リノベーションした町家に泊まる旅ー京都と金沢の情緒あふれる宿3選

「町家」とは、城下町や宿場町、門前町など人の集まる都市部に、通りに面して建てられた木造の家屋のこと。多くは住宅や商家として建てられました。京都や金沢などでは、それらをリノベーションした宿が人気を集めています。その土地に根付いた暮らしの文化を味わえる、とっておきの町家の宿を3軒ご紹介します。

京都らしい街並みを満喫できる大正時代の京町家「幸遊庵」

「幸遊庵」は大正時代後期の京町家を改修した一軒貸し切りの宿です。石畳に多くの町家が立ち並ぶ祇園花見小路に通じる道に面しており、運が良ければ舞妓さんや芸妓さんが歩く姿も見られます。建仁寺や高台寺などに近く、京都らしさを存分に味わえる立地です。

1階には4.5畳ほどの居間があります。雪見障子の向こうには、京町家の特徴であるこじんまりとした坪庭が見られます。足を伸ばせる掘りごたつも設置されていて、団欒のひと時を過ごせます。

2階には、布団を3組並べてもゆったり寝ることができる6畳の寝室があります。襖の京唐紙や年代物の欄間など、各所にこだわりが見られます。ふわふわの本綿和布団で眠りにつきましょう。

徒歩圏内だけでも巡りきれないほどの観光スポットが点在するアクセス抜群の町家で、京都らしさを満喫してみませんか？

［住所］

京都府京都市東山区小松町560番25

［利用時間］

チェックイン15:00／チェックアウト10:00

［宿泊料金］

1泊１名14,000円〜

［問い合わせ］

075-708-5610

モダンにリフォームされた貸切の京町家「清水りきゅう庵」

「清水りきゅう庵」は、“暮らすように泊まる”をコンセプトにした京町家一棟貸切の宿。八坂神社や清水寺など、観光名所の多い東山区のほぼ中心にあり、京都の魅力を思う存分満喫できます。間口は狭く見えますが、奥行きが広いのが京町家の特徴。扉を開けると白木をふんだんに使ってモダンにリフォームされた空間が広がります。

1階にある6畳の居間はキッチンとひと続きになっています。その奥に見えるのは、京町家ならではの小さな坪庭。坪庭とは、建物の内部に採光や風通しのために作られた、塀や垣根などで囲まれた小さな庭のことです。

シックにまとめられたIHキッチンには、調理器具一式や食器類、土鍋なども揃っています。食事はここで自炊すれば、京町家での“暮らし”をよりリアルに感じることができそうです。

2階の寝室は、和紙と白木で設えた落ち着きのある空間です。間接照明からの優しい光や丸窓が柔らかな雰囲気を演出します。寝室の隣には、独立したドレッサールーム兼クローゼットが備わっています。

ヒノキの壁で清潔感のある浴室。浴槽に沿うように細長い窓があり、坪庭を眺めながらゆったりと湯船に浸かることができます。

京町家の住人のような気持ちでのんびり過ごしたくなりますね。

［住所］

京都府京都市東山区中道通松原上る月輪町96番4

［利用時間］

チェックイン15:00／チェックアウト10:00

［宿泊料金］

1泊１名7,800円〜（5名で利用の場合）

［問い合わせ］

075-708-5610

国の有形文化財に指定された金沢町家「あかつき屋」

「あかつき屋」は、石川県金沢市にある築80年の町家をリニューアルした素泊まりのゲストハウスです。美しい格子戸や桟瓦葺きなど、純和風の風情ある佇まいで、建築的な価値が高く、国登録有形文化財にも指定されています。兼六園まで歩いて10分、金沢21世紀美術館やひがし茶屋街も徒歩圏内という恵まれた立地にあります。

こちらは、床の間や書院、縁側までついた10畳の「あかつきの間」。あかつき屋はゲストハウスですが、客室はすべて個室になっています。落ち着いた雰囲気があってプライバシーも守られるので、女性の一人旅での利用も多いそうですよ。

宿泊料金は部屋単位なので、数名で泊まればかなりリーズナブルなお値段になるのも嬉しいポイント。大人数のグループの場合は、一棟貸切での利用も可能です。

こちらは旅人同士が気軽に交流できるようにと用意されたコミュニティルーム。10人ほどが一緒に入れる大きな掘りごたつがあります。

四季折々の美しさを見せるお庭も魅力。共用のキッチンもついているので、近くの近江市場で金沢ならではの新鮮な食材を買ってきて、お料理することもできます。

国登録有形文化財に指定された美しい町家に泊まれば、旅の気分も盛り上がりそうですね。

［住所］

石川県金沢市暁町21-18

［利用時間］

チェックイン16:00／チェックアウト10:00

［宿泊料金］

１部屋１名7,000円〜（2、3名利用可能）

［問い合わせ］

076-255-0140