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「おいしくないけど」「どうせ私は…」って嫌味なの?どこかモヤる義母の口癖に隠された事情

  • 2024.5.24
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義実家との交流が増えたが、義母のネガティブ発言や失礼な言動が疑問だった。言われた人にしてみれば悪意すら感じる言葉の数々だったが、よくよく観察してみると、意外な背景が見えてきた。
義実家との交流が増えたが、義母のネガティブ発言や失礼な言動が疑問だった。言われた人にしてみれば悪意すら感じる言葉の数々だったが、よくよく観察してみると、意外な背景が見えてきた。

普段はあまり交流がない義実家であっても、まったく接点をもたないわけにはいかないし、子どもができれば「祖父母」の立場は強くなりがち。子育てを手伝ってもらっていれば、無視などできるはずもなく、「嫁」としてはつらいこともあるだろう。

義母の口癖? どこかモヤる「おいしくないけど」

「子どもができてから義母と近くなった」というサトエさん(40歳)。共働きで8歳と5歳の子がいるが、特に上の子は学童終わりに近所の義実家で面倒を見てもらうことが多い。

「上が小学校に入ったらかえって時間的に不自由になって。一時は退職すら考えたんですが、義母が『早く帰れないときはうちで見るから』と言ってくれた。それは本当にありがたかったんですが……」

あるとき義母の好きな和菓子を持って行った。喜んでくれたのだが、翌日、義母の友人がいるところに偶然遭遇すると、義母が彼女の帰りがけに「ねえ、これ持っていって」と小さな袋を渡している。

「たいしておいしくないんだけどね、と義母が渡した袋をその友人が確認しているのを見てしまったんですが、前日に私が義母にあげた和菓子でした。前日にはわざわざLINEしてきて、お菓子おいしかったわと言っていたのに。

でも内輪のことだから、友人には謙遜したのかなと思っていたんです。それでも私の目の前でそういうことを言うのは失礼だなと、ちょっとカチンときたんですけどね」

実母からの贈り物にも義母は……

気にしないようにすると決めても、なんだかモヤモヤすることはあるものだ。同じようなことはその後もあった。

「私の母から義母のところに贈り物をしたと連絡があったんです。いつもあなたがお世話になっているからって。うちは田舎ですが、近所にとってもおいしい焼き菓子を売っているお店があって。あそこのなら気に入ってもらえるよねと話していた数日後、義実家に家族で行ったら、義母が『たいしておいしくないのよ、これ。食べてみて』って。

私の母が送ったのを忘れているのかもしれないし、もしかしたらただの口癖なのかもしれない。でも私としてはいい気持ちがしませんでした。夫が気づいて『これってサトエのお母さんが送ってくれたんじゃないの?』と聞くと、そうだったかしらって。

その口調がなんだかわざとらしかったんですよ。『あなたたち、そんなことまで話してるの?』って言ってましたから」

これはもしかしたら、義父母の関係が問題なのかもしれないとサトエさんは感じたという。

義母は義父のモラハラに苦しんでいた

しばらく様子を見ていると、義母はとにかくネガティブ発言が多いとサトエさんは気づいた。

「ちょっとしたミスを自分の息子に指摘されると『ああ、どうせ私はダメだから。ごめんね』って。長年、そうやって生きてきたんだろうなと思いました。だから私、ことさらに義母にお礼を言ったり褒めたりするようにしたんです。

『お義母さんのおかげで助かるわー』とか、義母が片付けがうまいので『子どもたちのおもちゃ、どうやって片づけたらいいですかね』と相談してみたり。そのたびに義母は『私なんて、どうせ何もできないのよ』と言っていましたが、少しずつ変わってきました」

義父は帰宅が遅く、サトエさん一家は週末には家族だけで過ごすようにしているから、あまり義父に会う機会はなかった。だが夫に聞くと、やはり義父母の関係は昔からあまりよくなかったらしい。

「オレが小さいころはオヤジが怒鳴っておふくろが泣く場面をよく見てた。小学校中学年のころかな、やめろよとオヤジにぶつかっていったことがあったな。跳ね飛ばされたけど。でもそれ以来、オレがにらむとオヤジは黙るようになった。そんなこと忘れてたけど、おふくろにはトラウマなのかもしれないねと夫も言ってました」

常に夫に怒鳴られていたら、言いたいことも言えず、自己評価も低くなるはずだとサトエさんは感じた。義母は意図的に皮肉や嫌味を言っているわけではなく、もしかしたら謙遜のつもりで「おいしくないけど」と言っているのかもしれない。

義母は涙ぐんだ

「夫にリクエストしてもらって、義母にシフォンケーキを作ってもらったんです。かつて夫がおいしいと思ったらしいので。そのシフォンケーキは本当においしかったので、うちの子たちも私も心から褒めたんです。すると義母は『たいしておいしくもないわよ』って。

お義母さん、これはどこへ出しても恥ずかしくないほどおいしい。だからまたリクエストします、自信をもって作ってくださいねと頼みました。義母は涙ぐんでましたね」

近くにいるのだし、これも縁だと割り切ったサトエさん、どうせなら仲良くやっていこうと腹をくくったとき、義母の弱さが見えてきたという。

「もちろんやたらと頼られても困るので、自立すべきところはしてもらいつつ親しくしていこうと思っています。まずは義母には目標をたくさんもってもらって、ネガティブ発言を減少させなくては」

一家に新しい風を吹き込むことができるのは、義母から見て息子の妻、親しい他人なのかもしれない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

文:亀山 早苗(フリーライター)

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