『機動戦士ガンダムSEED』はじめて明かされる“エンディングの仕掛け”に「知らなかった」「こんな緻密な計算がされていたとは…」

今知りたいアニメ・漫画、そして最新鋭かつちょっとマニアックな"1週間のトピックス"をテーマにゲストたちが言いたい放題語り尽くすアニメ・ポップカルチャー情報番組『SHIBUYA ANIME BASE（シブアニ）』。

#16の放送回では、『機動戦士ガンダムSEED』や『ぼくらの』など、数々の人気アニメの音楽を手がけてきた音楽プロデューサー・野崎圭一さんを深堀り取材！『機動戦士ガンダムSEED』の音楽制作の裏側を初公開しています！

『機動戦士ガンダムSEED』音楽プロデューサーが明かす制作秘話

野崎さんは業界歴28年、これまでに100作品以上のアニメ作品に携わってきた音楽プロデューサーです。野崎さん自身に代表作を聞くと、「人生変わっちゃったので『機動戦士ガンダムSEED』はやっぱり大きな作品でした」と答えます。

野崎さんは2002年放送の『機動戦士ガンダムSEED』の音楽を手がけました。作品に任命されたときの心境について「嬉しかったんですけれど、責任重いですよね」「ビッグタイトルなんで緊張感が高い」「（過去の）ガンダムをひたすら観る所から始めました」と語ります。

ガンダムSEEDを立ち上げる際には、女性ファンが多かったシリーズ『新機動戦記ガンダムW』の人気を超えたいという話があったといいます。野崎さんは「ガンダムを知らない女子にもウケる音楽を意識して作った」と語り、「（CDは）10億円以上売れたんじゃないですかね」と当時を振り返りました。

ガンダムSEEDの大ヒットに一役かった“音の仕掛け”

番組では、ガンダムSEEDの巧妙な“音”の仕掛けをテレビ初公開。仕掛けはふたつあるといいます。

ひとつめの仕掛けは、エンディング曲のイントロです。
野崎さんは「ガンダムSEEDは、オープニングが90秒枠があってエンディングが60秒しかなかった」と語り、すでに決定していたオープニング曲、T.M.Revolutionの『INVOKE-インヴォーク』に負けないような60秒を考えなければいけなかったそうです。

野崎さんは、シティーハンターの“エンディングの途中から『Get Wild』を流す演出”を思い出し、「そうだ！エンディングの途中から曲を流してしまえば…」とインスピレーションを受けたといいます。とは言え、エンディングは画が決まっているため、60秒は毎回同じでなければいけない。そこで、野崎さんが実践したのが「エンディングの前を（話数によって）変える」というものです。

こうして作られたのが、話数によってイントロが違う『あんなに一緒だったのに』です。イントロ違いの曲を11パターン作成し、ストーリーによって使い分けたんだそう。

「最後の感情を拾ってエンディングに（気持ちを）のせたい」「そのためだけに作り上げた技」「誰もやったことないと思います」と、巧みな仕掛けを明かしました。イントロを比べてみると、スタジオメンバーも「うわ～、歌入ってない」「知らなかった」と驚きます。

もうひとつの仕掛けは、戦闘シーンのBGM。戦闘シーンが多いガンダムでは、効果音が派手な中でセリフを聞かせなければいけない……そのバランスをとろうとすると、戦いの音楽の音量が下げられてしまうということが起こるそうです。

そこで野崎さんは、セリフと効果音の音域を避けて画にはまる音楽を作りました。「そうすることで音量を下げずにギリギリまで音楽の音量を上げられる」と語ります。セリフ・効果音・音楽、すべての音がはっきり聞こえることで、迫力ある戦闘シーンになります。

こうした野崎さんの細かな演出がガンダムSEEDの大ヒットに貢献したのです。野崎さんは「ヒットし続けないと上がっていけないし、次の作品のお話も呼ばれない」とアニメ業界のリアルを明かしました。

野崎さんの密着インタビューに、MCのハライチ・岩井勇気さんや徳井青空さんは「こんな緻密な計算がされていたとは…」「オンエアで見てたら気づかない」と、改めてガンダムSEEDのすばらしさに感銘を受けたようです。

SHIBUYA ANIME BASE #16
［出演者］メインMC：ハライチ・岩井勇気 サブMC：徳井青空 ゲスト：大原優乃、寺尾香信(DXTEEN)
［番組URL］https://abema.tv/video/episode/218-706_s1_p16