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「自己肯定感」の本当の意味を知っていますか?子どもと関わる上で意識している6つのポイント

  • 2024.5.21
出典:ぎゅってWeb

「自己肯定感」の本当の意味を知らなかった

幼稚園の先生として11年間子ども達とたくさん関わってきて、研修や勉強会でよく目にしていた「自己肯定感」という言葉。子育てしている人なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

子育て記事や育児雑誌などでもよく目にする自己肯定感という言葉ですが、本当の意味を知っている人って少ないんじゃないかな!? と思います。実は、私もその中のひとりでした。

子育てや夫婦関係に悩み、その悩みの根本的な原因は自分の自己肯定感の低さだと気づいてから、心理学や自己肯定感についてたくさん勉強してきました。

その中でも私が変わっていくきっかけとなった『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』の本に沿って、自己肯定感の本当の意味について紹介したいと思います。

自己肯定感とは!?

詳しく勉強する前までは、自己肯定感のことを「自分のことが好きなこと」だと思っていたのですが、勉強すると奥が深く、ただ自分のことが好きだと思える感覚だけではないことが分かりました。

自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する。そのままの自分を受け止めることができる感覚」のことで、「自尊感情」「自己受容感」「自己効力感」「自己信頼感」「自己決定感」「自己有用感」の6つの感覚から成り立っています。

子どもの自己肯定感のひとつひとつの感覚を詳しく説明する共に、子どもと関わる上で意識しているポイントをお伝えしていきたいと思います。

「自尊感情」について

自尊感情とは、「自ら生きる価値を認識して、自分の命を大切に思う感情」で、自己肯定感やこころの土台となります。自分の存在自体を認めることで物事を肯定的に考えられることができ、大人になってから人間関係もスムーズになります。

特に幼児期は、自尊感情や自尊心を育てる大切な時期と言われていて、スキンシップや親子の触れ合いで育まれると言われています。

わが家では子ども達に「生まれてきてありがとう」「ママもパパも〇〇ちゃんと〇〇くんがパパとママの所に生まれてきてくれて幸せだよ」と日常の中で伝えたり、抱きしめたり、手をつないだりして「大好き」をたくさん伝えるようにしています。

「自己受容感」について

自己受容感とは、「ネガティブな自分もポジティブな自分もあるがままの自分を認められる感覚」の事で、この感覚を育てることで「折れない心」が育っていきます。

私はこの感覚が特に低く、「できない自分=ダメな自分」だと思っていました。なので、0か100かの思考になり、常に完璧を求め続けて産後うつのような状態になって、メンタルはボロボロでした。

失敗する自分、できない自分はダメだという感覚は、わが子へと自然と受け継がれていき、失敗や間違いを恐れるようになった長女は、小1の途中から不登校になりました。

その原因のひとつとして、わたし自身が「どんな自分にもOKを出す」ことができず、自分を無意識に責めていたことでした。自分の自己受容感が低いと、子どもへの言葉がけも間違いを指摘するような声掛けが多く、子どもの自己受容への近道は、親自身が「どんな自分にもOK出す」ことだなと痛感しています。

私自身、親の言う通りにできると褒められ、失敗したり間違えたりすると烈火のごとく怒られ、親の言うことに背くと「悪い子」と小さいころから言われて育ち、無条件に自分を受け入れてもらった感覚が少ないことに気づきました。

そんな自身の経験もふまえ、子どもたちには「笑っていても泣いていても、何かができてもできなくても、どんな〇〇ちゃんも大好きだよ」と日ごろから伝えるように心がけています。

「自己効力感」について

自己効力感とは「じぶんにはできると思える感覚」の事で、この感覚が育つと「勇気を持てる」ようになり、失敗を恐れず「何度でも挑戦できる心」を育むことができます。子どもの自己効力感を育てるために私が意識していることは2つあります。

1つ目は、子どもが間違いや失敗した時に、命に係わる危険な事や人や自分を傷つけること以外は、叱ったり責めたりせずに、どうやったらうまくいくか一緒に考えたり、どうしたら良かったかを具体的に伝えるようにしています。

2つ目は、親が自分自身の失敗や間違い、できなかった事を必要以上に責めないこと。「今日も子どもに感情的に怒ってしまった…」「今日も掃除ができなかった…」「今日も洗濯物をたためなかった…」と自分のできなかった事や失敗に人は目がいきがちです。自分を責めていると、子どもの失敗や間違いも責めるようになってしまう自分に、私自身気がつきました。

だけど、「子どもの為においしいごはんを作った」「家族の為に朝早く起きた」「仕事を頑張った」「保育園の送り迎えをした」など、当たり前だと思っていつも日常の中でこなしている事って、当たり前じゃなくて、頑張っている事、できている事ってたくさんあるんですよね。

なんとなく過ごしてる日々の中の小さな頑張りを、自分自身が認めて頑張りのハードルを下げることで、子どもの普段の小さな頑張りにも気づけるようになり、子どもが間違いや失敗をしても寛容な心で接することができます。

「自己信頼感」について

自己信頼感は「自分を信じられる感覚、自分を信頼して行動する感覚」で、自己信頼感が損なわれてしまうと何事にも消極的になり、挑戦していたことを途中であきらめてしまったり、自分はできると思える自己効力感も失われると言われています。

子どもと関わる上で意識している事は、子どもを信頼する前に、自分自身を信頼する事です。私は、常に「こうなったらどうしよう…」という心配性で不安が強い性格でした。

その原因は、「本当に大丈夫なの?」「心配だ、心配だ」と親から言われることが多く、信頼よりも心配される事が多い環境の中で育った事も関係しているんだと心理学を学んで感じました。心配と信頼のバランスってとても大事で、ずっと心配されて育つと、新たな挑戦をする時に「私って本当に大丈夫かな?」と子どもが自分を心配するようになり、「自分はできる」と信じられなくなってしまいます。

私は自分を信頼していなかったので、常にわが子の心配ばかりしていました。大切なわが子だからこそ失いたくないし、大切なわが子が傷ついた姿を見たくないからこそ心配になる。けれど心配のもっと心の奥底の深層心理を見てみると、「自分が悲しい思いをしたくない」ので、心配することでその不安を解消しようしている。その事実に気づいたときは衝撃を受けました。

少しずつ自分を信じる練習をして、自分を信じられるようになると、わが子への言葉がけも変わってきて「心配」よりも、「大丈夫!できるよ!やってごらん」と信頼するようになると、子どもの目の輝きが変わってきたように思います。

「自己決定感」について

自己決定感とは「自分で決定できるという感覚」の事で、自己決定感を育むと、自立して自分の人生を切り開いていく力が育っていきます。自己決定感が高まると、幸福感も高まると言われていて、自己決定感が低下すると他人への依存度が高くなると言われています。

人は本能的に「自分で選択したい!自分で決めたい!」と欲求をもって生まれてきます。みなさんは子どもの時に親から「〇〇しなさい!」と言われてやる気がなくなったり、反発したくなったりしたことはありませんか?親の言う通りにすることは、「自分で決めた」という欲求が満たされず、親から言われた事をしないことで、本能的に「自分で決めた」という感覚を得ようしているのです。

子どもと関わる上で大切にしていることは、自分に余裕があるときにできる範囲で、「電車のTシャツと車のTシャツどっちを着る?」「今日の朝ごはんはパンとコーンフレークどっちにする?」「保育園にどのタオルもって行く?」などと聞いて、答えられたら「自分で決められたね」「自分の気持ちを言えたね」などと声をかけて認め、自分で選択する喜びを感じられるようにしています。

「自己有用感」について

自己有用感とは、「自分は何かの役に立っているという感覚」の事で、この感覚が高まる事で社会の中で自分らしさを発揮する力が育まれ、私の存在は誰かの役に立っているんだという感覚が安心感へと繋がります。「自分は誰かの役に立っているという感覚」は、自己決定感と同様に本能的に備わっている欲求で、人は誰かの役に立った時に最大の幸福感を感じると言われています。

私が自己有用感を育てるために意識している事は、2つあります。

1つ目は、自分の余裕があるときに、子ども達に玉ねぎの皮むきや、米を研いでもらったり、掃除機をかけて貰ったり家の事をしてもらい、「役に立った」という感覚を味わえるようにしています。

2つ目は「おかげで」や「ありがとう」の感謝の言葉をたくさん使う事です。
「〇〇ちゃんが産まれてきてくれたおかげで、パパやママはとっても幸せだよ」「〇〇くんが掃除機かけてくれたおかげで、ママとっても助かったよ。ありがとう」など感謝の気持ちを具体的に言葉で伝えるようにしています。

自己肯定感は上がったり下がったりするもの

私は自己肯定感が低い自分の事を、ダメな自分だと思い、深刻に捉えて、子どもの自己肯定感を高めるためには、自分の自己肯定感は常に高い状態じゃないといけないと思い込んでいました。

だけど、『自己肯定感の教科書』に出合い、「自己肯定感は状況や環境によって上がったり下がったりするもの」ということを知り、常に自己肯定感を高い状態に無理して保つ必要もなく、その都度足りないところを修正していけばいいんだと思えて、何だか心がホッとしたことを覚えています。

『自己肯定感の教科書』には、それぞれの感覚が下がった時にはどのようなことをすればよいのかが具体的に書かれていて、子育てで悩んでいる人や、自分自身生きづらさを感じている人にもオススメです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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<ぎゅってブロガー/北嶋ゆみこ>

元幼稚園の先生、今は保育士として働くの2児のママ。 初めての子育てでうまくいかず思い悩む日々… そんな中で見つけた「ママ達に寄り添い笑顔にしたい」という新たな夢♡ 触育ベビーマッサージ講師の資格を取り、子育てでいろいろな葛藤をしながらも自分の夢に向かって奮闘中です★

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