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【アート情報】『三の丸尚蔵館の名品』『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』キュレーター・林綾野さんが語る見どころとは?

  • 2024.5.20

キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、東京・皇居三の丸尚蔵館で開催中の『三の丸尚蔵館の名品』、大坂・あべのハルカス美術館で開催中の『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』をピックアップします。


卓越した技法、きらめく美。日本美術の醍醐味を実見!

昨年11月、国立博物館としてリニューアルオープンした皇居三の丸尚蔵館。開館を記念し、約8カ月の期間をかけ、4期にわたって皇室の名宝を紹介する展覧会を順次開催してきた。

5月21日から最後となる展覧会『三の丸尚蔵館の名品』が開幕となる。明治時代より皇室のお祝い事や国内各地への行幸などに際し、美術品の献上が行われてきた。今回の展示ではそうして献上された品を中心に絵画、書跡、工芸品から選りすぐりの名品が紹介される。とりわけ伊藤若冲の国宝《動植綵絵》の中から躍動感あふれる鶏を描いた「芙蓉双鶏図」、蛸など海中の生き物をユニークに描いた「諸魚図」など4幅が展示されるのは見逃せない。さらに金雲たなびく山間に悠然と佇む2頭の唐獅子が美しくも迫力満点な狩野永徳の代表作、国宝《唐獅子図屏風》も並ぶ。高さ2m、幅4・5mを超える大画面を前に江戸時代の絵画芸術の底力を心ゆくまで感じよう。

あべのハルカス美術館では『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』が開催中だ。御三家の一つ、尾張徳川家に伝わる名宝が揃う。目玉作品の一つは三代将軍家光の長女・千代姫が嫁ぐ際に持参した国宝「初音の調度」。金銀を贅沢に使い、高度な蒔絵技術を尽くした逸品だ。そして国宝「源氏物語絵巻」の4場面が会期中順次展示される。古き日本の美意識が凝縮する現存最古の源氏絵をこの機会にぜひ見ておきたい。

めったに実物を拝めない国宝の数々。眼福のひと時を存分に味わおう。

『皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび-受け継ぐ美-」 第4期:「三の丸尚蔵館の名品」』

国宝《唐獅子図屏風》(右隻)狩野永徳 桃山時代(16世紀) 皇居三の丸尚蔵館収蔵

期間/5月21日(火)~6月23日(日)
休館日/月曜日
住所/東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内
会場/皇居三の丸尚蔵館 展示室1・2
電話/050-5541-8600(ハローダイヤル)

『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』

国宝 源氏物語絵巻 宿木(三)、平安時代 12世紀※展示期間:5/28~6/9 ※4場面を会期中、順次展示

期間/開催中~ 6月23日(日)
休館日/5/7(火)、5/27(月)
住所/大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
会場/あべのハルカス美術館
電話/06-4399-9050

文=林綾野

※InRed2024年6月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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※地震や天候などの影響により、イベント内容の変更、開催の延期や中止も予想されます。詳細は各お問い合わせ先にご確認ください。

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