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あっこゴリラが警鐘を鳴らす #しかたなくない“世代の呪い”とは?「自分の感覚や感情を尊重して」

  • 2024.5.27
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去る2024年4月14日のパートナーデーに合わせて、性感染症をテーマに“安心できる関係”を問いかける音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』が渋谷で開催された。カラダや性にまつわる様々な“しかたない”に向き合う社会実装プロジェクト「#しかたなくない」に賛同し、フェスに参加したアーティストのあっこゴリラさんにインタビュー。ソーシャルイシューへの思いを自身の楽曲やラジオで発信することの多いあっこゴリラさんに、パートナーとの"安心できる関係"を構築する方法やセルフケアについてインタビュー。

パートナーとの “安心できる関係”とは?

Q.カラダや性にまつわる様々な「しかたない」に向き合うソーシャルプロジェクト「#しかたなくない」に賛同した理由は?

私の作品では基本的に自分の身の回りのことをテーマに作っています。"世代の呪い"かもしれませんが、ジェンダーギャップなど仕方ないとされてきたものを「仕方なくないでしょ!」と発信する活動をしているので、私と同世代の方がこのようなプロジェクトをやっていると聞いて、「ぜひ一緒にやりたい」と思って引き受けました。断る理由がなかったです。

Q.ここでの"世代の呪い"とは?

私はいわゆるミレニアル世代で、上と下の世代の橋渡し的な感覚があるんです。自分より上の世代はややマッチョイズムが残っていて、自己責任志向を持っているイメージ。もちろん悪いことばかりじゃないですが、そこからの負の連鎖みたいなものが正直自分の中にもあるなと思ったので、自分自身を解体していけば社会全体に繋がると思ったんです。こういった話は同世代同士で共感することが多かったですね。

ELLEgirl

Q.性感染症は誰にでも生じうる身近な健康課題。予防に当たってパートナーと心掛けていくべきことは?

正直なところ、どう話し合うべきかはカップルによって異なるとは思います。恋愛の答えって、カップルの数分あるじゃないですか。ただ、暗黙の了解でお互いに我慢するところがあればちゃんと話し合った方が良いと思います。個人個人がどうあるべきか向き合って、ちゃんとコミュニケーションを図っていくことが大切だなって改めて実感していますね。

Q.性感染症が発覚してしまったとき、パートナーとどのように話し合うべき?

感染症や妊娠は、カップル2人の問題でお互いに責任があることを前提とすべきだと思います。話しやすい空気を作るとか言葉に気を付けるとか、適切なハウツーがあるのもわかるのですが、2人の問題なのでどちらか一方がお膳立てをする必要はないと思います。もちろん言いたいことを言いづらい関係性のカップルもいるとは思うのですが、それは不健全な状態。それも込みで2人で話し合っていく必要があると考えます。暴論かな?(笑)

ELLEgirl

Q.パートナーと言いたいことを言える関係性を作るために必要な心掛けは?

大切な人だからこそわかり合いたいじゃないですか。相手が理解してくれなくても気合いで向き合っていきたい。そこまでして向き合いたい相手ではないなら離れてしまえばいいんです。その人との関係を後悔したり自分を責める必要は全くなくて、その相手とのやり取りから学ぶこともあるので、良い経験になると思いますよ。

嫌われるのが怖いから本音を言えないという悩みは友人から聞くこともあります。でも無理をしている状態の自分が好かれると、後々大変になってくるんですよね(笑)。これはカップルだけではなく友人関係にも当てはまると思います。

好かれたいから無理をすることは仕方ないし、そうしてしまう自分もいるけど、それだけで好かれたら虚しいじゃないですか。その人の完璧なところよりも、意外とダメな部分の方が魅力的だし、愛おしくなってしまうものなんですよね。

Q.そもそも正しい知識や新しい価値観ってどうやったら広まりますか?

正直、本当に地道な作業だと思います。これは私事だし先日のライブMCでも話したのですが、実は婦人科検診を受けるのが怖くて10年間逃げていたんです。 でも色んな人が色んな媒体で「婦人科検診に行きましょう」ってたくさん言うじゃないですか(笑)。「それだけ言われたら行かなきゃな」となって、タイミングが重なった時に行けたんですよね。最初は「またなんか言ってるよ」って鬱陶しく思うかもしれないですが、社会全体でそのような動きがあるとこちらのフットワークも軽くなると思っていて、それは選挙の投票にも言えると思います。

有名人が声を大にして呼びかけたらすべてが変わるわけでもないですし、基本的には地道な草の根活動なんですよね。でも近年はSNSの普及もあって、当たり前の価値観をひっくり返すスピードがすごく速くなったと実感しています。長期戦だとは思っていますが、思っているよりも正しい知識や新しい価値観が浸透するスピードは速まりそうな気がします。

ELLEgirl

Q.ソーシャルイシューについてパートナーや友人と話すときに、前提の知識が共有できていなかったりすることがあると思います。相手とリテラシーのレベルにギャップがあったときはどのように話していますか?

好きな人や身内だからこそ、諦めるのではなくきちんと対話することを心掛けていますね。私はよく遊ぶ人たちからは、思想が強いとか意識が高いと言われがちなので、すごく柔らかい言葉だったりナチュラルなトーンで何でも話すように意識しています。 政治やジェンダーギャップ、差別の話、くだらない話、個人的な話全てを同じトーンで話しているかも。決して気を遣っているわけではなく、「同じラインの話だよ」ってことを自分自身にも言い聞かせています。 それに私はラッパーで、言いたいことを言うのがライフワークなので。

でも言えない自分を責める必要はないと思います。誰にも話せないけど自分の中でモヤモヤしていることの解像度を上げて、コンテンツに課金したりイベントに参加してみたり、そういうことも後々全部つながってくると思うんです。自分にしっくりくるやり方を探してみてはいかがでしょうか。

ELLEgirl

Q.あっこゴリラさんが実践しているセルフケアのやり方は?

セルフケア大好き!ストレスが溜まったりすると、 「癒すぞー!」って気合を入れてセルフケアしていますね(笑)。お風呂に入浴剤やソルトをいれたり、マッサージ、筋トレなど…。最近はお寺とか気のいい場所に行って リラックスしたり。最近は深大寺がお気に入りです。あとは暴飲暴食も好き(笑)。

昔は自分の癒し方がわからなくて、理屈ばっかりで物事を考えていたのですが「これじゃやってられない!」ってなり、色んなことを試してしっくりと来たのが今のスタイルです。あなたがあなたとして生きることが大事なので、なんでもいいから自分に合った癒し方を探してみてほしいです!

ガール世代の時は私も色々なことに悩んでいました。当時は社会に認められることが自分の価値だと思いがちですが、意外と自分の感覚を信じて行動したほうが後々良いと思います。認められるために何かを押し殺したり我慢したりすると、結局後悔してしまうんですよね。思っているよりも時代ってすごいスピードで回っているので、自分の感覚や感情をもっと尊重してみていいと思います。勇気がいると思うけど自分を信じてほしいですし、一人一人がそうした生き方をすればもっと良い時代になると思います。

あっこゴリラ/プロフドラマーとしてキャリアスタートし、バンド解散後、2015年よりラッパーに転身。2017年CINDERELLA MC BATTLEで優勝。多様な美や性や生を描いた楽曲を次々と発表し続け、多くの賛同を受ける。2019年よりJ-WAVE『SONAR MUSIC』でメインナビゲーター就任、大学でのジェンダー講義や、アフリカ大陸マラウイで村人を巻き込んだストリートライヴなど、業界の壁を超えた唯一無二の表現活動を行う。 2022年合同会社ゴリちゃんカンパニー設立。楽曲提供も積極的に行い、人気アニメ「かぐや様は告らせたい」への提供曲「My Nonfiction」が、海外のクランチロールアニメアワードにて「最優秀アニソン賞」部門でノミネートされる。ゴリラの由来はノリ。
BLUE HANDS TOKYO
ELLEgirl

カラダや性にまつわる様々な“しかたない”に向き合う社会実装プロジェクト「#しかたなくない」が、パートナーデーである2024年4月14日(日)に、身近な健康課題である性感染症をテーマに、予防の大切さや検査の重要性への理解を深め、自分やパートナーとの “安心できる関係” について考えるきっかけをつくる音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』を渋谷・MIYASHITA PARK(宮下パーク)芝生ひろばで開催。6組のアーティストによるライブと声明に加えて、未来に手をかざす“共通ポーズ”で撮影する「表明写真機」やメッセージボードを会場に設置。また、参加者には自宅でできる性感染症の郵送検査キット「smaluna check(スマルナチェック)」を無料配布した。

「#しかたなくない」公式サイト

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