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食べ放題の“焼肉”を持ち帰り!?→窃盗罪になりますか? 弁護士に聞いてみた

  • 2024.7.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

食べ放題のお店やファミレスのドリンクバーなど、一定時間内であれば定額でどれだけでも飲食ができるシステムって、ありがたいですよね。ですが、中には悪質な「持ち帰り」を企む人もいるようです。

食べ放題での“持ち帰りトラブル”について、弁護士さんに詳しくお伺いしました。

それ持ち帰っちゃダメでしょ!?

家族で焼き肉バイキングに行ったときのことです。お寿司やお肉、デザートなどが並べてあって、自分で好きな料理をとってテーブルで食べるスタイルのお店です。
隣の席の若い3人の男性がやたらとお肉を山盛りとってくるのでチラチラと見てしまっていたのですが、よくよく見るとテーブルの下に大きなバッグ、バッグの中に大きなタッパーを用意していて、店員の目を盗んではタッパーにお肉をざざーっと入れていました。
彼らははたからみてもずっしりと重そうなバッグを担いで帰って行き、本当に驚きました。
(30代男性・会社員)
ファミレスでアルバイトをしているのですが、あるお客さんが、自分のカバンから取り出した水筒に、ドリンクバーの飲み物を注ぎ入れている場面に遭遇しました。
慌てて止めに行ったのですが「水筒1本分くらいいいだろう!」と逆ギレしてきたのです。
もう2度としないようにと伝えたのですが、またこの人が来て同じことをしたら、もしくは、別の人が同様のことをしていたらどうしたらいいのだろうと頭を悩ませています。
これって犯罪にならないのでしょうか?
(20代女性・アルバイト勤務)

こちらのケースについて、一歩法律事務所の南陽輔弁護士にお話をお伺いしました。

---こちらの2つのケースについて、これはどのような罪になりますか?

法律的に成立しうるのは窃盗罪(刑法235条)です。窃盗罪は財物に対する占有を保護するためのものです。焼肉バイキングで提供される料理や、ドリンクバーの飲み物は、店が占有しているものです。

店としては、お客が店内で飲食することのみを前提に提供しています。店の外に持ち出す行為は、店が許容する使途の範囲を逸脱するもので、料理や飲み物に対する店の占有を侵害したことになりますので、窃盗罪が成立するものと考えられます」

---店員の立場として目撃した場合、どのような対応ができるでしょうか?

「窃盗罪が成立しえますので、警察を呼ぶという対応が考えられます。ただ、警察としてはよほど悪質なケースでない限りは逮捕はせず、口頭での注意に留まるのではないかと思われます。それでも当該客や他の客への抑止としての効果は期待できます

---たしかに「見逃してもらえることではない」と周知することができますね。

「また、民事の面から見ますと、客の行為は不法行為(店が占有する飲食物への侵害行為)ないしは債務不履行(店が客に飲食物を提供し、客はその対価を支払うという契約において、客が契約の目的外の行為を行っている)が成立すると考えられますので、損害賠償請求も可能と考えられます」

---お店のテーブルの上に置いてある紙ナプキンやシュガースティックを大量に持ち帰ってしまうお客さんを目撃したという投稿もありました。これらも罪に問えるのでしょうか?

「紙ナプキンやシュガースティックも上記の飲食物を同じで、店の占有下にあり、店としては店内での利用に限る目的で客に提供しているものですので、持ち帰る(店の外へ持ち出す)行為は、窃盗罪が成立するものと考えられます。ただ、実際に罪に問われるのは大量に持ち帰るなどの悪質なケースに限られるでしょう」

食べ放題の持ち帰りはNO!

いくら食べ放題、飲み放題といっても、それはお店の中で限られた時間でのみのこと。持ち帰ることは、マナーや常識に反しているというだけでなく、違法行為になり得ます。

もし「少しならいいのかと思ってた!」と誤解をしている方がいたら、認識を改める必要がありますね。



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※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
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