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道産子ライターオススメの日本酒はこれ! 北の大地の嶺水が育んだ選りすぐり3品

  • 2016.2.26
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冬から春へと向かうころ、多くのつくり酒屋の軒先には杉玉がつるされます。これは「おいしい新酒ができましたよ」の合図。北の大自然のなかで育まれた日本酒は、世界に誇る日本の宝です。

© Nishihama - Fotolia.com

道産子が選ぶ、ぜひ味わいたいとっておきのお酒3本を紹介します。

■最北の国稀酒造「暑寒しずく」

国稀(くにまれ)酒造は明治15年創業という老舗。現在では国内最北のつくり酒屋として有名です。銘柄としては、「国稀」や「北海鬼ころし」が広く知られています。

隠れた銘酒「暑寒しずく」は、その名のとおり暑寒別岳の山麓から沸きでる良質な水が使われています。おいしいお米が清らかで上質な水からできるように、日本酒にとっても水は生命そのもの。厳しくも美しい大自然が育んだ嶺水が、銘酒を生むのです。

もちろん地元限定の品。道産米の「吟風」だけでつくられた銘酒の数は、販売本数がたったの500本。売りだされると早々に完売してしまう人気ぶりです。

辛口で淡麗なので、変なくせもありません。少し酸味を感じる味わいのせいか、後味もスッキリ。もうひと口、ふた口と、ついつい進んでしまいますよ。

■幻の希少品「みそぎの舞」

函館から函館湾をはさんだ対岸に位置する木古内町には、「寒中みそぎ」というお祭りがあります。この「寒中みそぎ」は佐女川(さめがわ)神社に180年前から伝わる伝統的な神事。若者4人が1月の真冬の海中へ飛びこみ、ご神体を清めます。

その「寒中みそぎ」にちなんでつくられたお酒が「みそぎの舞」。使用される米「ほのか224」は上質で、しかも栽培が困難なため、とても希少なもの。

ほかにも、「ほしのゆめ」という米を原料としたものもあります。こちらはほどよい粘りとうまみがあり、個人的にも大好きな品種です。

「みそぎの舞」もやはり限られた生産で、地域限定販売。毎年2月には全く加熱処理をしていない初しぼりと、11月に1度だけ加熱処理を施した冷やおろしが発売されます。

日本酒愛好家からも好まれる純米大吟醸の「みそぎの舞」は、冷やか常温が向いています。常温は「みそぎの舞」本来の味わいが一番楽しめるような気がします。ほんのりと甘みが漂うので香りもよく、女性にも好まれるのではないでしょうか。

■情感たっぷり「一夜雫」

寒冷地である道内には、しっかりと重い飲み口の日本酒も結構あります。たとえば「国士無双」や「国稀」、「男山」といったあたりがそう。

「国士無双」といえば旭川を代表する高砂酒造の銘酒ですが、その蔵元とっておきの大吟醸が「一夜雫」です。まず聞きほれてしまうのは、その製造方法。

北海道のほぼ中央、大雪山麓に1月上旬から中旬にかけて、氷室(ひむろ)と呼ばれるアイスドームが二晩かけてつくられます。その内部でもろみを詰めた酒袋をつるし、自らの重みだけで滴りおちる雫を集めるのです。

月光の下、雫の落ちる情景が何となく、目に浮かんできませんか? 内陸の旭川は、真冬ともなればマイナス15度なんてごく普通です。だからこそ、ほかに類を見ないフルーティな仕上がりになるのかもしれませんね。

すべて自慢のとっておきのお酒です。ぜひ味わっていただければと思います。

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