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友達の陰口を言う子にどう接すればいい?そんなお悩みについてお伺いしました。

  • 2024.5.24
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悪口を言う友だちとは、どういう接し方をすればいいのかな?そんな悩みについて、一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表佐藤城人さんからお話を伺いました。

はじめに

今も昔も陰口を言う人はいますよね。私が小学5年生のとき今回のテーマと同じように「陰口を言う友人にどう接すればいいのか?」これがクラス会議の議題となったことがあります。
※今回は、わかりやすいように「A君」と記載しますが、誰かを特定して話し合いを行ったわけではありません。
クラス会議では担任の先生が「まず、解決できる内容かどうか、そこから考えよう」と口火を切りました。
話し合った結果、私たちの中では、解決は難しいという意見で一致しました。
なぜかというと、陰口を言う子(A君)に、「やめるべきだ」と言ったとしても、改心するかしないかは、A君の課題だからです。
注意をしても相手次第のため、みなが納得のいく解決は得られない、という意見が多数を占めました。陰口を無視した場合は、無視したことが陰口の対象となる恐れがあります。
逆に「そうだね」と迂闊に相槌を打ってしまうと、陰口への同意と見なされてしまいます。では、クラス全員で無視すれば良いのでしょうか?これはこれで、仲間はずれになってしまい、クラス全員による「いじめ」となりかねません。
次第に重苦しい雰囲気に包まれる中、先生が、「じゃあ、どうして陰口を言うのだろう?」と助け船を出してくれました。

ママ広場

陰口を言うのはなぜ?

「自分と違うところが気になる。何か言いたい」
「ただ、ムカつくから」
「誰もA君と遊んであげないから」
「みんなにかまってほしいから」
「うらやましいから」

いろいろな意見が出ました。
そのうえで、「A君にはA君なりの何かがあるのだろう。本当はもっとA君とキチンと話し合った方がいい」。
これが私たちの出した結論です。「そうだね。何かがあるんだろうね。そこを、クラスの仲間として、お互いに分かり合えると陰口もなくなるんじゃないかな」先生のひと言で、出口も見えてきました。
他人事と捉えていた子どもたちも「自分ごと」と捉え、真剣な表情になりました。

陽口(ひなたぐち)をしよう

クラス会議の最後に担任の先生から、「陽口大会」の提案がありました。陽口とは、相手がいないところで、褒め言葉や承認をすることです。
*陽口は陰口の反対語で、あくまでも造語です。

「陰口を言ってはいけない」ではなく、「お互いに陽口を使おう」これがクラスの合言葉となりました。
陰口を言うのはよくないことです。ただ、「ダメだ。禁止だ」だけでは陰口はなくならないでしょう。ただ禁止するだけではなく、「陽口を使う」のように望ましい行動も明示することが大切です。

アイ・メッセージとユー・メッセージ

アイ・メッセージ(I message)とユー・メッセージ(You message)は、アメリカの心理学者トマス・ゴードンが提唱したコミュニケーションの技法のひとつです。
アイ・メッセージのアイ(I)とは、「私は」のようにIを主語にして相手に自分の気持ちや要望を伝える方法です。
例えば「私は陰口を言われて傷ついた」「私はA君のことが心配だ」などの言い方になります。

この言い方の場合、A君を批判はしていません。A君の態度も硬化せずに済みそうです。対する、ユー(YOU)・メッセージのユー(YOU)とは「あなた」を主語にして自分の気持ちや要望を伝える方法です。

ユー(YOU)メッセージの場合、「あなたは陰口を言うのをやめた方がいい」「あなたは陰口を良いことと考えているのか?」などの言い方になります。
この場合、伝える側に、たとえ批判の意図がないのだとしても、「批判された」と受け止めてしまう可能性があります。

また、アイ(I)メッセージの場合も注意が必要です。
ア)僕が先生から注意されるから困るんだよ。
イ)僕はA君のことが心配なんだよ。
このアとイの違いは、主語である「僕」がどこを向いているのかです。アイ(I)・メッセージを用いる際は、相手に意識を向けること。これも大事なポイントとなります。

さいごに

陰口を言われた場合は、一人で抱え込まない。誰かに相談をする。そして、グループ全体で考えることです。色々な意見やアイデアを出し合うことが、子どもたちの視野を広げ、成長に繋がります。私の小学5年生のときの体験談。ほんの少しでも参考にしていただけると幸いです。

執筆者

ママ広場


佐藤城人(さとうしろと)
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範

経歴
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出合う。
各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
近年はヤングケアラーはインナーチャイルドの予備軍と位置づけ、お子さまや親御さまの支援にも力を入れている。
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。

一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/

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