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グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉私房菜を思わせるアットホームな中国薬膳料理

  • 2024.5.25

旧雨(早稲田)

私房菜を思わせるアットホームな中国薬膳料理

小気味良い中華鍋の音、蒸籠(せいろ)の白い湯気、食欲を煽るゴマ油の香り。オープンキッチンを目の前にするこちらは、プライベート空間でシェフが腕を振るう香港の私房菜さながらの佇まい。

中国料理〈古月 新宿〉でのシェフ経験を経て、スタイル変更した新店に立つオーナーシェフの前田克紀さん。高級営養薬膳師の資格を持ち、中国の伝統的な医学=中医学の基本理念に則(のっと)った料理方法で9品前後のおまかせコースを楽しませている。

グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉の「平貝の炒めもの ごま風味」
「ホタテ貝と比べて平貝は貝柱がしっかりとしていて歯応えがある。あまり火入れすると硬くなるので、生臭さが目立たないよう表面を強く炙って、あとは温める程度にとどめます」と前田さん。ショウガがほんのりと香るゴマ油のタレは古典的な四川料理がベース。味変にスパイスも。9,500円のコースから。
グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉の「ビーツ・落花生・ほろほろ鳥の養生スープ」
薬膳の考え方に沿った組み合わせで、季節の素材とそのエキスを存分に楽しむスペシャリテ。ビーツは根菜らしい土っぽさもあり、落花生はホクホクした仕上がり。醤油と酢、ラー油を合わせたタレを添える。コースから。
グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉の「すっぽんの蓮の葉包み蒸し」
前田さんの出身地である新潟で養殖している、身が締まって肉質がしっかりとした魚沼産のスッポンを使用。肺を潤し丈夫にするといわれる、中国食材のカンランの塩漬けで味つける。アラカルトメニューから。4,200円。

例えば、スペシャリテの養生スープ。ビーツと落花生、ターメリックにホロホロ鳥の組み合わせは「血(けつ)が不足しがちな春は、肝の働きを良くするため血を補い、体に巡らせる食材を取り入れます」と前田さん。

豪快なイメージのある炒め物も、平貝の表面を軽く炙(あぶ)ったら、70℃で温める程度に火入れ。別々に加熱したフキノトウとゴマ油のソースで和える丁寧さ。

品数も多くワンオペゆえ、時間には余裕を持って来店を。

グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉のオーナーシェフの前田克紀さん
「自分が食べたい料理を食べたい価格でご提供したい」と前田さん。
グルマン温故知新:早稲田〈旧雨〉の店内
シェフとの距離感が近いカウンターメインの店内。

Information

旧雨

〈きゅうう〉
住所:東京都新宿区西早稲田2-3-21 ケイビル1F
TEL:なし
営:17時〜21時
休:日曜・月曜休

2023年12月6日オープン。支払いはクレジットカード、もしくは電子決済で。予約はInstagram(@kyuuu_waseda)へのDMで受け付け。固定と最新ポストを確認のうえ予約・来店を。メニューはおまかせコースのみ。追加オーダーに限りアラカルトも。麻辣豆腐とご飯2,200円ほか。クラフトビール、ワイン、紹興酒、日本酒、自家製養生酒すべて950円。コース9,500円、アラカルト2,200円〜。カウンター8席。

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