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[2]え?髪を洗うのが年に数回って本当!?現在に伝わる平安時代のヘアケアと『姫カット』に大注目!|キレイ今昔物語

  • 2024.5.22

ドラマが話題となっていることもあり、注目される平安時代。
歴史を習う中でも、戦など血生臭いできことが少なく、十二単に代表される優雅な平安ファッション、女流作家が活躍した和歌や物語など文学の世界など、平安時代が好きという方も多いのではないでしょうか?
3回にわたってお送りしている、化粧品開発者の目で見た、平安女子が目指した「キレイ」について。
第2回のテーマは当時の女性が大切にしていた髪の「ヘアケア事情」です。

身長より長い髪・・・どうやってお手入れする?

現代女性にとっても髪は大切。
シャンプーして、コンディショナーやトリートメントを使い、ドライヤーで乾かす時にはオイルやミルクをつけて…というケアを、髪が長かろうが短かろうが、毎日当たり前にしている方も多いでしょう。
大垂髪(おすべらかし)と呼ばれる身長よりも長い髪を持つ平安女性。
彼女たちは、どうやってその長い髪のお手入れをしていたのでしょうか?
当時はもちろん現在のようなシャンプーはありません。
そのため「ゆする」と呼ばれる米のとぎ汁を使って髪を洗っていたそうです。
米のとぎ汁にはサポニンという洗浄力のある成分や、コメ胚芽油、加水分解コメタンパク、フィチン酸、イノシトール、コメデンプン、フェルラ酸などの成分が含まれています。
現代のヘアケア製品でも、コメ由来の成分が抽出されて処方されている製品も多く、平安女子たちがゆするをヘアケアに使っていたのもうなずけます。
ただ、当時は髪を洗う作業は、付き添いの女房達総出でおこなっても1日がかり。
洗う作業はもちろん、乾かすまでがとても大変で、宇津保物語によると、火桶を焚き、薫きものをくべて髪に香りをつけながら、髪をあぶって乾かしていたそうです。
水を用意するのも大変なので、夏場などは川に入って洗髪をしていたとのこと。
そのため、髪を洗えるのは年に数回程度・・・。
現代の感覚から考えると、ニオイや頭皮の状態が気になってしまいますね。

ゆするはRiceWaterへ?!海外でブームに??

平安女子にとって、必須のヘアケアアイテムだったゆする。
ゆするつきと呼ばれるゆするを入れておくための、蒔絵細工などがほどこされた専用容器もあったほどでした。
そんなゆするが、1000年もの時を経て、海外でブームになっているって知っていましたか?
動画投稿サイトで#ricewaterがブームに。
多くのセレブリティが実践しているということで、大きな話題となっているそう。
捨てるだけのとぎ汁を採用できる点や、自然由来のものでケアできるということで、昨今注目されるエコ意識の高まりとも結びついているのかもしれませんね。
ただし、実際の髪への効果としては、髪の摩擦を低減する効果や弾性を付与する効果が見られたとのことですが、デンプンが噛み表面に付着することでツヤを損ねてしまうなど、懸念点も報告されています(出典:J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn 44(1)p.29-33(2010))。
また、食品を直接皮膚に塗布することによるアレルギー発症のリスクや、頭皮常在菌などのへの影響、ricewaterの保存性なども考えると、とぎ汁をそのままヘアケアに使用することはあまりおすすめできません。
米のとぎ汁にヘアケアに良い成分が含まれていることは確かですが、その効果を最大限に得て安全に使用するためには、有用成分のみが抽出され配合されたヘアケアアイテムを使用する方がよいでしょう。

髪型も流行中?!平安女子の姫カットの秘密

平安女子の髪といえば、長く伸ばした髪ですが、正面から見たときは、サイドの髪を頬~顎の下あたりの長さに切りそろえた、いわゆる姫カットを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
実はこの姫カットの元といわれているのが平安時代におこなわれていた鬢削ぎ(びんそぎ)です。
夫となる男性(場合によっては父や兄)の手で、頬にかかる髪を短くされるというもので、成人の儀式のひとつとして、多くは16歳の年の6月16日におこなわれたといわれています。
平安女子の大人の証の鬢削ぎスタイルですが、実は最近は「姫カット」として国内のみならず海外でも注目されています。
英語版のWikipediaにもHime cutのページが存在し、#himecutで検索をかけると、平安スタイルのインフルエンサーの写真やカットやお手入れの仕方などがたくさんヒットする人気ぶり!
アニメのキャラクターや日本のアイドルなどが行っている髪型として、そして『日本の古の姫の髪型』というユニークな由来も注目を浴びているようです。
サイドの髪がフェイスラインをカバーしてくれるという、実用的なメリットも人気の秘密だそう。
注目を浴びる姫カット。
さすがに現代では「丈なす(身長ほどの)黒髪」とはいきませんが、平安女子に思いを馳せつつ、取り入れてみてはいかがでしょうか?

平安女子が大切にしていた髪。
彼女たちのケア方法やヘアスタイルが現代で再注目されているなんて、ちょっと不思議ですね。
平安女子には、1000年先にも通じる美意識や美的感覚があったといえるのかもしれませんね。
次回は平安女子が身に付けていた「女子力」についてお話ししたいと思います。

[執筆者]


船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級

[監修]キレイ研究室編集部

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