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『怪獣8号』の極振りに『ヒロアカ』の恵体…ネットスラングが飛び交うジャンプ系漫画

  • 2024.5.27
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『怪獣8号』の極振りに『ヒロアカ』の恵体…ネットスラングが飛び交うジャンプ系漫画 (C)PIXTA

老若男女が楽しめる作品を発信することで、漫画業界の覇権をとった『週刊少年ジャンプ』と『少年ジャンプ+』。しかしその作中に、一部の人々にしか伝わらない“ネットスラング”が使われていたとして、大きな話題を呼んでいた。

『怪獣8号』で使われた「極振り」

たとえば典型的なのは、2024年にアニメ化されることが決定している「ジャンプ+」の大ヒット漫画『怪獣8号』。2021年12月に公開された第51話にて、「極振り」というワードが登場した。

作中では、怪獣9号が四ノ宮功の攻撃を防御しようと形態変化するのだが、これを見ていた来栖が、「防御に全肉体を極振りする気か!!」というセリフを放っている。

怪獣9号が防御に徹する様を「極振り」と表現したのかもしれないが、これは主にゲーマーの間で広く使われてきたスラング。ただ、その使い方には違和感があったようで、《全肉体を極振りってよく考えたら意味不明すぎん?》《なんかちょっと使い方おかしいな》といったツッコミの声も上がっていた。

ちなみに本来の「極振り」とは、ステータスをプレイヤーが振り分けるタイプのRPGなどで、特定のステータスに特化させる振り方を指す用語。このワードをタイトルに使った『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』というなろう作品も存在するが、同作はゲームの中で防御力に特化させてポイントを振った女の子の話だ。

新たなスラングを生み出す漫画も?

さらに、王道ジャンプ系漫画の中でもネットスラングが使われたことがある。

堀越耕平によるバトル漫画『僕のヒーローアカデミア』で、「恵体」というワードが登場したのだ。

問題のセリフは、『雄英高等学校』ヒーロー科1年B組のふくよかな男子生徒・庄田二連撃によるもの。「人は動ける恵体(けいたい)と僕を呼ぶ!」という言葉を放っている。

「恵体」は5ちゃんねるの「なんでも実況J」という板で広まったスラングで、「恵まれた体格」の略語。「ヒロアカ」では「けいたい」とルビがつけられていたが、その読み方については《めぐたいな》《えたいやろ》といったツッコミも入れられていた。

どうやらネット民の間でも読み方は定まっていないらしいが、少なくとも「けいたい」は少数派のようだ。

また「恵体」は「恵まれた体格」という意味なので、「動ける」のは当たり前だとも指摘されている。

その一方、ジャンプ漫画から新しいネットスラングが生まれるケースもあり、たとえば『バクマン。』の影響で「シリアスな笑い」というワードが広まったとされているようだ。

やはり漫画家としては、誰かが作ったスラングに頼るのではなく、逆にスラングを生み出していくスタイルの方が格好いいような気もする。

文=大上賢一

【画像】

Benzoix / PIXTA

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