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注意散漫が過食を招く!食事中のスマホが危険な理由とは?

  • 2024.5.22
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気が散っていると食べ過ぎてしまう
気が散っていると食べ過ぎてしまう / Credit:Canva

体型が気になっているのに、「ついつい食べ過ぎてしまう」ということはよくあります。

最近、その原因について、アメリカ心理学会は、「食事中に他のことをしたり、気が散っていたりすると、過食する傾向がある」と報告しました。

気が散っている人は、食事に集中できずに満足度が低下し、それを補おうとたくさん食べてしまうというのです。

研究の詳細は、2024年5月16日付の学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載されました。

目次

  • 気が散っていると十分な満足感が得られず、食べ過ぎる

気が散っていると十分な満足感が得られず、食べ過ぎる

スマホの登場により、いつでもどこでも情報をチェックしたり、メディアを楽しんだりできるようになりました。

食事中でもゲームをしたり、動画を見たりする、という人も増えてきました。

しかし、こうした傾向は私たちの食事やその他の習慣に良くない影響を与えるようです。

食事中のスマホが危険な理由とは!?
食事中のスマホが危険な理由とは!? / Credit:Canva

今回の研究は、ベルギーのゲント大学(Ghent University)に所属するスティーブン・リー・マーフィー氏ら研究チームによって行われました。

彼らは、過食の原因の1つが注意散漫である可能性に着目し、次の実験を行いました。

122人の参加者(18~24歳。ほとんどが女性でした)を対象に、まず昼食を食べる前に、その昼食をどの程度楽しむつもりか報告してもらいました。

その後、参加者たちは以下のグループに分けられ、それぞれの条件で昼食を食べました。

  1. 注意散漫なし(食事に集中)
  2. 中レベルの注意散漫(動画を見る)
  3. 高レベルの注意散漫(テトリスをする)

そして昼食後、参加者たちは、昼食に関する「楽しみ」「満足度」「更なる満足感への欲求」「昼食を食べた量」「その日の後半に食べた間食」について報告しました。

その結果、気が散った状態で食事をした参加者は、食事の楽しさと満足度が低いと報告しました。

また、この楽しさと満足度の低さは、更なる満足感を求め、食後の間食が増えることと関連していました。

つまり、食事中に動画を見たりゲームをしたりする人は、食事の満足度が低下し、それを補うために、ついつい食べ過ぎてしまう傾向にあるというのです。

そして研究チームは、この傾向が食事以外の活動にも当てはまると考え、追加の実験を行いました。

220人の参加者(18~71歳。ほとんどが女性)を対象に、快楽消費や注意散漫レベル、満足度に関する簡単なアンケートに回答してもらったのです。

注意散漫は食事以外の活動でも「満足度の低下」をもたらす。そしてもっと欲しくなり、「過剰な消費」に繋がる
注意散漫は食事以外の活動でも「満足度の低下」をもたらす。そしてもっと欲しくなり、「過剰な消費」に繋がる / Credit:Canva

その結果、食事以外の活動においても、それを行っている最中に気が散ると、期待していたほどその活動を楽しむことができないと分かりました。

そして満足度が低くなり、更なる満足感を求める傾向がありました。

つまり、気を散らされる状況が、過食を含む「過剰な消費」に繋がると考えられます。

一般的に、「過剰な消費は自制心の欠如が原因で生じることが多い」と考えられています。

しかし、今回の結果から、マーフィー氏は次のように結論付けています。

「私たちの研究結果は、過剰な消費が、ある活動から一定のレベルの楽しみを得たいという人間の単純な欲求によって引き起こされる場合が多いことを示唆しています。

私たちは気が散ると、より多くのものを消費することで満足感の不足を補おうとする可能性が高いのです」

便利な世の中になりましたが、私たちはいつも気が散らされており、十分に満足できていないのですね。

食事中はテレビを見ないとか、スマホはいじらないと教育する家庭は多いですが、それはお行儀が悪いという以外にも、食事に集中するために重要な意味があるようです。

過食や時間の浪費を避けるためにも、眼の前のことに集中することはとても大切なことなのです。

参考文献

Why do we overindulge?
https://www.eurekalert.org/news-releases/1044646

元論文

Underwhelming pleasures: Toward a self-regulatory account of hedonic compensation and overconsumption.
https://doi.org/10.1037/pspa0000389

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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