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大人が意外と忘れている数学「(−3)÷(−3)÷(−3)」→割り算せずに計算できる?

  • 2024.6.29
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今回は割り算に挑戦します。ただし、特別なルールを設けます。

「やっていいのは掛け算だけ」です。

つまり、割り算の問題なのに、割り算の計算をしてはいけません。

果たして、そんなことが可能なのでしょうか?

数学における割り算と掛け算の関係について深掘りしながら、解いてみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
※ただし、割り算をしてはいけません。
(−3)÷(−3)÷(−3)

割り算と掛け算の関係について知っているかがポイントです。

解説

この計算式の答えは「−1/3」です。

割り算をせずに掛け算をするためのキーワードは、「逆数」です。

では早速、割り算を掛け算に直す方法を復習していきましょう。

≪割り算から掛け算に直す方法≫
◯÷□=◯×1/□
1/□は、□の逆数である。

逆数・・・ある二つの数の積が1となるとき、その二つの数を互いに逆数という。
例:2の逆数は1/2、1/2の逆数は2、3/2の逆数は2/3

問題の式を、逆数を利用して掛け算だけの式に直してみましょう。

−3の逆数は−1/3なので、

(−3)÷(−3)÷(−3)
=(−3)×(−1/3)×(−1/3)

割り算を掛け算だけの式にすることができました。

あとは整数と分数の掛け算をすれば、答えが求められます。

整数×分数の計算は、分母はそのままで分子だけを整数に掛ける
※ただし、約分できるなら約分する

また、負の数が奇数個掛け合わされているので、答えも負の数になるはずということも念頭に置いておきましょう。

以上を踏まえて計算してみると、

(−3)÷(−3)÷(−3)
=(−3)×(−1/3)×(−1/3)
=−3/9
=−1/3

答えを求めることができました。

しかし、実はこの問題、もっと計算を楽にする考え方があります。

別解

それは割り算を掛け算に直した後の式に注目していくと見えてきます。

(−3)×(−1/3)×(−1/3)

という式ですが、(−3)と(−1/3)はそれぞれ逆数の関係になっていますね。

逆数は掛け合わせると、積が1になるという性質を持っています

(−3)÷(−3)÷(−3)
=(−3)×(−1/3)×(−1/3)
=1×(−1/3)
=−1/3

と計算することもできます。

先に約分をしているだけとも捉えることができますが、逆数を利用していると考えた方がなんだか少しかっこいいですよね。

まとめ

割り算を掛け算に直すという方法は、とても多くの場面で応用が利くものです。

特に分数を含む計算では、逆数を利用することが多いので、今後はもっと楽に解けるかもしれませんね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):うおうお  
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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