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「またダメにしちゃった…」をなくしたい!野菜をおいしく使い切るための冷凍保存方法&レシピ

  • 2024.5.22
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野菜をおいしく冷凍保存&調理する node / PIXTA(ピクスタ)
野菜をおいしく冷凍保存&調理する node / PIXTA(ピクスタ)

2026年度からブロッコリーが「指定野菜」に追加される、というニュースを耳にしたことはありませんか? 「指定野菜」とは、全国的に流通していて消費量の多い、国が定めた野菜のことです。ほかにキャベツやじゃがいもなども含まれますが、これらの野菜、特売で買っては余らせてしまう、という方も多いのでは? そこで、冷凍王子・西川剛史さんに、野菜を上手に食べきるための冷凍保存方法と、冷凍野菜で作る簡単レシピを教えてもらいました!

▶教えてくれたのは…

西川剛史さん

西川剛史さん
西川剛史さん

冷凍生活アドバイザー養成講座監修・講師。野菜ソムリエプロ。ベフロティ株式会社代表取締役。ゆとりうむプロジェクト理事。大学で食品栄養学を専攻し、学生時代から冷凍食品に魅了される。冷凍食品メーカー、冷凍食品販売会社の商品開発部門などで勤務。冷凍食品会社で経験したことや独学での実験に基づく知識を生かし、現在は冷凍に関する第一人者として、テレビ・雑誌・ラジオなどでも幅広く活躍。著書に「西川剛史のおいしすぎる冷凍レシピ」(宝島社 )。

指定野菜ってどんなもの?

「指定野菜」とは、全国的に流通し、特に消費が多く、国民にとって重要な野菜のことです。野菜全体の作付面積の約7割、出荷量の約8割、購入量の約7割を占めています。指定野菜に認定されると、国のサポートを受けて栽培されるため、価格・流通量が安定的に保たれます。

2024年現在、指定野菜は、キャベツ、キュウリ、里芋、大根、玉ねぎ、トマト、ナス、ニンジン、ネギ、白菜、じゃがいも 、ピーマン、ほうれん草、レタスの14品目です。ここに、2026年度からブロッコリーが加わります。

これらはいずれも1年中スーパーに並んでいて、食卓に上る機会の多い野菜です。そのせいか、まとめ買いすることも多いのですが食べきれず、結局ムダにしてしまうことがよくあります。そんなとき、ぜひ活用したいのが、冷凍保存です。西川さんは、「冷凍貯金」を提唱しています。

冷凍貯金で「時間」「栄養」「お金」の3つを貯める

冷凍貯金とは、食材やおかずを冷凍してストックすることで、忙しい毎日の暮らしに時間や心のゆとりをうむ新習慣のことです。「冷凍貯金」をすることによって、私たちは「時間」「栄養」「お金」の3つを貯めることができます。

冷凍貯金3か条
冷凍貯金3か条

まず、まとめ買いして冷凍保存しておけば、毎日の買い物の手間がはぶけます。このとき、下ごしらえした食材や出来上がったおかずを冷凍しておけば、忙しい平日の調理時間も短縮できます。つまり、「時間が貯まる」のです。その差は1か月で40時間以上にもなるのだそう!

冷凍貯金のメリット_時短
冷凍貯金のメリット_時短

次に、冷凍すると1か月ほど可食期間を延ばすことができる場合もあるので、食材が長持ちするし、栄養価の減少がゆるやかになります。さらに、忙しい日でも気軽に野菜をチョイ足しできるので、栄養バランスのよい食事になり、「栄養を貯める」ことができます。冷凍野菜を活用すると、通常調理と比べてビタミンCの摂取量が3倍近くもアップする、というデータもあるほどです。

冷凍貯金のメリット_栄養
冷凍貯金のメリット_栄養

最後に、お買い得な日にまとめ買いすることで食費を節約したり、買った食材をムダなく使い切ったりすることで、「お金を貯める」こともできます。人によっては1か月で1万円弱の節約も可能とか。

冷凍貯金のメリット_節約
冷凍貯金のメリット_節約

ということで今回は、話題のブロッコリーに加え、これからの季節に旬を迎える、じゃがいもとキャベツの冷凍保存テクニックをご紹介します!とくに、大振りで野菜室のスペースをとりがちなキャベツは、使いやすい大きさに切って冷凍保存するのがおすすめですよ。

ゆでて!生でも!基本的な野菜の冷凍保存方法

■【ブロッコリー】

冷凍保存の方法

①小房に分け、熱湯で30秒間ゆでてざるにあげ、あおいで冷ますか、流水で素早く冷まし、水けをしっかりとふき取る。

ブロッコリーの冷凍保存 手順1ゆでる
ブロッコリーの冷凍保存 手順1ゆでる

②使いやすい分量ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍庫で保存する。

ブロッコリーの冷凍保存 手順2冷凍用保存袋に入れる
ブロッコリーの冷凍保存 手順2冷凍用保存袋に入れる

使うときは…

そのまま温野菜として!

凍ったままたっぷりの熱湯で30秒程度ゆで、水けをよくきって使う。

炒め物や煮込みなどに!

電子レンジで冷たさの残る程度に解凍してから調理する。

■【キャベツ】

冷凍保存の方法(生のまま冷凍の場合)

①1cm幅やざく切りなど、使いやすい大きさに切る。

②冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍庫で保存する。

キャベツは生のままでも冷凍保存可能
キャベツは生のままでも冷凍保存可能

使うときは…

炒め物やコールスローに!

凍ったままたっぷりの熱湯で30秒程度ゆで、水けをよくきって使う。

冷凍保存の方法(ゆでて冷凍の場合)

①使いやすい大きさに切って、熱湯で10秒ほどゆでる。冷水で色どめをし、水けをよくふきとる。

②使いやすい分量ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍庫で保存する。

キャベツはゆでてから冷凍保存
キャベツはゆでてから冷凍保存

使うときは…

あえ物や汁物におすすめ!

電子レンジで冷たさの残る程度に解凍してから調理する。

■【じゃがいも】

冷凍保存の方法

①かたまりのまま冷凍すると食感が悪くなるので、ゆでてつぶし、マッシュポテトの状態にする。

②冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍庫で保存する。

じゃがいもはマッシュして冷凍保存
じゃがいもはマッシュして冷凍保存

使うときは…

十分に加熱しないとザラついた食感に!

電子レンジで解凍して調理する。サラダのように解凍後に加熱しないときは、ある程度温まるまで加熱して、冷ましてから使う。

食卓にもう1品並べたいときの冷凍野菜レシピ2品

冷凍ブロッコリーと冷凍キャベツを使ったレシピを、それぞれご紹介します。いずれも火を使わず、レンチンだけで手軽に作れます。

■【ブロッコリーのスープ】

ブロッコリーを使ったスープ
ブロッコリーを使ったスープ

【材料】(2人分)*1人分206kcal

・冷凍したブロッコリー・・・1/2株(約100g)

・玉ねぎ(薄切り)・・・1/4個(約50g)

・バター・・・10g

・小麦粉・・・大さじ1/2

・ブイヨン(洋風スープのもと<固形>1/2個+湯)・・1/2カップ

・牛乳・・・1/2カップ

・生クリーム・・・大さじ3

・塩、こしょう・・・各少々

【作り方】

1. 冷凍ブロッコリーは凍ったまま耐熱容器に入れ、ラップをゆるくかけて、電子レンジ(500W)で3分30秒~4分、やわらかめに加熱する。

2. 別の耐熱容器に玉ねぎを入れ、バターをのせ、ラップをゆるくかけて、玉ねぎが透き通るまで1分30秒~2分レンチンする。

3. 2に小麦粉を加えてよく混ぜ、温かいブイヨンを少しずつ加え、よく混ぜる。1を加え、ラップをゆるくかけて、約2分30秒レンチンする。

4. 3に牛乳を加えてミキサーにかけ、耐熱容器に戻す。ラップをゆるくかけて1分30秒~2分レンチンし、生クリームを加え混ぜ、塩、こしょうで味をととのえる。

※冷凍していないブロッコリーを使う場合は、作り方1で小房に分けて耐熱容器に入れ、指定の時間より少し短めに加熱します。

■【キャベツのコールスロー】

冷凍キャベツを使ったコールスロー
冷凍キャベツを使ったコールスロー

【材料】(2人分)*1人分80kcal

・冷凍したキャベツ・・・200g

・にんじん・・・30g

・玉ねぎ(みじん切り)・・・大さじ3

・塩・・・少々

■A

└マヨネーズ・・・大さじ1

└レモン(または酢)・・・大さじ1/2

└砂糖・・・小さじ1/2

└塩、こしょう・・・各少々

【作り方】

1. キャベツは耐熱容器に入れ、ラップをゆるくかけて、電子レンジ(500W)で2分~2分30秒レンチンし、少し冷たさの残る程度に解凍する。

2. にんじんはせん切りにして塩少々をふり、玉ねぎも塩少々をふり、それぞれ2~3分おく。

3. 1は軽く、2はギュッと水けを絞って、Aとともにボウルに入れ、よく混ぜ合わせて器に盛る。

※電子レンジを使う場合は500Wのものを基準としています。600Wなら0.8倍、700Wなら0.7倍の時間で加熱してください。また機種によって差がありますので、様子をみながら加熱してください。

* * *

野菜の冷凍保存法さえマスターしておけば、もう傷んだブロッコリーや茶色く変色したキャベツに涙することはありません。朝食の目玉焼きにブロッコリーを、ランチのパスタにコールスローを添えて、栄養価の高い食事をパパッと作っちゃいましょう!

文=高梨奈々

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