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無骨なポータブル暖炉「アイロンストーブ」に予約殺到!【H7project】

  • 2024.5.29

ビンテージ感漂う道具がキャンプシーンに激ハマり

今回紹介するhinataストアの注目ブランドは「H7project(エイチセブンプロジェクト)」

2023年4月に立ち上がった新しいブランドですが、その最初のギアが2024年1月に発売された「アイロンストーブ」になります。そもそも、アイロンストーブとは100年以上前にアメリカで使われていた、アイロンを温めるための道具。

本来は「服のシワを伸ばすアイロンを温める」というシンプルな役割のはずが、「炎が楽しめる」「簡単な調理ができる」「手を温められる」と、キャンプとの相性抜群だったのです。

そんなアイロンストーブをどのように現代に復刻させたのか、エイチセブンプロジェクトのプロダクトマネージャーである古田那奈さんにお話を聞きました。

足りないものを補ってアイロンストーブを0からリデザイン

ビンテージ(左)と比べると、炎を楽しむための窓の大きさに歴然とした差が

2021年ごろからアイロンストーブに注目していた、という古田さん。しかし、手に入りにくく、市場に出てきても高いというのがネックでした。

ビンテージのアイロンストーブに足りないものも感じていたので、それならアイロンストーブというジャンルそのものを、コンセプトから見直してリデザインしようと思いました」と語ります。

コンセプトを見直すということは、似て非なるものが生まれるということ。エイチセブンプロジェクトはアイロンストーブをどのように生まれ変わらせたのでしょう。

H7Project 古田さん
キャンプで使うアイロンストーブに求められる機能には、「暖房器具」「調理器具」「灯り」という3つがあると思います。私たちはその中でも「灯り」に注目し、暖炉のように炎を見て楽しむことに重点をおいて開発を行いました。

炎を手軽に楽しむ最適解!

タンク容量はなんと1,200mL。最大連続燃焼時間は、約24時間という長さを誇ります

あくまでも主役は炎」と決めて進めた開発の中では、炎が最大限生きるようにシンプルなデザインを目指したそう。そのため、窓が大きく、燃焼時間もなんと連続約24時間を実現!

また、使い方がオイルランタンとほぼ同じで、パラフィンオイルなどの燃料を染み込ませた芯に着火するだけ。焚き火のように火おこしに苦労することもなく、それでいて不規則に揺らぐ炎が楽しめる、いいとこどりの「炎を楽しむギア」なのです。

アウトドアで使うことを考えて繰り返した試行錯誤

着脱式のすす除けを上部に付けることで風とすすの問題を解決。「炎重視」ではありますが、上でお湯も沸かせるほか、すす除けをどければ簡単な調理もできます

とはいえ、最初から思い描いたコンセプト通りのものができたわけではありません。特に、最も大切にしたい「灯り」の機能に大切な炎のコントロールには苦労する点が多かったようです。

例えば、ビンテージのアイロンストーブは上部が空いているために、非常に風に弱い。これではアウトドアで使うものとして不十分です。また、それなら炎を大きくして多少の風では消えないようにしようとすれば、どうしてもすすが発生します。

H7Project 古田さん
この2つの問題を解決するために考案したのが、エイチセブンプロジェクトならではの「すすよけ」。風への耐性とすすの問題を解決しました。ところが、すすよけがついたことで今度は揺らぎがなくなってしまったんです。そのため、意図的に炎に揺らぎをつくり出す工夫も行いました。試作品は10個以上つくったのではないでしょうか。

燃料の「気化」問題も…

試作中にもう一つ悩まされたのが、オイルの気化でした。タンク内温度が上がり、気化したオイルが外に出て、外に出た途端冷却され、本体にオイルが付着するといった現象が起きたといいます。それをできるだけ減らす(※)ための工夫にも時間をかけました。

※使用環境などで気化度合いが変わるため、悪条件がそろうと気化によるオイル付着が起きることがあります。その場合は、水拭きなどで拭き取れば問題ありません

多くの人が手に取れる価格の実現もこだわりの一つ

市場に出回っているビンテージアイロンストーブの相場や、それらをオマージュした商品の価格が高いと感じていたことから、「もう少し手軽に多くの人に炎の揺らぎを楽しんでもらいたい」という思いがあった、と古田さん。

エイチセブンプロジェクトがつくるアイロンストーブは、設計段階からコストを抑えることも視野に入れて開発が始まりました。素材費用や人件費、マーケティングコストなど、全てにおいてコストダウンの工夫を行ったことで、平均的なビンテージ品の約半額となる3万円台を実現。

2024年1月のリリース以来、即完売が続いている理由の一つとなっています。

飽きがこず、長く使えるものを目指して

シンプルでどこかレトロな雰囲気のデザイン。約1世紀愛され続けるビンテージのアイロンストーブと同じようにずっと愛用される定番になりそう

1900年代初頭につくられたビンテージのアイロンストーブが現代にも残っていることへのオマージュとして、長年使える耐久性や安全性も考慮したそう。また、シンプルなデザインも飽きがこず、長く愛されるために重視しています。

H7Project 古田さん
シンプルであるからこそユーザー自身でカスタマイズしやすいというのも狙い。今後、私たちのアイロンストーブのカスタマイズパーツを製作し、販売してくれる人たちが出てきてくれたらうれしいですね。

「今後も独自性をもったこだわりの商品を企画していくので、楽しみにしていてください」と古田さん。デビューギアのアイロンストーブで注目度は充分!今後が楽しみなブランドです。

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