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「おせっかいだな」なんて思ってごめんなさい…!⇒私たち家族に寄り添ってくれた、心やさしいお隣さん

  • 2024.5.26
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夫の転勤で引っ越す前、私たち家族が住んでいた場所は、いわゆる「都会」にあたるところでした。ご近所付き合いはほとんどなく、すれ違ったときのあいさつ程度。いつしか田舎育ちの私も「今どきのご近所付き合いは、こんなものでしょう」と思い込んでいました。さらに子どもが生まれて少し神経質になっていた私は、この深く関わらない付き合いがちょうど良いとさえ思っていたのです。

少しおせっかいなお隣さん

長男が1歳のころ夫の転勤があり、新たな土地のマンションに引っ越しをしました。朝、洗濯物をベランダで干していると、隣から「おはようございます」の声。びっくりして、ベランダからそっと顔を出して見てみると、お隣さんも同じように顔を出してこちらを覗いています。私は慌ててあいさつを返し、少し会話しました。

これまでの住まいでは、ご近所さんとはすれ違ったときにあいさつをするくらいの関わりだったため、わざわざ呼ばれたことに私はドキドキしてしまいました。その後も何度か同じことがあり、さらに引っ越してきたばかりの私たちに、お土産やお裾分けを持ってきては「困っていることはない? なにかあったら、言ってね」と……。周りから見れば親切な行動だと思いますが、警戒心が強かった私は戸惑いを隠せませんでした。

お隣さんの新たな一面を知り……

お隣さんはご夫婦2人で生活していましたが、ときどき娘さん家族が遊びに来ているようでした。そんなときはベランダから、お孫さんと楽しそうに遊ぶお隣さんの声が聞こえてきます。お隣さんを少し警戒していた私ですが、お孫さんに対するやさしい話し方から、「お隣さんは、子ども好きなやさしい人なんだろうな」と思うようになっていきました。

娘さんの話によると、お隣さんは元教師で、このマンションの自治会の役員も引き受けてくれているようでした。そのため、自分よりも高齢の住民にも気を配り、手伝っているそうです。娘さんは「お母さんたち、おせっかい焼いていないですか? 周りの人を放っておけない性格で、迷惑かけていたらすみません」と私に言いました。

他人なのに、まるで家族のような関係

さらに娘さんは「母たちは現役を引退してしまったけれど、周りの人のお世話をすることで、自分の役割や生きがいを見つけているのだと思う。もし嫌でなければ、遠慮なく甘えてあげてください」と言うのです。たしかに私はお隣さんの善意を「正直、ちょっとおせっかいだな」と感じてしまっていたため、そんな自分が恥ずかしく思えてきました。

「深く関わらない付き合いがちょうど良い」と思っていた私ですが、他人である私たちマンションの住人とまるで家族のように関わり、孤独を感じさせないように気を配ってくれるお隣さんのやさしさを知り、「なんて素敵な関わりなのだろう」と思うようになりました。

その後もお隣さんにはたくさんお世話になり、実家が離れている私の心の支えとなってくださいました。夫の転勤で再び引っ越してしまいましたが、お隣さんとは今でもときどき、近況報告も兼ねて連絡をとっています。お世話好きな人の行動は、私のように警戒心を持たれてしまうことがあるかもしれませんが、人の心を救うこともあるということを、お隣さんから学びました。感謝でいっぱいです。


著者:山下亜衣

10歳と7歳のサッカー小僧の母。子どもたちを応援するため、アスリートフードマイスターを取得。転勤族で現在は地方での生活を満喫中。趣味はキャンプ。


イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと

ベビーカレンダー編集部

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