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世界からお届け!SDGs通信台北編。〈7-ELEVEN〉が実施する、認知症の高齢者と社会を繋ぐプロジェクト

  • 2024.5.25
世界からお届け!SDGs通信台北編。業界初!〈7-ELEVEN〉が実施する、認知症の高齢者と社会を繋ぐプロジェクト。

認知症の高齢者がコーヒー淹れを体験!彼らに優しい社会の実現に取り組む

台湾では2025年に65歳以上が人口の2割を超え、5人に1人が65歳以上の高齢者になるといわれている。そこで台湾の〈7-ELEVEN〉(統一超商)では、社会的弱者である高齢者を支援する様々なプログラムを長期にわたって実施している。

交通が不便な場所に暮らす高齢者にお弁当を配達するサービス「好鄰居送餐隊」や食品や日用品などを載せて売りに行く移動販売車などのほか、2017年からは「天主教中華聖母基金會」と共同で、認知症の高齢者に向けたプロジェクト「幾點了咖啡館」を実施。これは週に1度、認知症の患者がとなり、レジ打ちやコーヒー淹れなどの業務を体験するという内容。手と目を動かすことで知的な刺激を得られるほか、人々と交流することで、社会における認知症に対する理解を広げていくのも狙い。

現在16の団体と協力し、全19店舗で実施。2023年には店舗外に拡大し、嘉義県中埔郷にある認知症グループホーム兼デイケアセンター〈隆興多功能長照服務園區〉に初の独立した喫茶店〈幾點了咖啡館PLUS〉を設立した。ここでは認知症の患者が平日1時間、フィルターでコーヒーを淹れる業務を体験する。

このプロジェクトにはこれまで4000人近くが参加。その8割が幸福感と自信を高めることができたという。一方、認知症患者の家族の9割が介護のストレスを緩和でき、家族関係を良好にすることができたという調査結果も出ている。認知症の高齢者に対する優しい社会の実現。その取り組みは今後、ますます必要性を増していくに違いない。

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コーヒーマシーンの使い方を丁寧に教えるスタッフ。
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カップの蓋を閉める作業を通して手に刺激を与える。
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消費者側も認知症への理解を深められるプロジェクトだ。
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認知症の人たちにとって顧客との交流も大きな意味をもつ。
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独立した店舗として昨年オープンした

Information

幾點了咖啡館(チーディエンラカーフェイグワン)

〈7-ELEVEN〉と「天主教中華聖母基金會」の共同プロジェクト。認知症の高齢者は「幾點了?(何時ですか)」と繰り返し尋ねることから、「幾點了咖啡館」と名付けられた。

profile

片倉真理

かたくら・ まり/台湾在住ライター。雑誌や書籍の執筆・企画などに携わる。著書に『台湾旅人地図帳』『台湾探見』など。雑誌『&Premium』の「&Taipei」は連載丸5年を迎える。『CREA Web』でも台湾土産に関する連載をもつ。

Instagram:@marikatakura

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