相次ぐクマの出没、人身事故…。
正しい知恵を多くの方に知ってもらい、悲しい事故を防ぐため、Sitakkeでは「ヒグマ検定」からクイズを出題します。
「ヒグマ検定」は、HBCが運営する、クマとの“いい距離の保ち方”を考えるサイト「クマここ」にあるコーナー。
北海道庁が去年企画して作ったもので、HBCが制作に入りました。
クマの生態にくわしい、酪農学園大学の佐藤喜和教授が監修しています。
不安になるニュースが多い今だからこそ、北海道、日本の自然を安全に楽しむためのヒントを、「クイズ」を通して前向きに考えてみませんか?
連載「クマさん、ここまでよ」
ヒグマ検定「ここだけは!編」
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題・解説する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
「ヒグマ検定」の問題は、ツキノワグマに通じることも多いので、北海道外の方もぜひチャレンジしてみてください。
▼これまでの問題
【ここだけは!編①】
【ここだけは!編②】
第11問
車に乗っているときにヒグマに出会ったら、どうしたらいいでしょうか?
①スピードを落として通り過ぎる
②車から降りて写真を撮る
③窓を開けて様子を見る
正解は…
正解は…「①スピードを落として通り過ぎる」でした。
車でヒグマに出会ったら、絶対に車から降りないでください。
知床などでは、ヒグマが車に威嚇のため突進したり、サイドミラーに手をかけたりする姿も目撃されているので、窓も閉めてください。
画像は知床財団提供
ヒグマとできるだけ距離を保ちながら、スピードを落として、通り過ぎるようにしましょう。
安全を確保してから、警察や自治体に通報してください。
第12問
歩いているときや自転車に乗っているときに、もしもヒグマに出会ってしまったら、どうしたらいいでしょう?
①すぐに走って逃げる
②食べものを投げつけて逃げる
③止まってヒグマのほうを見る
正解は…
正解は…「③止まってヒグマのほうを見る」でした。
ヒグマに出会ってしまったら、まずは「止まる」!
絶対に「走ってはいけません」。
あわてて走ってしまうと、ヒグマは本能的に追いかけたくなってしまいます。
止まって、ヒグマのほうを見ながら、背中を見せず、ゆっくり後ずさりましょう。
たいていはこれでヒグマのほうから立ち去ってくれるといいます。
しかし、近くに子どもがいるときのお母さんグマや、警戒心の薄いヒグマは、動かないときもあります。
もし、それでもヒグマが近づいてきたら...対策のひとつが、「クマスプレー」です。
食べものはヒグマが人に積極的に近づく理由になってしまう可能性があるので、与えてはいけません。
ちなみに「クマスプレー」については、「ここだけは!編」の次のレベル「入門編」で学べます。
第13問
クマスプレーがきかなかった、もしくは持っていなかったとき、もしヒグマが攻撃してきたら、どうしましょう?
①あおむけで死んだふりをする
②うつ伏せになる
③あきらめる
正解は…
正解は…「②うつぶせになる」でした。
クマに会ったらまず止まる、近づいてきたらクマスプレー。
ですがスプレーがきかなかった、もしくは持っていなかったとき、もしヒグマが攻撃してきたら、「命を守る」姿勢をとります。
うつぶせになって首の後ろに手をあてます。
おなかや首など命に直結する部分を守るためです。
でも、これは最終手段。
大けがはするかもしれませんし、ヒグマにすぐにひっくり返されてしまうかもしれません。
こうした「もしも出会ったら」も、ぜひ知っておいてほしい知識ですが、ここまで問題を解いてくると、もうわかりますよね。
ヒグマとの事故を防ぐには、「出会わない」のが一番です。
第14問
山に入るとき、ヒグマに出会わないために守るべきルールはどれでしょう?
①ひとりで山に行く
②2人か3人で入り、音や声を出しながら歩く
③2人で山に入ったほうがいいが、途中で少し離れるのは問題ない
正解は…
正解は…「②2人か3人で入り、音や声を出しながら歩く」でした。
ひとりよりも、複数人で行動するほうが、ヒグマとおたがいの存在に気づきやすくなり、ばったり出会って事故にあうリスクを下げられます。
また、もし出会ってしまったとしても、命まで失うリスクは下げることができます。
平成に入ってからの北海道のヒグマによる死亡事故は、ひとりで行動していたり、一緒にいた人と離れて行動していたりしたときだけで、誰かと一緒にいたときの死亡事故はありません。
第15問
ほかにも、山に入るとき、ヒグマに出会わないために守るべきルールがあります。
どれでしょう?
①山に入る前に一度だけ、笛を吹く
②クマ鈴や笛などで、音を出しながら歩く
③足跡を見ても気にしなくていいが、ヒグマのにおいを感じたら引き返す
正解は…
正解は…「②クマ鈴や笛などで、音を出しながら歩く」でした。
山に入るときは「人がいるよ、来ないでね」とアピールするのが大切です。
鈴や笛、ラジオを「持っておく」「一度鳴らす」だけでなく、必ず声や音を「出しながら」行動するようにしましょう。
山菜採りなどに夢中になって、途中で声や音を出すのを忘れないようにしてください。
画像は、北海道大学ヒグマ研究グループ提供。ヒグマのフンを見つけた
また、「いつヒグマに会ってもおかしくないという意識」を持って、ヒグマの足跡やフンなど痕跡に敏感になり、見つけたら無理せず引き返すことも大切です。
***
では、フンや足跡などの痕跡がヒグマのものか、見分ける自信はありますか?
この先の「入門編」では、痕跡の見分け方など、さらに身を守る知恵を学べます。
続きはまた連載「クマさん、ここまでよ」でお届けします。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
【SitakkeYoutubeチャンネル】
「ヒグマ検定」の全問題は、「クマここ」からチャレンジできます。
【クマここ】
文:Sitakke編集部IKU
イラスト:まわれみぎ