「演出がホラー」「分析力ヤバすぎ」犯人に迫る“最重要人物”、判明なるか？アニメ【推しの子】15話で描かれた“闇”

大好きな作品を汚されるのはいやだ。それはこの世で一番作品を愛している原作者も同じ。舞台の脚本を務める脚本家だって、全力を尽くした。なのに……。現在放送中のTVアニメ『【推しの子】』第2期で描かれてきた、やり取りの齟齬から生まれた「東京ブレイド」の原作者・鮫島アビ子と脚本家・GOAの衝突。激怒するアビ子と絶望するGOAの様子は、まさに修羅場だった。しかし、第15話にて道が開ける。

アビ子とGOAがついに和解！むしろ仲良しに？

星野アクアからもらったチケットを手に、GOAが脚本を担当する舞台を観に来たアビ子。そこで雷田澄彰（らいだすみあき）の脅しともとれる説得によって、アビ子はGOAに脚本を任せることを認める。雷田の我が身を捨てるような覚悟が伝わってくる説得は、ところどころピー音が入るほど。GOAに脚本を書いてもらう代わりに、アビ子はある条件を提示する。

条件によって、アビ子とGOAが通話しながら脚本を修正していくやり方をとることに。「大事なのはキャラの柱なので。そこさえ変わらなければなにやってもOK」と話すアビ子に、彼女の許せるラインが徐々に分かってきたGOA。それをきっかけに、2人は意気投合し始める。

楽しそうに修正を進めていく2人に対して、「上手くいって安心した」「ノリノリな2人かわいい」との声がSNSであがった。ただ、カットの連続によって出来上がったのは、説明セリフが削られて役者の演技に全投げのとんでもない“キラーパス脚本”だった。

アイとアクアの秘密に気づいてしまうあかね

脚本問題が解決し、役者たちの稽古にスポットが当たる。尖った脚本にアクアは少し不安げだ。感情演技が苦手なアクアは、感情を引き出せていないと指摘されてしまう。

彼の感情演技を助けるつもりで言った有馬かなの「アクアくん、もしお母さんが死んじゃったらどうする？」という言葉に、激しく動揺するアクア。それもそのはず、アクアにとって母・星野アイの死は強烈なトラウマなのだ。

アクアが感情演技のためにうれしかった出来事を思い出そうとしても、「楽しんでるんじゃねぇよ」「お前にそんな権利は……」と自分の分身が邪魔をする。アイの残酷な死に際がフラッシュバックし、ついに倒れてしまうアクア。彼はPTSD（心的外傷後ストレス障害）の症状を引き起こしていた。

アイにうなされるアクアのそばで、黒川あかねがプロファイリング能力を発揮。あかねはとうとうアイとアクアの隠された秘密に気づいてしまう。

今まで彼女として少し照れた様子を見せていたあかねだが、涙を流しながら躊躇なくアクアに抱きつく。「私はなにがあってもアクアくんの味方だよ」「ううん、私が考えた設定の話」アクアを想うあかねの涙とセリフに、胸がぎゅっとなる。

プロファイリングによってアイの真実にたどり着いたあかねについて、「分析力ヤバすぎ」「探偵みたい」「演出がホラー」とSNSでも大きな反響が。第15話はアクアのフラッシュバックのシーンやあかねのプロファイリングのシーンのように、光と闇を描く『【推しの子】』の“闇”の部分が目立った。

「恋愛リアリティショー編」にてアイを完璧にトレースした過去があり、目を見張るような洞察力や分析能力を持つあかね。彼女がアクアの支えになるだけではなく、アイを殺した犯人にまで迫っていく重要人物になる可能性は高い。

また、アクアがPTSDとどう向き合っていくのかにも注目だ。アイのトラウマを消すことは困難だが、感情が大きく動くという点で感情演技と結びつくものがあるように思う。

キャラクターの内面を掘り下げつつ、メインである舞台「東京ブレイド」も同時に進行していく第15話。いくつもの要素が絡み合いながらも、とても綺麗にまとまっているのが見事だ。

【推しの子】
ABEMAでは『【推しの子】』第2期を毎週水曜夜11時より地上波同時・無料最速で配信。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
［番組URL］https://abema.tv/video/title/25-240?s=25-240_s2&eg=25-240_eg0
【(C)赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会】

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ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X：@kaku_magari