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去年は暑さに負けた。花火と夏祭りのミッションへ、今年こそ悔いなく

  • 2024.5.27
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今年も、もうすぐ夏がやってくる。
花火に夏祭り、海に映るキラキラと揺れ動く光。そんなドラマチックなシーンのなかにいたいと毎年望んでいる。アウトドアよりインドア派な私は、飼い猫ちゃんと暑いねえと言いながらエアコンの風にあたりながら、夏は過ごす。しかし今年こそ、夏の海にダイブして夏祭り、花火に行って、夏を過ごしたいと思う。

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このゴールデンウィークに久々に京都へ日帰り旅して感じたことは、たまには晴れた空の下で身体を動かすことも大事だということだ。夏は暑いけれど太陽を浴びると身も心も安らぐし、ほどよく汗をかく。その楽しんだ日々が、日常を生き抜く糧になっていくのだろう。だからこそ、今年の夏はアクティブに生き抜こうと思っているところだ。そのためにまずは頭を真っ白にして夏に飛び込みたい。日々、自分のなかで渦巻く「あれやこれ」を忘れ去る夏もいい。これだ!とピンとくるまで、夏の暑さに委ねてみようかな。いや、もっとロマンチックにだなんて、夏に向けて妄想はとまらない。

去年は暑さに負けて家で花火の音だけ聞いた。それはそれで、ひとりでうっとりしていたけれど、今年こそ悔いなく弾ける夏を送ろうと思う。こうして書き連ねていると、「この夏やりたいことリスト」なんていうものをつくってみたくなる。たまには気晴らしも必要と知ったゴールデンウィークの次は、お盆。まだ三か月先のことではあるが、季節が過ぎるのは早いもので、逆に考えるともう五月なのだ。一年ずつ「今」を大事にするのは難しいけれど、この瞬間に生きているからこそ「夏」に想いを馳せるのはとても想像力が掻き立てられることでもある。

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まずは花火に夏祭り。このミッションをクリアするまでは私の夏は終わらないし、終われない。そう宣言して、二〇二四年の夏に挑もう。そうすれば、きっと悔いなく夏を過ごせると思うし、一生の宝物を掴むことができるはずだ。もう何年もドラマのワンシーンにいるような夏に憧れている私にとって、恋焦がれるような夏は夢のなかに閉じ込めておきたい。恋をするといっても人間が対象ではなく、花火が放つ輝かしい光とか、夏の匂いとか、シーブリーズの爽やかな香りとか。そうした心地よさを感じ取りたいのだ。そういうところにアンテナをはって五感をフル活用して、こころと身体を刺激していく。そうやって恋こがれていくのも良いなあと思っている。

シーブリーズって青春の象徴だなあと、私は夏になると必ず思う。青春そのものだなあと感じることは最近少なくなってしまったけれど、シーブリーズだけはティーンだったときの憧れを思い出させてくれる。特にこの先の人生について何も考えることなく、ただ「今」を生きていた十代のころ。いま思えば周りの人よりも、私は感受性が高いせいで、教室にいることが苦しかったに違いない。

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二つ目の夏にやりたいことは、自分の「今」を見つめ直すことである。夏じゃなくたってできることではあるが、中学時代の夏休みに部活の遠征で武道館に行ったこと、夏休みの宿題が嫌だったことと、二十一歳になって感じる孤独。もう通り過ぎた十代とこれから始まる二十代、三十代。その「今」と「未来」の境目で揺れ動く過去は、なぜかわからないけれど夏になると思い出して、ちょっぴり切なくなるのだ。

今年こそ、なぜ「今を生き抜くこと」が大事なのか、じっくりと自分の心と向き合ってみたい。夏の夕暮れでも見ながら散歩して考えても良いし、花火が打ち上げられる一秒前に考えても良い。そうするだけで、どこか心が救われるのではないか。もともと私は考え込むことが好きだからこそ、夏がパッと弾けている場所で開放的になって考えてみる。それも自分らしい夏のやりたいことであって、目標に向かって突き進む夏になるはずだ。

■真桜のプロフィール
恋愛の神様、北川悦吏子先生に憧れながら、小説やエッセイを執筆しています。

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