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韓国で最も注目を集める俳優の一人ピョン・ヨハンとは? 大作に次々出演 エリート青年役でも存在感<サムシクおじさん>

  • 2024.5.23
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「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities

【写真】カッコいい…!Yシャツを腕まくりするピョン・ヨハン“キム・サン”

激動の1960年代韓国を舞台に描く骨太ヒューマンドラマ「サムシクおじさん」でソン・ガンホ演じる政治フィクサー“サムシクおじさん”とタッグを組むエリート青年キム・サンを演じるピョン・ヨハン。「サムシクおじさん」の配信スタート日には主演映画「彼女が死んだ」が韓国で封切り、さらに主演ドラマ「ブラックアウト」も待機中…と、今韓国で最も注目を集める俳優の一人だ。超大作に次々と出演し、トップ俳優へと成長したピョン・ヨハンの軌跡を振り返る。

“サラリーマンのバイブル”「ミセン-未生-」でブレイク

韓国芸術総合学校在学中だった2011年、25歳の年に短編映画「土曜勤務」でデビューしたヨハン。数々のインディペンデント系映画に出演し、業界内では注目を集める存在だったが、出世作はドラマ「ミセン-未生-」(2014年)だ。韓国の大手商社で働く若手社員たちの友情と青春を描き“サラリーマンのバイブル”と言われた同作で、優しく明るいムードメーカー、ハン・ソンニュルを演じた。

男だらけの職場で嫌がらせを受けるヒロインのアン・ヨンイ(カン・ソラ)に「強くなれ。そのほうが君らしい」と温かい言葉を送る優しいソンニュルは、同作きっての人気キャラクターの一人に。この作品が初めてのドラマ出演だったヨハンも一躍、大ブレイクを果たした。

ピョン・ヨハン (C)2024 Disney and its related entities
ピョン・ヨハン (C)2024 Disney and its related entities

朝鮮王朝建国の英雄イ・バンジで演技大賞ニュースター賞を獲得

2015年にはSNS社会をテーマにしたスリラー作品、映画「ソーシャルフォビア(Socialphobia)」に主演し、青龍映画賞ほか数々の映画賞で新人賞レースに絡む活躍を見せた。そして、人気が急上昇する中で出演したのが、超大作ドラマ「六龍が飛ぶ」(2015-2016年)だ。

14世紀、朝鮮王朝建国のために立ち上がった6人の英雄が革命に向かう姿を描いた同作は、総勢130人超の俳優が出演し、同時間帯視聴率首位を独走する人気に。この大作でヨハンは、やがて高麗一の剣士となるイ・バンジを演じ、華麗な剣術アクションを披露。「ミセン-未生-」でのお人よし社員ソンニュルとは真逆の孤高のキャラクターも視聴者を魅了し、「SBS演技大賞」優秀演技賞&ニュースター賞のダブル受賞をはじめ、高い評価を受けた。

「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities
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「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities

日本人武将を演じた「ハンサン-」での重厚な存在感

その後も、大作・ヒット作への出演で大きくステップアップしてきた。イ・ビョンホン主演の歴史大作ドラマ「ミスター・サンシャイン」(2018年)では、キム・テリ演じるヒロイン・エシンの婚約者で正義のために戦うジャーナリスト・ヒソンを熱演。そして、ヨハンが押しも押されもせぬトップ俳優へと飛躍する決定打となった作品が、映画「ハンサン-龍の出現-」(2022年)だ。

豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵した文禄・慶長の役でも最大の海戦と言われる“閑山島海戦”を映画化した同作で、ヨハンが演じたのは秀吉に仕えた武将・脇坂安治。パク・ヘイル演じる冷静沈着な朝鮮水軍の大将・李舜臣の最大のライバルとして水軍を率い、“魚鱗の陣”を操った勇猛果敢な“動”のカリスマだ。

重厚な人間ドラマと迫力の合戦シーンで時代劇ファンを魅了し、韓国で730万人を超える動員を記録した同作でも、鋭い目つきで周囲を威嚇し家臣たちを鼓舞する脇坂の存在感は、ひときわ強烈。ヨハンは脇坂を日本語で演じ、見事「第43回青龍映画賞」「第59回百想芸術大賞」で助演賞を獲得した。

「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities

「サムシクおじさん」では若く理想に燃える青年を熱演中

ディズニープラス「スター」で配信中の「サムシクおじさん」で演じるのは、ソン・ガンホ演じる政治フィクサー“サムシクおじさん”ことパク・ドゥチルがほれ込み、その夢を託すエリート青年キム・サン。人々が戦後の苦境にあえいでいた1950年代末、アメリカで経済学を学んだというサンは「皆さん。私が求めるのは銃や刀ではなく、経済です。誰もが1日三食、腹いっぱい食べられる国を!」という熱い演説を行い、サムシクおじさんの壮大な野心を実現させるためのキーマンとして重要な役割を帯びていく。

ソン・ガンホ、ピョン・ヨハン (C)2024 Disney and its related entities
ソン・ガンホ、ピョン・ヨハン (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」より (C)2024 Disney and its related entities

全体に少しセピアがかったような趣きある画面の中、ソン・ガンホやチュ・ジンモ、パク・ヒョックォンといったベテラン俳優陣が作り上げる重厚な世界観にあって、ヨハン演じるキム・サンは若く理想に燃える青年でありながら、地に足の着いた存在感を放っている。

カリスマ性のあるサムシクおじさんがその野心を託すに足る存在感と、説得力。「ミスター・サンシャイン」や「ハンサン-」といった重厚な作品に出演する中で自ら培ってきた人間ピョン・ヨハンの重みのようなものが、キム・サンの全身からにじみ出ている。「サムシクおじさん」5月22日配信の第6、7話では、サムシクおじさんとタッグを組むことを決心したキム・サンの挑戦がスタートする。

「生まれ変わっても俳優になりたい」

2024年はヨハンにとってさらなる飛躍の年となっているようだ。くしくも「サムシクおじさん」1~5話公開と同日の5月15日には、主演映画「彼女が死んだ」が韓国で公開された。趣味ののぞき見がきっかけで殺人犯のぬれぎぬを着せられてしまった公認仲介士(宅地建物取引士)ク・ジョンテを主人公にしたスリラーで、「サムシクおじさん」で演じる好青年キム・サンとは真逆の“好感度ゼロ”なキャラクターだ。

さらに、主演ドラマ「ブラックアウト」も待機中。こちらは10年前の殺人事件の真実を明らかにするミステリーで、10年前の事件で逮捕された青年ジョンウを演じている。4月に行われた「第7回カンヌ国際シリーズフェスティバル」にてプレミア公開され、期待を集める作品だ。

「ハンサン-」での青龍映画賞の受賞スピーチでは「演技がすごく楽しいです」「生まれ変わっても俳優になりたいと思います」と真っすぐに語り、映画ファンたちのハートをつかんだヨハン。画面からあふれるようなその“演技が楽しい”という純粋な思いこそ、俳優ピョン・ヨハンの魅力の核だろう。

「ハンサン-」での重厚な存在感からは信じられないが、まだ38歳。ピョン・ヨハンという俳優が今後どこまで大きくなるのか、その行方から目が離せない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「サムシクおじさん」(ディズニープラスのスターにて独占配信中)ポスターカット (C)2024 Disney and its related entities
「サムシクおじさん」(ディズニープラスのスターにて独占配信中)ポスターカット (C)2024 Disney and its related entities
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