへと入っていけることがわかっています」

質のいい眠りに大切な3カ条は?

#01 寝つきがいい
寝つきが5分でも15分でも、自分がストレスなくすっと眠れていれば長さは関係ありません。リラックスして自然に眠りに入っていければOK。実は「寝つき」は加齢によっても変わらないと言われています。年を重ねて眠りにくくなったという声もよく耳にしますが、眠りの質は何歳でも底上げができます。

#02 途中で何度も目覚めない
実は、自覚できていないだけで人間は寝ている間何度か起きています。もし自覚しても、数分くらいでスッとまた眠れているならOK。起きてしまうのは普通のことなので心配しないで。でも、寝つくまでに時間がかかるようになると問題に。原因はストレスやアルコール、生活習慣が一定でないなどさまざまです。

#03 翌日に熟睡感がある
起床した直後ではなく数分後に「あ~よく寝た!」とふと頭に浮かんでくるのが、よく眠れたサイン。自分に「眠れたかな?眠れていないかな?」と確認するのではなく、眠れた場合はごく自然に「よく寝た!」と湧き上がってくるもの。リカバリーの度合いが高ければ高いほど、熟睡感を強く実感できます。

改めて知っておきたい睡眠の知識

レム睡眠とノンレム睡眠
一晩のうちに約90分周期でレム・ノンレム睡眠を4、5回繰り返しています。ノンレム 睡眠にも1から4までステージがあり、1、2周目でステージ 4 まで届く深い眠りに達していることが、熟睡感を得るために大切。

深部体温を下げる
深部体温とは、内臓や脳など体の内側の体温のこと。 深部体温は午前4時ごろが最も低く、19時ごろが最も高くなり、だいたい就寝の2~ 3時間前から下がり始め、就寝後にさらに下がるというリズムがあります。

text:Miho Arima illustration:Toshinori Yonemura

リンネル2024年5月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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