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<季節のない街>渡辺大知“オカベ”が思いを寄せる三浦透子“かつ子”は「実写版貧乏」

  • 2024.5.24
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ドラマ25「季節のない街」第7話より (C)テレビ東京
ドラマ25「季節のない街」第7話より (C)テレビ東京

【写真】トラを抱きながら渡辺大知“オカベ”の話を聞く池松壮亮“半助”

宮藤官九郎が企画・監督・脚本を、池松壮亮が主演を務めるドラマ25「季節のない街」(毎週金曜夜0:42-1:13、テレ東系※最終回の6月7日は5分拡大/ディズニープラスにて配信中)の第7話「がんもどき・前編」が、5月17日に放送された。オカベ(渡辺大知)が思いを寄せるかつ子(三浦透子)に不幸な出来事が降りかかる…。(以下、ネタバレを含みます)

宮藤官九郎が20代の頃から切望していた企画を映像化

同作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い、この“街”にやってきた主人公が“街”の住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく青春群像エンターテインメントとなっている。

宮藤が20代のころから切望していた企画で、テレ東とディズニーの共同製作で実現した作品。原作小説は、1970年に黒澤明監督が「どですかでん」のタイトルで映画化したことでも知られており、映画は1972年の第44回アカデミー賞外国語映画賞(現・国際長編映画賞)にノミネートされた。

群像劇を彩るキャストが多数集結

怪しげな男の指示で、街に住む人々の暮らしぶりを報告する仕事を請け負い、猫のトラと一緒に街に潜入する主人公・半助こと田中新助を演じるのは池松。街の青年部を率いる、母親の愛情に飢えた承認欲求高めな“親思い”の次男・タツヤ役を仲野太賀が務める。

また、街の近所に住む酒店の息子で、好きな女の子目当てで街に出入りしているオカベを演じるのは渡辺大知。さらに、オカベが恋する、街で一番内気なかつ子役は三浦透子、タツヤの母・しのぶ役は坂井真紀。「どですかでん」と叫びながら“見えない電車”を毎日1人で運転する六ちゃん役は濱田岳、六ちゃんの母・くに子役は片桐はいり、六ちゃんのよき理解者であり街を見守るたんばさん役はベンガルが務める。

ほか、増子直純(怒髪天)、高橋メアリージュン、荒川良々、MEGUMI、皆川猿時、又吉直樹、前田敦子、塚地武雅、藤井隆、鶴見辰吾、岩松了らキャストが集結し、“全員ワケあり&いわくつき”の個性豊かな住人として登場する。

喜怒哀楽が分かりにくいかつ子の感情の見分け方

第7話、そして次回の第8話は、かつ子のメイン回。しゃべらず、喜怒哀楽の感情の変化も分かりづらいかつ子に思いを寄せ続けているオカベ。うれしい時は眉間のシワがなくなり、怒ると少し鼻がふくらみ、悲しい時は背中がちょっと丸まって、驚くとつんのめる。

これは根気よくかつ子とコミュニケーションを取ろうとしてきたオカベだからこその感情の見分け方だと言える。その反応によって、かつ子が10月生まれのさそり座だということも知ることができた。

かつ子は仮設住宅の家で内職をしているが、一緒に住んでいるのは彼女の両親ではなく、伯母夫婦だという。元々、ナニの直後は実の母親との2人暮らしだったが、ある日、娘を置き去りにして母親が街を出ていき、入れ替わりに伯母夫婦がやってきてシレッと住みついたらしい。

外車で乗りつけた母親に憧れる街の人たち

伯母夫婦がかつ子を養ってあげていると思っていたが、そうではなかった。かつ子の不織布マスクを作る内職と、実の母親からの送金で伯母たちは生活していたのだった。

伯父の京太(岩松了)は元中学の教師で現在は無職。伯母の妙子(広岡由里子)も同じようなもの。かつ子が高校に進学する時、月々の仕送りを増やして欲しいと京太が直談判すると、母親のかなえ(小田茜)は外車で乗りつけやって来る。

久しぶりに会う娘に対して、かなえは「これがあの子なの? やだぁ、まるで潰れたがんもどきね」とヒドい言葉を浴びせた。それ以来、街の人たちはかつ子のことを陰で“がんもどき”と呼んでいるのだという。

普通なら、母親に置き去りにされた娘のかつ子に同情し、社長夫人となって着飾ってやってきたかなえを悪く言うだろう。だが、仮設住宅での生活を抜け出し、金持ちと結婚し、救援物資を送るかなえは、街の人たちにとって「自分もいつかは」と思わせてくれる希望のようになっており、羨望の眼差しを向けている。

逆に、こんな環境の中で地道に働いても報われず、生活を何一つ変えることのできない娘のかつ子を見ていると、街の人たちはまさに現実を突きつけられる感じがして、同族嫌悪のような感情を抱いてしまっている。たんば(ベンガル)いわく、かつ子は「実写版貧乏」だと。

不幸なかつ子の身に起こった、さらに不幸な出来事

伯母の妙子が3週間ほど入院することになった。その間、かつ子は伯父の京太と2人きり。酒びたりの京太は「お前はじっとしてればいい。目をつぶりなさい!」と恫喝し、かつ子を押し倒してしまう…。

伯母が退院して家に戻った後、かつ子はオカベのリカーショップにやってきて何かを伝えようとしていたが、こんな時に限ってオカベはかつ子の変化、異変に気付かずじまい。一緒にいた半助(池松壮亮)は「いつもより背中丸まってた」と、何かを感じ取っていたようだったが…。

結果的に、かつ子は妊娠した。助けを求めたオカベに気付かれず、すがりつくすべもないかつ子はどうなるのか。この重い状況から第8話の「がんもどき・後編」でどういう展開になっていくのかが気になるところ。

SNSでは「寡黙でさみしそうなかつ子を、一言も発しないで演じている三浦透子さんの演技に胸を打たれました」「かつ子が不憫すぎる」「生き地獄過ぎて涙も出ないほど」と、三浦の演技を絶賛する声や物語の展開を憂う声が見られる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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