ことしもクマの出没が相次いでいます。
不安になるニュースが多い今だからこそ、北海道、日本の自然を安全に楽しむためのヒントを、「クイズ」を通して前向きに考えてみませんか?
HBCが運営する、クマとの“いい距離の保ち方”を考えるサイト「クマここ」には、「ヒグマ検定」というクイズコーナーがあります。
北海道庁が去年企画して作ったもので、HBCが制作に入りました。
クマの生態にくわしい、酪農学園大学の佐藤喜和教授が監修しています。
正しい知恵を多くの方に知ってもらい、悲しい事故を防ぐため、Sitakkeでも「ヒグマ検定」からクイズを出題します!
連載「クマさん、ここまでよ」
ヒグマ検定「ここだけは!編」
まずはヒグマの生態から学びます。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題・解説する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
「ヒグマ検定」の問題は、ツキノワグマに通じることも多いので、北海道外の方もぜひチャレンジしてみてください。
▼前編:ヒグマ検定「ここだけは!編」1~5問目
【クイズ・ヒグマは時速何キロで走る?命と暮らしを守るための「ヒグマ検定」に挑戦】
第6問
ヒグマの子育ては、誰がするでしょう?
①お父さんとお母さん
②お母さん
③ほかの家族と群れをつくる
正解は…
正解は…「②お母さん」でした。
画像は札幌市提供。お母さんグマと3頭の子ども
5〜6月に交尾をしますが、冬の出産のころには、もうお父さんは一緒にいません。
お母さんは冬眠する穴の中で子どもを産み、おっぱいをあげて、穴から出てからも子どもが1才半〜2才半になるころまで、一緒に行動して生き方を教えます。
だから、お母さんにとって人の畑の作物や住宅地のごみを食べるのが当たり前になると、子どもにも教えてしまうかもしれません。
一つのごみが、複数のヒグマに影響し、人もクマも命の危険にさらされるかも…
ごみのマナーを守ることが、クマ対策の第1歩です。
第7問
ほとんどのヒグマは、人のことをどう思っているでしょう?
①会ったら積極的に襲って食べたい
②できるだけ会いたくない
③住宅地まで探しに行って襲いたい
正解は…
正解は…「②できるだけ会いたくない」でした。
ヒグマのほうも、人にはできるだけ会いたくないと思っています。
人を襲って食べたいとも思っていません。
でも、ときどきヒグマに出会った人がけがをすることも、ヒグマが人に会ってものんびりしていることもあります。
2023年3月、札幌・南区。ハンターらが見る前であくびをしていた
その理由は、この先の問題で学びましょう。
第8問
ヒグマが人を攻撃してけがをしたり亡くなったりする事故。
主な理由はどれでしょう?
①人が持つ食べものがほしいから
②人が先にヒグマに攻撃したから
③自分の身を守ろうとしたから
正解は…
正解は…「③自分の身を守ろうとしたから」でした。
ばったり人と出会ってびっくりして、自分の身を守るためだったり、近くにいる子どもや
食べものを守るための、とっさの攻撃がほとんどです。
たとえば、2021年6月に、札幌市東区の住宅地にクマが出没したことがありました。
クマに出会った4人が重軽傷を負いました。
2021年6月に札幌・東区の住宅街に出没したヒグマ
そのクマは、人を襲いに住宅地に来たわけではなく、川をつたって、いつの間にか迷い込んでしまい、パニックになって人を攻撃したとみられています。
ただ、人から食べものをもらったりゴミを食べたりして「人に近づくといいことがある」と学んだヒグマは、積極的に攻撃することもあります。
ヒグマが攻撃したい理由を作らないことが必要です。
第9問
北海道でヒグマと出会って、けがをしたり、亡くなったりした事故。
ハンターが被害者のものを除くと、どんな場面が多いでしょう?
①住宅地で出会った
②山菜やキノコを採るときに出会った
③釣りをしているときに出会った
正解は…
正解は…「②山菜やキノコを採るときに出会った」でした。
平成に入ってからの北海道での事故を振り返ると、およそ半分が、山菜やキノコを採るときにヒグマと出会ったものです。
そのため、ヒグマとの人身事故は、4〜5月の春、そして9〜10月の秋に多く発生しています。
北海道では、春と秋に「ヒグマ注意特別期間」をもうけて、「事前にヒグマの出没情報を確認する」など、ヒグマに出会わないための行動をよびかけています。
第10問
ヒグマの体重は、最大でどれくらいでしょう?
①1000キログラム
②500キログラム
③250キログラム
正解は…
正解は…「②500キログラム」でした。
大人のオスのヒグマは、最大で500キログラムほどの体重になります。メスは150キログラムほどです。
平均的には150キログラムから400キログラムの体重のヒグマが多いようですが、冬眠前の秋に体重が増えるので、季節によって大きく変わります。
2018年撮影の島牧村のヒグマ。同じ個体とみられているが、夏(右)より秋(左)のほうが一回り大きい。季節によっても体重が変わる
男子の柔道では100キロ超級までありますが、その選手に比べても、体重が重く、パワーの強さがうかがえます。
もしばったり出会って攻撃されてしまったら…一撃で命にかかわる強さです。
やっぱり出会わないのが一番です。
クマに出会わないためのルールも、ぜひ合わせてご確認ください。
***
5問を抜粋しましたが、続きはまた連載「クマさん、ここまでよ」でお届けします。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
【SitakkeYoutubeチャンネル】
「ヒグマ検定」の全問題は、「クマここ」からチャレンジできます。
【クマここ】
文:Sitakke編集部IKU