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夏を涼しく乗り切るために、緑のカーテンをつくろう!

  • 2024.5.19
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窓辺につる植物を育ててつくる緑のカーテン。環境にも家計にも優しく、窓辺に花や緑のある心地よい暮らしをつくる手助けに。その上、野菜であれば毎日の収穫まで楽しめます。そんなメリットいっぱいの緑のカーテンづくりにチャレンジしてみませんか?

エコで家計にも優しい緑のカーテン

緑のカーテン
yoshi0511/Shutterstock.com

窓辺などに植物を茂らせて夏の直射日光を遮り、室内を過ごしやすい温度に保つ緑のカーテンは、電力消費の多い夏場の省エネ効果が期待でき、近年ますます注目されています。直射日光が当たって窓や壁が温められると、室内の温度も高くなってしまいますが、窓の60%程度を覆う緑のカーテンがあると、直射日光が差し込む室内に比べ、体感温度は約10℃もの差があるという調査結果もあります。植物を利用した日よけは、ただ日光を反射させて遮断するだけでなく、光を吸収して光合成に利用するので、より効率よく日射を防ぐことができます。

しかも、普通の日よけが熱を吸収して熱くなってしまうのに対し、生きている植物は、水分を蓄えて葉の表面から蒸散しているため、表面温度が35℃を超えず、常に打ち水をしているようなラジエーター効果もあります。真夏のエアコンの使用を抑えることができるので、地域や気候によっては20~30%程度の省エネ効果が期待でき、二酸化炭素も削減できるので地球温暖化防止にも役立ちます。場合によってはエアコンをつけずに過ごせることもあるので、エアコンがちょっと苦手という人にもぴったりですね。

緑のカーテン
F_studio/Shutterstock.com

さらに、ゴーヤなど、食べられるタイプの緑のカーテンを選べば、窓から簡単に新鮮な野菜を収穫できるのも嬉しいところ。花を咲かせる植物なら、毎日開く可愛らしい花が楽しめます。

このように、メリットがいっぱいの緑のカーテン。夏に勢いよく生育する丈夫な植物を選べば、プランターと支柱、ネットを用意するだけで、誰でも簡単に栽培することができます。まだやったことがないという人も、ぜひトライしてみましょう。

緑のカーテンにオススメ植物7選

ゴーヤ

ゴーヤ
taka1022/Shutterstock.com

特に沖縄で親しまれていて、チャンプルーなどの郷土料理でお馴染みのゴーヤ。暑さに強く、生育が旺盛なので、緑のカーテンの定番として広く利用されています。実がよくなるので、たくさんの収穫を楽しめるのも嬉しいところ。病害虫にも強く、丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもオススメです。

日本アサガオ

緑のカーテン
Gemini Create/Shutterstock.com

夏に咲く花といえば、日本で古くから親しまれているのが、アサガオ。早朝に花開いて、昼にはしぼんでしまうというイメージがありますが、昼過ぎまで花が咲くものもあり、変わった花や葉を持つものや、大輪品種から小輪品種までバラエティーに富んでいます。短日植物なので、夜間に光が当たらない場所に置き、暑さが厳しい日には、乾かないよう朝夕2回水を与えるとよいでしょう。

西洋アサガオ

西洋アサガオ
pixbox77/Shutterstock.com

日本アサガオにはないような色彩を持つ西洋アサガオ。花つきがよく昼に花を咲かせるソライロアサガオや、マルバアサガオなどが含まれます。生育旺盛でよく茂り、素早くカーテンをつくってくれるのも嬉しいところ。日本アサガオよりも晩生のものが多く、晩夏から晩秋まで咲き続けます。

琉球アサガオ

琉球アサガオ
sasimoto/Shutterstock.com

日本アサガオに比べ、性質がより強健で、つるをよく伸ばす宿根性のアサガオ。ノアサガオやシュッコンアサガオとも呼ばれます。夕方まで花が開き、開花期間が長いのが特徴。やや晩生で晩秋まで咲き続けます。朝は青紫の花が、夕方になると赤紫に変化する‘オーシャン・ブルー’などがよく知られています。

ヨルガオ(ユウガオ)

ヨルガオ
Aphisit Ragput/Shutterstock.com

夕方頃からよい香りを辺りに漂わせながら、夜に美しい白い花を開き、翌朝には閉じてしまうヨルガオ。よくつるが伸びるので、緑のカーテンづくりにうってつけです。なお、かんぴょうの原料となるウリ科のユウガオとは別種ですが、ユウガオという名で流通していることも多い花です。

ツンベルギア・アラタ

ツンベルギア
trang trinh/Shutterstock.com

写真はツンベルギア・アラタ‘スージー’。中央に黒い目が入る、白とオレンジの可愛らしい花をたくさん咲かせます。熱帯から亜熱帯を原産とし、夏の暑さにも負けずに、ぐんぐん成長します。コンパクトサイズの緑のカーテンにオススメ。

オカワカメ(アカザカズラ)

つるの両側に整然と葉をよく茂らせるオカワカメは、見た目も美しく、緑のカーテンとして、しっかり日を遮ってくれます。葉は食用でき、ゆでるとぬめりが出て、ワカメに似た食感に。葉酸やミネラル、ビタミンAなどを多く含み、栄養価が高いので、健康野菜としても注目されています。

緑のカーテンの仕立て方

緑のカーテン
taka1022/Shutterstock.com

緑のカーテンをつくるには、育てたい植物の苗とプランター、ネットや支柱が必要です。ネットが台風などの強風にあおられて飛ばされないよう、しっかりと固定できる場所があることを確認してからスタートしましょう。

栽培する植物を決めたら、植え付けをします。緑のカーテンに活用する植物の多くは、夏もよく生育して水を吸い上げるうえ、直射日光の当たる場所で育てるため、鉢植えの場合はすぐに乾きがちです。水切れを予防するためにも、大きめの鉢に植え付けましょう。また、早くカーテンをつくってほしいため、つい間隔を寄せて植え付けてしまいがちですが、必ずそれぞれの植物に応じた株間を取りましょう。ゴーヤやアサガオは30㎝程度、ヘチマは40㎝程度の間隔が必要です。植え付ける用土は、園芸用土のみでももちろんOKですが、園芸用土4、腐葉土4、堆肥2ほどの割合で混合したものを使うと、生育がよくなります。

緑のカーテン
akiyoko/Shutterstock.com

植え付け後はネットを張ってつるを絡ませ、成長させます。窓辺にネットを設置するには主に、軒下など上からネットを吊るす方法と、支柱を使ってネットを自立させる方法の2通りがあり、環境に合った方法を選びましょう。上からネットを吊るすなら、上階のベランダの手すりや、強度が十分な雨どい用の金具などを利用して固定を。ネットを固定できるような場所がない場合は、軒下などにフックを設置して取り付けましょう。ネットの上下を支柱に留めてから設置すると、緩まずピンと張りやすくなります。ネットを吊り下げたら、下部はプランターの重みなどを利用して固定すると簡単です。支柱を使う場合は、地面に支柱をしっかり固定してからネットを取り付けます。

つるが伸びてきたら、つるの先端部分を摘む摘心をしましょう。摘心を繰り返すことで、脇芽を増やしてネットを広く覆うように成長させることができます。土が乾いていたら、しっかりと水やりを。夏場は水が切れやすいので、朝夕の2回与えたほうがよい場合もあります。植物の状態を見ながら、随時追肥を行いましょう。2カ月ほどで緑のカーテンが完成します。

緑のカーテンに利用されるのは、どれも夏の暑さに耐えられるだけの丈夫で育てやすい植物なので、誰でも簡単にチャレンジすることができます。窓辺に緑のカーテンを仕立てて、暑い夏も涼しく快適に乗り切りましょう!

協力

吉田園芸

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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