もしクマに出会ったら?出会わないためには?
HBCが運営する、クマとの“いい距離の保ち方”を考えるサイト「クマここ」には、「ヒグマ検定」というクイズコーナーがあります。
北海道庁が去年企画して作ったもので、HBCが制作に入りました。
クマの生態にくわしい、酪農学園大学の佐藤喜和教授が監修しています。
正しい知恵を多くの方に知ってもらい、悲しい事故を防ぐため、Sitakkeでも「ヒグマ検定」からクイズを出題します!
不安になるニュースが多い今だからこそ、北海道、日本の自然を安全に楽しむためのヒントを、クイズを通して前向きに考えてみませんか?
連載「クマさん、ここまでよ」
ヒグマ検定「ここだけは!編」
まずは基礎の基礎。
ヒグマの生態から学びます。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題・解説する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
「ヒグマ検定」の問題は、ツキノワグマに通じることも多いので、北海道外の方もぜひチャレンジしてみてください。
第1問
ヒグマのシルエットはどれでしょう?
正解は…
これは簡単すぎますよね。
正解は…①!
②は犬(ゴールデンレトリーバー)、③はメスのエゾシカでした。
落ち着いて見ると、しっぽや体の大きさが全然違います。
でも、犬やエゾシカ、キツネ・タヌキ・人と、ヒグマを見間違えた通報が、実際にあります。
ヒグマのニュースを聞くことが増えて「こわい」だけでびくびくしていると、ヒグマでないものまでヒグマに見えてしまうことも。
まずは落ち着くことが大切です。
第2問
ゾウといえば長い鼻、ウサギといえば長い耳、キリンといえば長い首...
ではヒグマの顔で特徴的に大きいのは?
①目 ②耳 ③鼻
正解は…
正解は…「③鼻」でした。
2019年・札幌市南区
目や耳は小さめですが、平たい顔ではなく、鼻先が大きく出ています。
ゾウやキリンは食べ物などを取りやすいように、ウサギは危険をいち早く知るために、鼻や首、耳がそれぞれ大きくなっていますが、ヒグマは鼻がとってもよく、においで食べものを探しています。
目や耳でほかの動物の動きを敏感に察知して狩るのではなく、鼻を使って探す食べものとは何でしょう?
それが次の問題のヒントです。
第3問
ヒグマはどんなものを食べるでしょう?
①動物の肉ばかり
②動物の肉がほとんどで、植物を食べることもある
③植物がほとんどで、肉を食べることもある
正解は…
正解は…「③植物がほとんどで肉を食べることもある」でした。
ヒグマは雑食でいろいろなものを食べますが、草食に近く、草や木の実が主食です。
鼻がいいので、小さな季節の実も見つけられます。
大きな体ですが、動物をおそって食べることはほとんどなく、すでに死んでしまったシカを見つけて食べたり、小さなアリを地面から掘って食べたりします。
第4問
ヒグマはどれくらい速く走ることができるでしょう?
①陸上選手と同じくらい
②自転車と同じくらい
③自動車(一般道)と同じくらい
正解は…
正解は…「③自動車(一般道)と同じくらい」でした。
2021年・札幌市東区
ヒグマは時速50キロほどで走ることができます。
人が走ったり、自転車に乗ったりしても、本気で追いかけられたら、すぐに追いつかれます。
出会わないのが一番ですね。
第5問
ヒグマはいつ生まれるでしょう?
①冬 ②秋 ③夏
正解は…
正解は…「①冬」でした。
1月から2月ごろに、お母さんが冬眠している穴の中で生まれるんです。
だいたいは、一度に1~3頭ほど生まれます。生まれたときは400グラムくらいの体重。
そのまま穴の中で、お母さんのおっぱいを飲んで5キロくらいまで成⻑してから、穴の外へと出ていきます。
画像提供:札幌市。親子のヒグマがこの穴の中で冬眠していた
冬眠というとぐっすり眠っている様子をイメージされるかもしれませんが、お母さんグマはまどろむような状態で、子どもにおっぱいをあげています。
外敵が近づいたらすぐに起きられる状態です。
2022年3月には、札幌市西区の三角山で、冬眠穴に近づいた男性2名が、クマに攻撃されてけがをしました。
穴には子グマがいて、攻撃はお母さんグマが子どもを守るためだったとみられています。
冬でも気を抜かず、北海道にはヒグマがいると意識して、対策をすることが大切です。
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きょうは5問を抜粋してお届けしましたが、続きはまた次回の記事で…。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
【SitakkeYoutubeチャンネル】
「ヒグマ検定」の全問題は、「クマここ」からチャレンジできます。
【クマここ】
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
文:Sitakke編集部IKU