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『学校の面談』 決められた時間外をお願いする保護者 「違う方法を」「仕方ない」などさまざまな声

  • 2024.7.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

子どもが学校でどのように過ごしているのか、その様子はなかなか見えにくくなるものです。そこで行われるのが個人面談学校と家庭が子どもの情報共有を行うとても貴重な機会です。

先生からは子どもの学校での様子、友達との関係や勉強の理解度を聞くことができ、保護者からは家庭での様子や教育方針などを伝えることで、お互いが協力しながら子どもの成長を見守ることができます。

そんな大きな意味をもつ個人面談ですが、X(旧Twitter)では教育現場に勤めるユーザーから、「17時まででお願いします」とお知らせしているのに、「仕事の都合で17時以降で」「18時以降で」と返してくる保護者がいるという投稿が話題になっています

こちらの投稿をきっかけに、小中学校の先生の勤務時間外に面談をお願いしていいのかという議論がSNSを中心に繰り広げられています。

教育職員には「給特法」という法律によって残業代が支払われることはありません。「業務時間外に家庭の都合で残業をさせるなんて」という意見や、「共働きが前提のこの世の中では、合わせられるほうが合わせていくしかないのでは」などさまざまな意見が。

現在小中学生の子どもをもつ保護者と、現在小中学校で教諭をしている先生に「業務時間外の個人面談」について、意見を伺ってみました。

「教師にも家庭がある」「共働きだから仕方がない」

こちらのトピックスについては、さまざまなコメントが寄せられました。

先生の勤務時間外に面談をお願いするのはアリかナシか、について、それぞれ保護者、小中学校の先生の意見をいくつかピックアップして紹介します。

先生の勤務時間外でのお願いはお門違い?

業務時間外に面談をお願いすることは「ナシ」とする意見をご紹介します。

「ナシ」という保護者の意見は…

面談は先生の業務としてやっていること。保護者の都合を考えていると、先生が何人いても足りない気がするし、キリがない。
先生は普段の業務でも朝早くから子どもたちが帰宅後の夜19時以降まで学校にいらっしゃるため、先生を取り巻く状況を考えると、業務時間内で行うのが妥当だと思う。
(30代女性/小学3年の保護者/神奈川県在住)
自分の都合がつかないから先生の業務外時間を増やすというのはおかしいと思います。
事故や病気など以外では調整するか、用事の合間を縫って電話面談をお願いするなど違う方法をできる限り考えるべきだと思います。
息子の小学校では電話面談でも良いとの通知があります。
(40代女性/小学6年の保護者/奈良県在住)
基本的にはナシだと思います。また、面談自体も希望者だけで良いと思います。
今や先生のなり手が減ったり、退職する人が増えていると聞きます。なので、できるだけ負担は減らしたほうが良いと思います。
(50代男性/中学3年の保護者/岡山県在住)
先生にも生活や家庭があることを絶対に忘れてはいけないと思います。
特に先生は大勢の生徒を見てくれていて、1人が自分の都合で業務時間外を希望し、それが通ってしまうと「他の保護者も」となり、どんどん先生の時間は削られていきます。
自分が先生だったらと想像することは必要です。
(30代女性/小学2年の保護者/北海道在住)

「ナシ」という先生の意見は…

普通に嫌です。職業に関係なく業務時間外は完全にプライベートにしたいです。
保護者の方からこちらの楽な時間に都合をつけて会いにくるのが筋です。こちらが業務時間に合わすことはしないで良いです。
( 30代女性/小学校教諭・小3担当/岡山県在住)
一個人の公務員として、対応するのは問題があると考えております。
もし学校側が対応するという方針をとった場合、教師1人に対して、受け持ちのクラスの人数分、臨機応援に対応せざるをえないからです
(40代男性/小学校教諭・小4担当/宮崎県在住)
全ての生徒、保護者の方に対して平等な姿勢を見せなければならないので、時間外でお願いをされても自分としても困ります。
しかし、面談の内容によっては、業務時間外でしか話せない内容の可能性が大きいので、そこは臨機応変に取り組みたいと思います。
(20代男性/中学校教諭・中2担当/埼玉県在住)
自分の業務の妨げになります。面談など保護者や生徒に安心して利用できる環境を提供するための準備時間。
私たちの仕事がパンクして元も子もない状態になります。
(30代女性/小学校教諭・小2担当/京都府在住)
勤務時間外の面談を承諾してしまうと、「あの先生はよかったのに、この先生はダメなんだ…」という苦情が発生する場合がある。
また、ただでさえ面談は勤務時間を超えて行っている。そのため教員の仕事を行う時間がない
(20代女性/小学校教諭・小学6年担任/大阪府在住)

「お互い様だから」問題ない?

業務時間外に面談をお願いすることは「アリ」とする意見をご紹介します。

「アリ」という保護者の意見は…

あくまで先生の考え次第ではありますが、仕事が遅くまであるので先生側が合わしてくれるのであればそこは甘えたいと思います。
お互いにある意味仕事なので、合わせられるほうが合わせるで問題ないと思う。
(30代男性/小学1年の保護者/神奈川県在住)
極力業務時間内で行える様にこちらも仕事の調整はしますが、それでもお互いの予定が合わない時があります。
そんな時はこちらが休みを取ったり、先生側も都合をつけるようにするべきなので、それが先生側の業務時間外になるのは仕方がないと思います。
(40代男性/中学3年の保護者/静岡県在住)
そもそも仕事があるので、わざわざ休んで損をさせて面談するのはおかしい。
公務員でない会社員にはつらいので、普段の様子が分かる写真や出来事をメールで送れば良いと思います。
(30代男性/小学2年の保護者/京都府在住)
共働きでもあり、本来は両親(私と妻)で行きたいが、平日の日中に時間を合わすのはかなり難しいです。
そのため、時間外でやってもらえると非常に助かるので「アリ」です。
(40代男性/小学5年の保護者/東京都在住)
本来であればもちろん時間内に依頼させていただきたいのですが、決められた期間中に行うという条件があって時間調整が不可能であれば、その旨を伝えて謝罪をし予定を決めさせていただきたいと思います。
(40代女性/中学3年の保護者/関西地方在住)

「アリ」という先生の意見は…

保護者が仕事で忙しく、業務時間内だと無理だと言われ、自分自身、どうしても生徒のことで聞きたいこともあったので、やむなく時間外面談を行いました
仕事関係などの理由でやむを得ない場合はアリだと思います。
(20代女性/小学校教諭・小学1年担当/栃木県在住)
仕方ないことだと思います。保護者の方全員が希望されるわけではありませんが、中学3年の三者面談で時間外を希望される方は一定数います。
私も2人の子どもが中学生の頃、面談を時間外にお願いしていました
。どうしても仕事から早く帰れない職業だからです。
(60代女性/中学校教諭・中学3年担当/千葉県在住)
今頃の保護者の方は、昔と違い色々な面でクレーマーのような方もおられます。何かあるとすぐに学校に電話がかかったりします。
本当は自分的には、ナシですが、我慢して受けたほうが無事なので面談を時間外に受けます。
(30代女性/小学校教諭・小学2年担当/山口県在住)

面談の形も変わりつつある

たくさんの意見がありましたが、特に保護者の方の「17時以降のお願いはナシ」と考える意見が多く見られました。

夫婦共働きが世帯全体の約7割にとどくともされる日本において、保護者が平日の夕方前に仕事を切り上げて時間を作ることが難しいのは事実。また「面談実施のお知らせがもう少し早ければ業務の調整もしやすいのですが…」という声もありました。

いっぽう、テストの採点や授業の準備、学級通信の作成、部活動への従事など生徒児童が下校した後の先生がたは、とにかく忙しい。さらに残業代も出ないうえに、勤務時間後の面談が1人や2人ではないとなると、業務も私生活もさらに圧迫されてしまいます。先生の業務の妨げになってしまうのは本末転倒です。

電話面談やオンライン面談を実施している学校もあるそうで、面談の形も変わりつつあります。よりスムーズな形で、子どもの成長をしっかり確認し合えるといいですね。



※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています

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