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水泳で燃焼できるカロリーはどれくらい?

  • 2024.5.27
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トライアスリートや競泳選手でない限り、有酸素運動で真っ先に水泳を思い浮かべる人はいないかもしれないけれど、プールで泳ぐ習慣はあなたの日常をガラッと変えてくれる。水中で体を動かす水泳は、全身の筋肉を鍛えられるうえに、多くのカロリーを燃焼できる優れたスポーツなのだ。

「水泳は、比較的ハードで怖いというイメージを持たれることもありますが、実はどんな年齢の人でもできる最高の心臓血管トレーニングなんですよ」と話すのは、米国水泳連盟、アメリカ水泳コーチ協会(ASCA)認定の水泳コーチ、クリス・ガニエ。プールの端から端まで泳ぐにはほぼすべての筋肉を使うので、「心臓の筋肉そのものが強くなり、心臓が全身に血液を送り出す効率が高まります」

また、骨や関節を圧迫することがほとんどない水泳は、体に負担をかけずにカロリーを燃焼できる優れた運動でもある。「水は、体の90%を支えてくれます」とガニエ。

もちろん、水泳からどれほどのメリットを得られるかは、いくつかの重要な要因によって異なるとのこと。では実際に、水泳で消費できるカロリーについて、イギリス版ウィメンズから具体的にみていこう。

水泳ワークアウトがもたらすメリット

水泳を始めるのに抵抗がある人のために、まずは水泳で得られる素晴らしいメリットから学んでいこう。

1. 水泳は、心臓病を予防する優秀なワークアウト

水泳はとにかく素晴らしい有酸素運動で、泳いでいる間は、酸素を含む血液を全身に送り出す心肺機能が鍛えられる。しっかり泳いだ後にいつも息が切れているのは、心臓と肺がいっぱい働いた証拠。

水泳を長期的に続けると、健康に大きな違いを生み出せる。「アメリカ心臓協会によると、1日たった30分泳ぐだけで、女性の冠状動脈疾患を30〜40%減らせることがわかっています」とガニエ。

2. 筋肉が引き締まり、体力がつく

ガニエいわく、泳ぐときは水の抵抗に逆らわなくてはならないため、水中で水をかくたびに筋肉を鍛えられる。水中で体を動かすためには、腕や脚、体幹など主要な筋肉群すべてを使う必要があるから。

3. ワークアウトにバリエーションを取り入れやすい

平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、横泳ぎ、自由形など、いろんな泳法を組み合わせることによって、1回の運動ですべての筋肉を異なる角度から鍛えられる。

水泳の消費カロリーはどれくらい?

Women's Health

一般的に水泳はかなりのカロリーを消費する。でも具体的には、体重や運動強度、泳ぎ方など、いくつかの要因によって左右されるよう。ハーバード大学医学大学院の推定によると、30分ゆったりと泳ぐ水泳で消費できるカロリーは、一般的に以下のとおり。

体重57kgの女性は約180カロリー

体重70kgの女性は約216カロリー

体重83kgの女性は約252カロリー

強度を上げ、30分力強く泳いだ場合には、消費カロリーは以下のように増える。

体重が57kgの女性は約300カロリー

体重が70kgの女性は約372カロリー

体重が83kgの女性は約444カロリー

泳法によっても消費カロリーは大きく異なる。例えば、体重が70kgの女性が30分平泳ぎで泳ぐと約372カロリー消費できるのに対し、30分バタフライで泳ぐと約409カロリーを消費できる。

水泳で消費できるカロリーは、ランニングやサイクリングをするより多い?

水泳は、努力次第でトレッドミルやエアロバイクで消費するカロリーと同じくらい(あるいはそれ以上)のカロリーを燃焼することができるそう。

ハーバード大学医学大学院によると、1マイル(約1.6km)を10分のペースで走る場合には、30分間のランニングと水泳で消費されるカロリーはほぼ同じ。でも、走るペースが1マイルあたり11分以上になると、水泳をしたほうがより多くのカロリーを消費できるとか。

水泳とサイクリングでも同じ。適度なペースで30分ペダルを漕ぎ続けると、体重が70kgの女性は約260カロリーを消費できる(これは、力強く30分泳いだ場合に比べて、約100カロリー少ない)。ところが、ペダルを漕ぐ速度を最大限に上げた場合には30分で約391カロリー消費でき、これはバタフライで30分泳いで消費できるカロリー(約409カロリー)に匹敵する。

水泳の消費カロリーを左右する要素とは?

主な要因は、体重、泳法、運動量(強度)、泳ぐ時間(長さ)の4つ。強度と時間に関しては明白で、ガニエいわく、長く力強く泳ぐほど消費カロリーは増加する。

体重も大きな要素になるとか。なぜなら、体重が重ければ重いほど、水中で体を動かす労力が増えるから。体が大きい人も、水中の表面積が増え、その分水の抵抗も増えるので、泳ぎ続けるためにはより多くの労力が必要になる。

泳法によっても消費カロリーは大きく異なる。ガニエによれば、ある泳法は他の泳法に比べてもっと技術的であるため、より多くのエネルギーを消費する。例えばバタフライでは、水中で難しいドルフィンキックを行いながら、両腕を水から外に広げて素早く前に伸ばす動作をこなすため、より穏やかな平泳ぎに比べるとはるかに体力を使う。

水泳でカロリー消費量をもっと増やす方法

Women's Health

幸いにも、消費カロリーを増やすためにハードなバタフライで何往復も泳ぐ必要はないそう。次にプールで泳ぐときは、以下の3つの戦略を取り入れてみて。

1. 抵抗をもっと作る

「器具を使うにしても、自分の体だけで泳ぐにしても、水中での抵抗が増えるほど消費カロリーは増えます」とガニエ。よって、プロの水泳選手の動きを真似ながら、いつもの水着のうえにゆったりした水着を重ね着してみたり、ハンドパドルやフィンなどの練習器具を装着するのも賢い戦略だとか。

2. インターバルを取り入れる

泳ぐスピードを上げれば消費カロリーが増えるのは当然だけれど、そのために30分全力で泳ぎ続ける必要はない。

ワークアウトに注ぐ時間があまりない人や、持久力をつけたい人にガニエが提案するのは、インターバルトレーニング。例えば、30秒間全力で泳いだ後は、60秒間ゆっくりなペースで泳ぐというパターンを繰り返すといいそう。

トレッドミルの上で高強度インターバルトレーニング(HIIT)をするのと同じように、プールでのワークアウトもこのように分割して行えば、努力と時間を最大限に活用しつつ、パフォーマンスを向上させ、より多くのカロリーを燃焼することができるとか。

3. 個人メドレーで泳ぐ

個人メドレー(IMs)では、主な4つの泳法で交互に泳ぐことにより、体への刺激が増え、最終的には消費カロリーが多くなるとガニエは説明する。

例えば、こんなふうに泳いでみて。バタフライで1往復、背泳ぎで1往復、平泳ぎで1往復、最後にフリースタイルで1往復する。その後はリカバリーとしてあなたの体がもっとも楽に感じられる泳ぎ方で泳ぐか、平泳ぎや背泳ぎで数往復ゆっくり泳いでみる。個人メドレーをひたすら繰り返すのではなく、その都度体を回復させることを忘れずに。 ※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: ANDI BREITOWICH AND NIKHITA MAHTANI Translation : Yukie Kawabata

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