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木村拓哉VS竹内涼真、終盤5分に大興奮も…見逃せないツッコミどころは? 『Believe 君にかける橋』第5話考察&評価

  • 2024.5.25
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『Believe -君にかける橋-』【番組公式Instagramより】

脱獄後、傷だらけの体を引きずりながらも、妻・玲子(天海祐希)と再会。自首を勧める玲子に対し、「あと1日だけ時間をくれ」と言い残し、帝和建設社長の磯田典孝(小日向文世)らが隠蔽し続ける龍神大橋崩落事故の真相を突き止めるために奔走していた狩山陸(木村拓哉)。

しかし、証拠を託していた部下・南雲大樹(一ノ瀬颯)が、狩山と帝和建設の弁護士・秋澤良人(斎藤工)と揉み合った末に階段から転落し、重体に陥ってしまう。

この事件をネットニュースで知った狩山は、“万策尽きた”とばかりに彷徨い、「約束の1日」が終わったことで、いよいよ出頭する決意をする。

その刹那、半田豊(田中哲司)という男が現れ、狩山を無理やり車に乗せ、連れ去ってしまう衝撃的なシーンで終わった第4話。
半田は静岡県藤枝市の山あいにある自宅まで狩山を連れて行き、警察の大捜査網から匿う。そして狩山に「あんたに頼みたいことがあって連れてきた」と告げる。
これまで信頼していた人物から何度も裏切られてきた狩山。思わぬ救いの手を伸ばしてきた半田に対しても、自身を拉致まがいに連れ去る目的が分からず、一瞬、半信半疑の思いが頭をもたげるが、狩山は以前、半田とともに仕事をした過去があり、彼のことを思い出していた。

さらに自らの置かれた状況を鑑みれば、半田に従うしかない。

田中哲司
田中哲司ドラマゆりあ先生の赤い糸番組公式Instagramより

“頼み事”は何かを問う狩山を半田は、ある場所に連れて行く。それは一軒家の建設現場。そこでは突然の仕様変更に作業員たちが頭を悩ませていた。この仕事を最後に工務店を畳む決意をしていた半田は、その役目を狩山に託したのだ。「土木」と「建築」のギャップに戸惑う狩山だったが、あるヒントを作業員に伝え、問題を解決に導き、彼らの信頼を得る。

“謎の男”半田は、なぜ狩山を匿い、そして利用しようとしたのか。それは半田が、「永代町女子大生殺人事件」の犠牲者の父で、遅々として捜査が進まない警察に不信感を持ち、いわば警察が共通の敵だったからだ。さらに狩山は、半田が自らの手で復讐を果たす計画を練っていることを、半田の次女から聞かされ、「お父さんを止めてください」と懇願される。

一方、磯田らは、狩山と口止め工作の取引をするために、警察より先に狩山の居所を探ろうとし、捜査を依頼された秋澤は、磯田に“調査費用”という名目でカネを要求し、そのカネを捜査員の掛野勝(山崎潤)への“裏金”として渡す。狩山の行方を追う警察、特に黒木正興(竹内涼真)は執念の捜査を続行する。

そして高速道路のパーキングエリアでの目撃情報がもたらされ、捜査網は再び狩山に迫る。

しかしそんな中、夫の安否を案じ、ガンを患う身でも、健気に看護師長の仕事を続けていた玲子だったが心労も重なり、ついに倒れてしまう。そうとも知らずに、「まだ出頭できない」と玲子に向けて手紙を書く狩山。しかしその手紙は、違法捜査によって黒木が目にすることになる。

竹内涼真(東京コミコン2017より)
竹内涼真Getty Images

重体だった南雲がついに意識を取り戻す。さっそく面会に訪れ、機密情報が入ったSSDについて南雲を追及する磯田や帝和建設上層部と秋澤、しかし彼らを病院の外で待っていたのは黒木。警察を差し置いて狩山を捜索する磯田らに警告し、プレッシャーを与える。

一方、半田は狩山に逃亡した理由を尋ねる。「あの裁判はインチキだったんじゃないか」

警察、検察は弱者の味方ではないと身をもって痛感したという半田に、狩山は頼みごとをする。

それは、半田に復讐をやめさせることだった。説得を試みる狩山は苦戦するが、半田と工務店の従業員の真面目な仕事ぶりと家族的な雰囲気を見て、半田には真摯に生きて欲しいと心から願うのだ。

しかし半田家に突然、黒木らが現れる。殺害された半田の長女の遺影に手を合わせたいと言い、家に上がり込む黒木。いよいよ追い詰められた狩山は意を決したように姿を現す。狩山は、自らを追い続けたものの、初対面である黒木の顔を見て驚く。事故で死んだ若松と瓜二つだったからだ。

かくして、脱獄以来、続いていた逃亡劇は終わりを告げる。黒木の執念が実った形だが、次回予告の映像では走って逃げる狩山に対し発砲する黒木の姿が描かれている。2人の間に何が起きたのか…。

さらに、秋澤が「事故の経緯が外に出る可能性は永遠になくなりました」と不気味に呟くシーンも挿入され、狩山にとっては八方塞がりとなる雰囲気を醸し出している。

木村拓哉
木村拓哉Getty Images

今回の放送で、本作は折り返しとなったが、多くの場面で散りばめられた伏線が、どのように回収されるのかが、後半の見どころとなっていくだろう。最大の注目点は、崩落事故の真実がどのような形で明らかにされ、その後、狩山の身分がどうなるかだろう。

狩山を慕う部下たちのいる帝和建設に復帰することはできるのか。この物語がハッピーエンドで終わるとしても、狩山は不正を明らかにしたヒーローであると同時に、脱獄囚でもあるのだ。そのような人物が、容易に復職できるとすれば、あまりにもリアリティーに欠くシナリオだろう。

現に、狩山を匿っていた半田も、刑法第103条の「犯人蔵匿罪」で逮捕されるハズなのだが、予告映像ではそんな様子もない。黒木と相棒の梶田千佳(片山友希)以外の捜査員は一体何をしていたのかとツッコミたくなる。特に、秋澤から裏金を受け取っていた掛野などは、警察の風上にも置けない人物だ。

崩落事故とは別に、黒木が何故、狩山にこだわるのかも、本作の大きなプロットの1つだ。作中、梶田が黒木に、そのことを問い、黒木がヘラヘラと受け流すシーンがあるのだが、おいそれとは語れない重大な事情があり、そこには龍神大橋崩落事故、さらには半田が被害者遺族となった女子大生殺人事件にも繋がっているのかと、さまざまな考察がなされそうな展開を見せている。

(文・寺島武志)

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