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日本代表の森保一監督、“欧州組”について尋ねられ「すごく悲しいというか寂しい」と答えた流れが興味深い

  • 2024.5.24
日本代表の森保一監督、“欧州組”について尋ねられ「すごく悲しいというか寂しい」と答えた流れが興味深い
日本代表の森保一監督、“欧州組”について尋ねられ「すごく悲しいというか寂しい」と答えた流れが興味深い

Text by 奥崎覚(編集部)

6月のミャンマー戦とシリア戦に向けたメンバー26名が発表された日本代表。

パリ五輪に向けたU-23日本代表の活動も並行して行われることから人選が注目されたが、森保一監督は現状のベストと呼べるメンバーを招集した。

そうした中、欧州のシーズンが終了した直後の活動ということで、“欧州組”全体に対する評価を記者会見で尋ねられると、森保監督は「ヨーロッパ組…全体にと言いますか、全員成長しているということは確認させてもらっています」と答え、以下のように続けた。

「自国リーグでも非常にタフな戦いを1年通しながら、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出て、連戦で戦いながらシーズンを過ごしてきて、選手たちも疲労が溜まっていると思います。

ここで少し休みを入れてもらって、色々な選手を招集させてもらうということも選択肢の中では持っていましたが、選手たちはこれまでも自国のリーグ、そしてヨーロッパの戦い、さらには日本代表として長距離移動等々も含めてシーズンを通してきた中で、タフにずっと戦い続けることで成長してきています。休ませてあげたいという気持ちはありますけど、彼らも日本のために戦う気持ちを非常に強く持っています。

この6月のシリーズも、フラットな状態で招集を考えて、これまで招集してきた選手は継続して招集させていただく。ただ、競争がある中でそうではない選手は残念ながら選べないというところで、ベストなメンバーを招集させていただきました。

本当に選手たちはタフに戦っていく中で、ボロボロな状態にもなりながら成長を遂げてくれているので、そこはさらに選手たちの日頃のハードな戦いから『こういう成長があるんだな』ということを多くの日本代表サポーターの方々に見ていただければと思います」

厳しいシーズンを送ってきたからこそ、選手たちの成長を多くの人に見てほしい。

そこには、世界一を本気で目指すチームであれば、タフな状況をむしろ積極的に乗り越えて成長していく必要があるという森保監督の考えが見え隠れしていた。

さらに、森保監督は強い口調で「そして」と続け、海外組(欧州組)と国内組を分ける風潮に関してこのように語った。

「海外組ということで、国内とは別みたいな感じにとらわれるような認識になっていると、私としてはすごく悲しいというか寂しいところはあります。

彼らはヨーロッパの舞台で、確かに世界のトップトップのリーグの中で活躍はしていますが、日本で育った選手です。Jリーグや日本の国内の育成も含めて…この世界の中で揉まれて、日本でさまざまな指導者の指導を受けながら育って、本人たちが本当に努力をしたうえで、世界へ羽ばたいていきました。

日本でプレーしていてもJリーグの選手は実際に選んでいますし、そこを何かこう、特別に違うものだというところは…。認識としては、(日本を含む)世界から選んでいると思っていただければありがたいです。

ただ、まだ日本が世界を追い越していくためには急成長の中でも、さらに成長していかなければいけないところがあると思います。それは日本代表の活動を通して、そして私も日本人として、国内で活動する一人の日本人指導者として、国内の方々とさらに世界を追い越していくための共有はたくさんしていきたいと思います。

皆さんにも、ぜひ協力していただければと思います。質問と全く違う答えになりましたけど(笑)すみません」

所属クラブによりどうしても「海外組」「国内組」と切り分けられることが多い日本代表。

実力者は欧州へ渡ってしまうため試合での起用も海外組が多くなりがちだが、アジアカップの毎熊晟矢(セレッソ大阪)のようにピッチ上のパフォーマンスで海外にいる選手を上回りスタメンを確保するケースも当然ある。

海外と国内の選手たちを、本当に「フラットな状態」で選考しているからこそ「質問と全く違う答え」をあえて加えたのではないかとみられる。

ベストメンバーが招集された今回。名を連ねた5名の国内組(前川黛也、大迫敬介、谷晃生、長友佑都、川村拓夢)にも改めて注目していきたい。

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