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SNSで話題!「スローモーニング」のメリットと方法

  • 2024.5.27

新しい1日の最初の数時間をどのように使うかは、残りの24時間に大きな影響を与える可能性がある。バリバリ働く人にとって朝は“スピード”がすべてかもしれないけれど、SNSでは“スローモーニング”というコンセプトが流行中。朝からバタバタして何でもテキパキこなそうとするのではなく、明確な目的と意図を持って穏やかな朝を過ごせば、マインドフルネスを保ちながらストレス要因に対処し、神経系を落ち着かせることができるため、その日1日が思い通りに進むという考え方だ。

スローモーニングを構成する具体的なアクティビティは人によって異なるけれど、この言葉は1人で穏やかな朝のルーティンを楽しむことの代名詞になっていて、早ければ明日にでも始められる(あまり時間がなくても大丈夫)。スローモーニングといっても単純にペースを落としてゆっくり動くという意味ではないので、朝から精力的に走り回るタイプの人でもスローモーニングの恩恵は受けられる。

スローモーニングは、早起きの人にとっても二度寝が当たり前の人にとってもセルフケアを優先する良い機会。ここからは、認定カウンセラーが推奨するスローモーニングの実践方法と、このアプローチがメンタルヘルスに与えるプラスの影響をアメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

スローモーニングとは?

ハッスルカルチャーが浸透している現代において、スローモーニングは一度止まって健康を優先することの重要性を思い出させてくれるリマインダ。その時間をどのように使うかはあなた次第。「1人の時間を楽しんだり、内省や運動、ストレッチや瞑想をしたりするのも、スローモーニングの過ごし方の一例です」と説明するのは、ニューヨークシティを拠点とする認定メンタルヘルスカウンセラーのオリヴィア・ヴェルハルスト氏。スローモーニングのアクティビティには「心と体が生まれつき求めているにも関わらず、私たちが時間を充ててきていない多くのことが含まれます」

スローモーニングでは絶対にこれをするべきという厳格な決まりはないけれど、黒人女性を対象としたカウンセリングサービスSoulful Grace Therapyの認定臨床ソーシャルワーカー、シャニ・A・ガードナー氏によると、鍵となるのはマインドフルネス、つまり「いま、この瞬間を客観的に認識すること」。TikTokとインスタグラムでは、日記やスキンケア、日向ぼっこや朝食の準備、部屋の片付けなどを通してマインドフルネスを育む様子がシェアされている。

「スローモーニングにはマインドフルな空気が漂います」とガードナー氏。「この時間では、“次”にすることではなく“いま”起きていることに集中し、自分にとって気持ちの良いことをするだけですから」。スローモーニングでは、朝起きた瞬間から未来のタスクで頭をいっぱいにして、仕事のメールをチェックしたりインスタグラムをスクロールしたりしない。いまに集中し、その日1日を自分がどう過ごしたいかをしっかり考えてからTo-Doリストに取り掛かる。

スローモーニングのメリット

まず、スローモーニングのアプローチを取り入れると、朝からバタバタしているときより感情のコントロールが楽になる。「意図的にマインドフルネスを取り入れてスローダウンしない限り、私たちは自動操縦で動きます」とヴェルハルスト氏。朝の時間をゆっくり過ごせば自己意識が高まって、内省し、自分の感情を処理するための時間も生まれる。

ガードナー氏によると、ペースを落とせば神経系も自然と落ち着く。半狂乱で新しい1日を始めると、自分の許容範囲(落ち着いて自分の感情をコントロールしていられる状態)を超えてしまう恐れがある。「過度に興奮した状態や、不安およびストレスを感じている状態で1日を始めると、その状態が1日中続きます。1日中気が立ったり、過敏になったりする可能性もありますね」とガードナー氏。「それに対してスローモーニングでは、自分の心を落ち着かせ、自分自身や他者とのつながりを感じた上で1日を始められます」

心理カウンセリングサービスThrive for the Peopleの心理学者、ジェニファー・チェイン博士によると、スローモーニングは私たちの創造力も掻き立てる。最近の研究結果は、マインドフルネスを通して心を自由にさまよわせると、創造力に良い影響が及ぶことを示している。セルフケアで1日を始めるのは、自分が大切であることを思い出すためのリマインダにもなるはずだ。「私たちは自分のことを後回しにしがちです。時間があるときやエネルギーが残っているときにしか、自分のことに集中しません」とチェイン博士。「スローモーニングでは他でもない自分自身が、自分でケアするべきもっとも重要な人間の1人になります」

あまり時間がない人向け:スローモーニングの実践方法

仕事のスケジュールがパンパンに詰まっているときや、子どもや家族の面倒を見る必要があるときは、ゆっくりと1日を始めることが不可能に思えるかもしれないけれど、ガードナー氏いわく“オール・オア・ナッシング”である必要はまったくない。スローモーニングは少しずつでも十分に効果的。また、チェイン博士が言うように、習慣は継続によって築かれるもの。今日は5分しか取れなくても、そのうちもっと時間が取れるようになるかもしれないので、最初は無理せず小さなことから始めてほしい。

次のアイディアを参考に、スローモーニングのルーティンを構築しよう。

・スマホを“おやすみモード”にして、メッセージや仕事のメールをチェックしない

・朝の数時間はSNSのアプリを使えないようにする

・ブレスワーク(ボックス呼吸法や4-7-8呼吸法)を取り入れる

・朝のワークアウトやヨガの前にマインドフルなストレッチをする

・瞑想アプリで5分間の瞑想をする

・ジャーナリング(感謝日記や“モーニングページ”)を習慣にする

・ブラインドを上げて光を取り込むか、外に出て日に当たる

・自分の部屋を片付けてから1日を始める

・淹れたてのコーヒーの香りを味わう

・音楽を聴きながら、のんびりとシャワーを浴びる

・集中して朝食を作る

時間をかけて、自分に合ったアクティビティを見つけよう。アクティビティが毎日同じである必要もない。大事なのは自分のためにゆっくりする時間を継続的に作ることなので、週の始めの月曜日はジャーナリングで、会議の多い火曜日は瞑想でもまったくもって問題ない。自分の好みやライフスタイルに合わせて前述のアクティビティを好きなだけ組み合わせれば、すぐに穏やかな朝がやって来るはず。

スローモーニングにふさわしくないアクティビティ

スローモーニングのルーティンは人それぞれ。でも、落ち着いた朝を過ごしたいなら避けるべきことがいくつかある。ヴェルハルスト氏によると、1つ目はネガティブなひとり言。自分に対して過度に批判的で、いつも自分に自信が持てない/やさしくできない人には、感謝日記のようなアクティビティが効果的とされている。

避けるべきことの2つ目はSNS。「スクリーンタイムを1日数分減らすだけでもメンタルヘルスの状態が改善し、孤独感が減ることを示すエビデンスが存在します」とチェイン博士。

SNSのフィードをチェックするのは平和な朝の過ごし方のように思えるかもしれないけれど、SNSで表示される内容をコントロールするのは不可能じゃなくても難しいため、場合によっては精神的に疲れてしまう(自分のフィードにかわいい動物の動画がズラッと出てくる日もあれば、ストレスフルなニュースや元彼の新しい彼女の写真が表示される日もある)。ガードナー氏によれば、あなたが朝から大量の情報を取り込むと、それを短時間で処理・解釈する脳が大きな負担を強いられる。

時事ニュースを完全に避け、SNSや仕事のメールを無視する必要はないけれど、メンタルヘルスをケアしたいなら、あなたの注意を引こうとする事柄に目をやる前に時間を取って、今日という1日に自分を慣らしたほうがいい。そのためにも、テクノロジーはスローモーニングのルーティンで置き換えよう。少し意図的になるだけで、人生は大きく変わる。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Olivia Luppino Translation: Ai Igamoto

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