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○人に1人が該当!? 日本における「子どもの貧困」の実態

  • 2016.2.25
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こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。

“子どもの貧困 ”と聞くと、みなさんはどこの国をイメージするでしょうか? きっと日本をイメージする人は少ないと思います。

私が書いたこのコラムを読んでいるような人は、自宅にパソコンがあったり自分専用のスマートフォンを持っていたりとさまざまな環境が整っているのではないでしょうか。

しかし、わが国の経済格差は大きくなっていると言われています。

それは子育て世代にも例外なく影響し、親の経済格差がそのまま子どもの経済格差につながっているという現実があるのです。

今、日本では“子どもの貧困”が問題となり明るみになってきています。“貧困”は遠い海外の国の話ではない のです。

そこで今回は、日本における“子どもの貧困”についてお伝えしたいと思います。

●世界から見た日本の“子どもの貧困”

「世界から見たら日本は裕福な国だから、子どもの貧困も少ないわ」と思っている人が多いのではないでしょうか。

2012年にユニセフが発表した報告によると、日本の子どもの貧困率は約15%でした。これは先進国の35か国中で比較すると9番目に高い貧困率なのです。

なんと、この数字は日本の子どもの7人に1人が貧困状態 であることを意味しています。

このため日本政府も対策に乗り出しており、『子どもの貧困対策会議』が設置されたり、『子どもの貧困対策の推進に関する法律』が整備されたりと徐々に大きな動きになりつつあります。

●貧困による子どもへの影響は?

衣・食・住の環境に影響が出ることが多いでしょう。今の日本では毎食とることすら難しい子どもたちが出てきています。

ガスや電気のない(止められた)生活を強いられている子どももいるのです。

都道府県別では、特に沖縄県が絶対的な貧困率が高いという結果もあります。

何よりも、教育環境は貧困の影響をもろに受ける ことになります。

教育は生死に関わるものではないため優先順位が落とされてしまうのです。

文部科学省が実施した全国学力テストの結果を見ても、世帯年収の多い家庭の子どもはテストの正答率が高く、世帯年収の少ない家庭の子どもは正答率が低いということがわかっています。

学校教育は子どもたち全員に平等に機会が与えられています。

しかしながら、世帯年収でこのような学力差が出てしまうのは、学校の外でも教育を受けられるかという点にあります。

複雑な要因がからみあっているとは思いますが、つまるところ親の経済的ゆとりがあれば学校外で教育を受けられ、より学力が向上するということになります。

●「うちには関係ない」では済まされません

では、“うちにはあまり関係ない”ので“子どもの貧困”を放置しても大丈夫でしょうか?

「お友達が給食費を払えなくて……」「バス代がなくて登校できない子がいる……」という近場での状況も出てきます。

もっと大きな視点で見ると、子どもたちは私たち親世代や日本の将来を支える担い手 です。

この子どもたちの貧困を放置した場合、本来は社会を支えていくはずの子どもたちが“支えられる側”になってしまう恐れがあります。親の貧困が子どもにも連鎖してしまう負のスパイラルです。

これは社会保障費の増大につながりますし、人材の減少や経済市場の縮小など、負の影響が大きくなります。「うちにはあまり関係ない」と思っていた、まさにうちの子たちがこの負担を背負っていくことになるのです。

いかがでしたか? “子どもの貧困”は他国のこと、人ごとではありません! ぜひアンテナを高くして情勢を見守ってくださいね。

【参考リンク】

・子どもの貧困対策の推進に関する法律 | 内閣府(PDF)(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/pdf/hinkon_law.pdf)

・先進国の子どもたちの貧困─ユニセフ報告書「Report Card 10」より─ | 日本ユニセフ協会(PDF)(https://www.unicef.or.jp/kodomo/teacher/pdf/fo/fo_52.pdf)

●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)

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