食品に光熱費…まだまだ値上げの波が押し寄せています。
家計への負担は増すばかりですが、中でも小売店舗側も「ここでも上がるんだ…」と衝撃を受けるのが、オリーブオイルです。
その値上げ幅は…?
家庭でもパスタなどの料理に欠かせないオリーブオイル、その値上げの影響を調べました。
連載「じぶんごとニュース」
家庭用オリーブオイルの5月の値上げ幅は、各社最大で6割を超える、大幅アップです。
札幌市手稲区の「キテネ食品館」では598円だった商品が、税抜きでほぼ1000円まで上がっています。
その原因について、日本オリーブオイルソムリエ協会の多田俊哉理事長に聞いてみると…。
「スペインで2年連続の不作になってしまった。値上げ幅がハンパなくて、2倍~2.5倍になっている」と教えてくれました。
オリーブオイルは世界一の産地がスペイン。生産量は世界の5~6割を占めているため、大きな影響が出ている、というワケ。
キテネ食品館の中塚誠社長は「まずこの値札を2度見する方が結構いる。本当はオリーブオイルがいいけどこの値段だから、泣く泣くサラダ油に変える方もいる」といいます。
一方、頭を悩ませているのが料理店です。札幌市北区にあるスペイン料理店を訪ねました。
どの料理にもたっぷり…欠かせない油
札幌市北区にあるスペイン料理店。
アヒージョにカルパッチョなど、多くのメニューでヘルシーなオリーブオイルをたっぷり使っています。
店の在所誠料理長は「アツアツ感だったりシズル感を大事にしていて、オリーブオイルは欠かせないもの」と話します。
アツアツのアヒージョのオイルをバケットにひたひたにつけて…美味しそう!
この店で仕入れている業務用のオリーブオイルは、すでに年明けの時点で2割ほど値上がりしていますが、今後さらに値上げされると見ています。
「これが続くと厳しいし、代用できるものではない。スペイン料理にとっては必要な油」と危機感を感じています。
帝国データバンクによりますと、5月の食品の値上げは417品目に上ります。
今後、円安が今の水準で続くか、さらに進んだ場合…
この秋にも、また“値上げラッシュ”が発生する可能性があるということです。
食品だけではありません。家計へのさらなる負担増が待ち構えています。
電気は月に約800円値上げに
電気・ガスの料金が高騰する中、政府は激変緩和対策として、これまで、家庭向けの電気料金で1キロワットアワーあたり3.5円、都市ガスでは1立方メートルあたり15円を補助してきました。
しかし、5月使用分への補助はこれまでの半分程度に縮小、6月以降は補助を廃止することになりました。
マチの人のホンネは…。
「すべてのものが値上がりしていて、仕事頑張るしなかない」
「今でもガス代が高いのに、さらに上がるのは、どれくらいの値段になるか想像できない」
「前は家の電気を消したりなんて全然しなかったのに…」
電気・ガスの「激変緩和対策」は、6月使用分から廃止になります。
これまで、4月の使用分では、3.5円(1kwhあたり)、5月の使用分では、1.8円(1kwhあたり)の補助金が出ていました。
北海道電力によりますと、標準家庭で、月800円程度の負担増となるということです。
今の円安の水準は2022年から2023年の値上げラッシュのときの水準を超えています。
帝国データバンクは、「輸入に頼る企業では、一層コストが増え、今秋にも食品の値上げラッシュが発生するのではないか」と分析しています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年5月7日)の情報に基づきます。