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ボブ・マーリーなど……心を揺さぶる作品が目白押し【This Month’s 4 Movies】

  • 2024.5.24
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【This Month’s 4 Movies】今月要チェックの映画4本をご紹介!写真を見てインスピレーションで選んでみてね。

1 『ボブ・マーリー:ONE LOVE』

レゲエの神様ことボブ・マーリーの生涯を描く伝記映画。その名曲の数々は陽気なリズムとシンプルな歌詞がほとんどだが、じつは自由・開放・反戦のメッセージが強く込められていたこと。そして“音楽で世界を変える”という大義を、身の危険もかえりみずに貫いたアーティストであったことが伝わってくる。表題の「ONE LOVE」ほか「No Woman, No Cry」など懐かしのサウンドも盛りだくさん。聴くだけで、感涙。

story:1976年。独立後の混乱にあるジャマイカは、2大政党が対立。国民的アーティストのボブ・マーリー(K・B=アディル)は政争に巻き込まれ銃撃される。2日後、銃弾を受けた怪我をおしてコンサートに出演し、身の安全のためにロンドンに逃れるが……。

監督:レイナルド・マーカス・グリーン/出演:キングズ リー・ベン=アディル、ラシャーナ・リンチ、ジェームズ・ノートン ほか/配給:東和ピクチャーズ/公開:5月17日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2024 PARAMOUNT PICTURES


2 『恋するプリテンダー』

最悪の別れをした男女が親族の結婚式で鉢合わせ! お約束シチュエーションに爆笑しつつロマンティックに酔わせてくれる“王道”ラブコメ。ヒロイン役のS・スウィーニーのコメディエンヌぶりは天下一品。振り切った演技とキュートさに、傑作ラブコメ『恋人たちの予感』 (89)のメグ・ライアンを思い出す。相手役のG・パウエルも『トップガン マーヴェリック』 (22)で鍛えたボディを惜しみなく披露。

story:ロースクールに通うビー(S・スウィーニー)と金融マンのベン(G・パウエル)は、最高の初デートをしながら最悪の別れを迎えた。そして数年後。2人は ビーの姉の結婚式で再会。親族や友人が心躍らせるなか、険悪ムードを漂わる2人だったが……。

監督・脚本:ウィル・グラック/出演:シドニー・スウィーニー、グレン・パウエル ほか/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中


3 『関心領域』

ホロコーストの歴史を大前提として、強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所所長とその家族の暮らしが淡々と描かれる。平和でのどかな生活は白昼夢のように美しいが、背景に自然音のように銃声や悲鳴が流れ、虐殺シーンは一切見せずとも常に潜んでいる。そのサブリミナル演出が不気味過ぎる、世にも恐ろしいファミリードラマ。時代背景を予習して観ればより怖いけれど、そこから目を背けてはいけない。

story:1945年、アウシュビッツ強制収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた。空は青く、美しい邸宅と妻が丹精込めて作った大きな庭からは、5人の子ども達の楽しげな声が聞こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から煙が上がっている。

監督・脚本:ジョナサン・グレイザー/出演:クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー ほか/配給:ハピネットファントム・スタジオ/公開:5月24日より、新宿ピカデリーほかにて全国順次ロードショー
© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.


4 『ありふれた教室』

熱血新人教師が生徒を守ろうとした行為が、空回りし雪だるま式に深刻化していく、ドイツ発の学園ドラマ。ストレス満載の空気の中、教師が次々とドツボにはまっていくストーリー展開と心理戦がスリリングでひきこまれる。問題を徹底的に調査し罰する“不寛容社会”のあやうさを暴き出し、観る者の正義感をゆさぶる語り口は挑戦的。生徒出席の職員会議など、教育先進国らしい学校システムも興味深い。

story:仕事熱心で責任感が強い若手教師カーラ(L・ベネシュ)は、中学1年生のクラスを受け持ち生徒から親しまれていた。しかし、校内で金品の盗難事件が頻発。校長が生徒に実施した抜き打ち検査をみて、カーラはその強引なやり方に疑問を抱く。

監督・脚本:イルケル・チャタク/出演:レオニー・ベネシュ、レオナルト・シュテットニッシュ、エーファ・レーバウ ほか/配給:アルバトロス・フィルム/公開:5月17日より、新宿武蔵野館ほかにて全国ロードショー
© if… Productions/ZDF/arte MMXXII

 

text : YUKO KANEKO(1, 2), HAZUKI TOGO(3, 4)

web edit : KIMIE WACHI[sweet web]

※記事の内容はsweet2024年6月号のものになります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。
 

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