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海外で絶賛された日本のドラマは…? 世界進出に成功した名作(2)衝撃のハリウッド映画化…日本文化が怪物に

  • 2024.5.28
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伊東美咲【Getty Images】

国外ではあまり認知されているイメージのない日本のドラマだが、日本国内以上に高い人気や評価を獲得した作品も存在するようだ。中には海外での視聴率が90%に達した日本の朝ドラや、リメイク版がハリウッド映画化されるほどの出世を果たした作品も。今回は、そんな海外でも評価されている日本のドラマ作品をご紹介する。第2回。(文・寺島武志)

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『電車男』
放送期間:2005年7月7日~9月22日
放送時間:木曜日22:00~23:24
放送局:フジテレビ系
脚本:武藤将吾、徳永友一
最高視聴率:25.5%
キャスト:伊藤淳史、伊東美咲、須藤理彩、佐藤江梨子、小栗旬、速水もこみち、豊原功補、白石美帆、堀北真希、佐藤二朗、秋吉久美子、山下真司、戸田恵子

【作品内容】

女性と付き合ったことのないオタク男子が、「エルメス」なる女性を酔っ払いから助けたことがきっかけで、好意を持つようになるが、デートもしたことのないその男性は、どのような行動をすればいいのかを、2ちゃんねるに書き込み、アドバイスを求める。

スレッドは一気に盛り上がり、様々なアドバイスを送ると共に、2人の出会いが電車であったことから、「電車男」と呼ばれるようになる。

約2か月にわたって、そのアドバイスを聞き入れ、オタクグッズを捨て、服装にも気を配るようになった電車男は、ついにエルメスに告白し、交際することになる。

【注目ポイント】

このドラマの原作小説の著者は「中野独人(なかのひとり)」とされているが、そのような人物は存在しない。

当時、隆盛を誇っていたネット掲示板「2ちゃんねる」の独身男性板スレッドの書き込みを基に構成された、異色の物語だ。

“非モテ男子”であるスレッドの住人たちが、見ず知らずの他人の恋を応援するというネット独特の現象が多くの共感や呼び、ネットニュースや有名人のブログによって広められ、現実社会でもブームとなり、電車男の書き込みがなくなった後、新潮社が書籍化し、約101万5000部の発行部数を記録。

2005年6月には、山田孝之を主役に立て映画化、続くように、テレビドラマ版が伊藤淳史主演で放送された。さらに、CDドラマや舞台、マンガなど様々なメディアで描かれた作品だ。

そしてそのブームは海を超える。2006年には英訳版 『Train Man』 が、イギリスの出版社から発売され、2018年には、『Train Man』の題名でハリウッドリメイク版の映画が製作される。

日本のテレビ局が製作したドラマが、ハリウッドリメイクされるのは本作が初めてであり、そのスタッフには、米国テレビ界で最も権威のある「エミー賞」受賞者が集結した。

ハリウッドリメイクに際して、「電車男」のまとめサイト管理人は「電車男を応援していたスレッド住人は当時“いったい誰が、このスレッドがあんな怪物にまで成長すると予想できただろうか”と語り、ましてや14年の時を経てハリウッドに進出するなど、微塵も想像しなかったに違いない」とコメントを寄せている。

ネット黎明期に実際に起きた心温まるストーリーに加えて、日本の“オタク文化”も交えて描かれたストーリーが、海外からも受け入れられた理由だろう。

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