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”忙しいママ”が罪悪感を手放し「自分の時間」を楽しむ方法

  • 2024.5.21

私は一人で過ごす時間に幸せを感じるタイプ。一人でカフェで食事をしたり、一人で美術館を巡ったり、一人で旅行するなんて考えただけでパニックになる人もいるだろうけど、私はこうした時間が楽しくて仕方ない。ただ自分が楽しむために、自分がしたいことをして過ごす時間。

とまぁ、これは昔の私の現実で、今では2人の子ども(息子が9歳、娘が6歳)のママをしている。ひとりになれる機会はそうそうない。

30代後半になり、ますます一人の時間に焦がれるようになった。家事や身の回りのことが一段落したあとの自由な時間は、ほとんどがママとしての時間。静かな部屋で読書をしたり、泡風呂にゆっくり浸かろうとしても、「ママぁぁー!」と叫ばれ中断されるのが当たり前。

でも、私が一人で静かに過ごしたいという切望は、最高の健康状態を維持するために欠かせないことだからかもしれない。私はこれまで、一人で過ごす正当な理由を得るために、森やプールやジムに逃げなければならなかった。

誤解しないで、私は家族や友達と過ごす時間を大切に思っている。でも、一人の時間を定期的に持てなくなると、まるで小さな檻に閉じ込められたような気持ちになる。そして私は短気になって、一人になりたい理由を理解してくれない愛する人たちに当たってしまう。

一人になることはいいこと、これは事実!

だから、「一人でいることがメンタルヘルスにいい」と発表した最近の研究記事を読んだとき、私は本当に嬉しかった。学術誌『Scientific Reports』に掲載されたこの研究では、レディング大学の科学者が、178人の成人に3週間毎日日記を書くように指示を出した。その内容は、一人で過ごす時間と人と交流する時間について書き、自立心、ストレスの度合い、孤立感、生活の満足度も併せて記録するというもの。

その結果、自発的に過ごす一人の時間は、ストレスを和らげ、自由という感覚をもたらしてくれることがわかった。でも、こうしたメリットを得られるのは、「一人でいることが孤独に感じない」タイプの人に該当することを研究者は明確にしている。自ら一人で過ごすことを選択した場合はプラスになるけれど、パンデミックのロックダウンのように外部から孤立を強いられた場合は言うまでもなく、一人の時間が孤独感を増大させることになる。これは、喫煙、飲酒、運動不足と同様の健康リスクをもたらす可能性もあるとのこと。

一人でいることが好きな私にとって、一人の時間を過ごす健康上の重要性を科学が証明してくれたのはありがたい。実際、私は私の家族が大好きで、子どもたちのふざけたジョークを聞いているだけで日々幸せを感じている。いつか子どもたちが、私と一緒に過ごしたがらなくなる日が来ることだって理解している。それなのに、どうして今も私は一人の時間を求めてしまうんだろう?

「どんなに大切な関係でさえも、一時的に距離をとり、一人になりたいと思うのはごく普通のことです。これは、社会的な関わりと個人的なスペースのバランスを取りたいと望む、私たちの本能的な欲求から来ているものです」と説明するのは、コンサルタント心理学のエレナ・トゥローニ博士。

「充電する時間、内省する時間、セルフケアをする時間は誰にとっても必要なもの。こうした一人の時間は、自分が自分でいられる感覚や新たな趣味の探求、自分の考えや感情を整理する機会を与えてくれます」

トゥローニ博士いわく、彼女を含め内向型の人は一人の時間を持つことで心を充電できるため、他者と過ごすことで元気をもらえる外向型の人よりも、一人の時間を自然と楽しむことができる。両向型の人は、自分なりのバランスの取り方を学ぶことが大切。

とはいえ、家族の責任が絡むと一人の時間を持つのが難しくなる。「育児には多くの時間と注意力が必要なので、一人で過ごす機会はどんどん減っていきます。そのため、心に余裕がなくなったり、自由を失った感覚に陥ることがあるんです」と話すのは、ライフコーチのクレア・エルムス。家族に対する責任感と一人の時間の不足が組み合わさると、一人になりたいと声を上げる人が多くなる。

罪悪感を手放し、一人の時間を見つけるには?

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親として一人になる時間を選んだとき、とくに幼い子どもの場合、相手を拒絶しているようで罪悪感を抱くことはよくある。一人になりたいとき、この罪悪感とどう向き合えばいいのだろう?

「一人の時間を過ごすことを、自己成長と元気回復のため機会と捉え直すことで、罪悪感を感じるのではなく、自分を思いやることの方に重点を置くマインドに切り替えやすくなります」とエルムス。機内の緊急時には子どもより親が先にマスクを着けるのと同じ考え方で、よりよい自分でいるからこそ、よりよい親でいられるようになる。セルフケアや一人の時間の重要性については、家族とオープンに話し合うことがとても大切なんだとか。

「これに加え、家族にも一人の時間を持つように奨励することで、家族の中で一人の時間を過ごすことが定着していき、拒絶している感覚を減らすのに役立ちます。私は幼い2人の子どもの母親ですが、定期的にスケジュールを組むことのメリットを感じています。一人の時間を過ごすことが習慣になり、家族の生活の一部になっているからです」とエルムス。

「自分時間を持つことは、健康的な食事や運動と同じく、健康に欠かせない要素だと理解するといいでしょう。家族の健康として、家族皆がこのことを理解し、尊重することが大事です」とトゥローニ博士。

「孤立のスキル」を身に付ける

作家のフランチェスカ・スペクターの著書『Alonement: How to be alone and absolutely own it』のガイドブックの中で、彼女はひとりの時間を愛する人に向けて「孤立のスキル」を主張している。これは社会的なスキルの対にあるもので、感情的成長を示す重要な指標だと説いている。

私たちが他人のニーズを満たすことで忙しくなると、自分の欲求を満たすこととは無縁になり、最終的には自分を見失うことがよくある。この対処法にスペクターは、孤立のスキルとして「ポジティブなワガママ」になることを提案している。つまり、誰にも害のない形で自分を満たすアクティビティにふけるということ。スペクターの信念では、自分のニーズが満たされていれば、他者と一緒に過ごすときに妥協しやすくなる。

さらに、質の高い一人の時間の作り方を学ぶことも重要なスキルだとスペクターは言う。これは、ソーシャルメディアを無心にスクロールしたり、頭であれこれ考える時間に一人の時間を費やさないようにするため。スペクター自身は、ワクワクを胸にソロデートを前もって計画し、貴重な数分や数時間を無駄にしないようにしている。

トゥローニ博士も同じく、時間を有効に使うことの重要性を強調している。「読書やジャーナリング、マインドフルネスの実践、趣味の探求に時間を使いましょう。一人の時間を意義あるものにするには、意志を持つことが必要です。それが休息や内省するための時間であれ、新しいことを学んだりリラックスするための時間であれ、それをするという意志を持つことです」

また、スイッチをオフにする方法を学ぶことも、とくに、取り残される不安や恐怖(FOMO)を避けるために大切だという。「一人で過ごすと決めたとき、社会活動を逃すことに罪悪感や不安を感じることがあるかもしれませんが、一人になるということは、外の世界とのつながりを断ち、自分の思考や感情に集中することを可能にしてくれる時間なのです」

注意すべき孤立とは?

一人になることを自ら選んだにせよ、自分にとって有益な孤立が不健全な孤立に変わるときはどんなときだろう? 「社会との交流に対して、避けたくなったり不安を感じ始めたら、それは警告サインです」とエルムス。「他者との交流で衰弱したり、心が圧倒されるようになると、それはあなたが孤立に依存し過ぎている可能性があります」

そこでエルムスとトゥローニ博士の2人は、週に一度プランを立て、一人で過ごす時間と社会的交流を深める時間の両方を含めるように提案している。スペクターに影響された私は、映画館ソロデートを計画してみた。土曜日は子どものパーティーがあるから、最高の親でいられるように。

私の一人の時間を過ごす方法

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ヨガ

私の感情のビフォアー:朝食時に子どもたちとくだらない言い合いになった。土曜日の予定について50回も同じことを質問され、罪悪感を感じながらも子どもたちの前でドアをバタンと閉めた。「20分後に出てくるから」。その後、一人部屋でヨガをすることにした。

私の感情のアフター:エイドリアンのヨガ(Yoga with Adriene)は、私の心にいつも静けさをもたらしてくれる。その後はイライラすることなく子どもたちと接することができ、よりやわらかい、穏やかな自分になれていた。

映画館

ビフォアー:映画を観に行くとしたら、ここずっとディズニー映画ばかりだったから、今日は午後の時間を自分に捧げてインディーズ映画を楽しむことにした。

アフター:なんて贅沢な時間! 大人向けの映画を観に行ったら、ほぼ毎週映画館に行っていた頃の昔の自分と再会したような感覚になれた。

趣味

ビフォアー:トゥローニ博士が一人時間の趣味に勧めていたモデリングクレイを取り出して、前に取り組んでいたプロジェクトを再開することにした。

アフター:子どもたちとするクラフト作業にはちょっとストレスを感じていた。でもこのクラフト作業は、私の心をどれほど落ち着かせ、リラックスさせてくれるのかを思い出させてくれた。

家でのんびり過ごす

ビフォアー:多忙な平日を過ごしたあとは、家族みんなを説得して外に遊びに出かけてもらった。24時間は私だけのもの。罪悪感はない。子どもたちは100%パパと過ごせる時間。私は100%一人で過ごす時間。

アフター:読書して運動して、音楽を聴いた。誰も私に食べものを求めてこない。でもしばらくすると、みんながいなくて寂しくなった。帰ってきたら、家の中は再び騒音と散らかりと夕食のリクエストで溢れかえっていたけれど、それでもイライラすることは一切なかった。

これからは、親として罪悪感を感じず、一人の時間を楽しめそう?

専門家のアドバイスに従って、一人の時間を過ごすことがメンタルヘルスにどれほど有益かって話を家族にしてみた。でも、10歳にも満たない子どもにこの概念を説明するのは難しいと感じた。彼らはただ、パーティーを楽しんだり、宇宙の話がしたいだけ。それも悪くはない。こうした時間は私にとって貴重な瞬間で、日に日に終わりに近づいているんだから。

私が実践しているエルムスからのアドバイスはこれ。家族全員に自分一人の時間を作るように奨励し、それを普通のこととして捉え、みんなが公平であるようにすること。実際に私の子どもたちは、既に自分の部屋に閉じ籠って、じっと読書することで一人時間を実践できている。

私は子どもたちがじきに気づいてくれることを願っている。ママが30分ほどドアの向こうに消えたあとは、よりハッピーで穏やかなママになって戻ってくるということを。これは、私だけでなく、家族全員にとっていいことなんだ!

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。Text: KERRY LAW Translation : Yukie Kawabata

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