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「毎日が楽しい…!」ずっとラブラブでいられる「彼氏候補」とは

  • 2024.5.16

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、製菓学校に通う18歳女性。おしゃれに興味がなく学校で浮いてしまっている彼女ですが、服飾専門学校に通う幼馴染といつしかいい雰囲気に…。三松先生のアドバイスは…?

ミア(18歳)、洋服レス。中学生の頃と同じ服でOK! と思いきやなぜか友達できず

【レスなひとびと】vol. 241

ミアは上京したての製菓学校の1年生。とにかく食べることが大好き。パンケーキ、パフェ、パスタ、焼き肉、回転寿司…。

せっかく東京に出てきたんだし、都会の飲食店を巡って勉強したい。だから、食以外の出費は極限まで抑える方針だ。
ミアはいくら食べても太らない。ダイエットしてる友達からいつも羨ましがられてた。中3の頃から体重はほぼ変わらず、服も当時地元で買ったものを着続けている。
学校ではコックコートに着替える日も多いし、服は何でもいいやって思ってた。でも、なぜか東京で友達ができない。

今日は幼馴染で同じく上京組の恭一と、駅前の餃子屋で晩ごはん。恭一は服飾の専門学校に通っている。
「LOVE」と大きなロゴが入った黄色いTシャツに、デニムの短めキュロットで向かう。

「ミア、あのさあ……」
ミアを見つけて固まる恭一。
「いや、あれだ、ちょっと言わせてもらうけど…。そのかっこうで学校行ってる?」
「え?」
「子どもっぽいというか…それ、中学の頃から着てないか」
「えー、おかしいん? でも新しい服、買いたくないよ。節約したいし」
話していると、ミアのおばあちゃんから連絡が入る。

「麦の元気がないから近々帰っておいでって」
麦はミアの家の猫だ。
「えっ、麦? 俺も会いたいから一緒に帰るよ」
恭一がそう言ったので、次の週末、ふたりで地元へ。

麦を撫でながら、おばあちゃんちのソファで恭一とお茶を飲む。なんかほっこりいい感じ。恭一ってこんな癒し系だったかなあ。

最近家の整理にハマり中のおばあちゃんが、若い頃の服をどんどん出してきた。「いる?」って聞かれたけど、サイズが全然違うから無理。
でも恭一は「もらっていきます」って、紙袋に詰めこみはじめた。なんで?

おばあちゃんちから帰って数日後。恭一から「ちょっとうち来て。薄めの服でお願い」とLINEが来た。なにそれ、変態かよ。
家に着くと、恭一がメジャーを手に近付いてきた。
「測らせてもらうぞ」
「は? え!?」
「いいから」
ミアはドキドキしながら、恭一の前に立つ。恭一がミアの背中に腕を回して、ウエストを測り始める。
「ミアごめん、後ろの机にあるメモとペン取って」
「あ、うん」
机に手を伸ばしたけど、微妙に届かずぐらつく。
「わっ」
転びそうになったミアを、恭一が抱きとめた。
「え、あ…」
思わず、ドキッとしてしまう。ちょいと気まずい。すると、突然ミアのお腹がグーと大きな音を立てて鳴った。
「ほんと、食いしん坊なのに、この細さ、すごいよな」
顔を見合わせて笑う。

数週間後、恭一はおばあちゃんの服をミアサイズに今っぽくリメイクして持ってきてくれた。
「こんな服、着たことないけど」
半信半疑でその服を着ていくと、学校の子たちに褒められた。「それどこで買ったの? 竹下通り? 下北沢?」って。恭一のことを話したら、きゃーって盛り上がって、友達もできちゃった。

みんなに「彼氏候補なの」と尋ねられるが、それってアリかも。
恭一に彼女候補にしてって伝えようかな。

【三松さんからのコメント】

恭一さん、特技を生かして恩着せがましくなくミアさんを救っていてかっこいいじゃないですか。

思い入れのある服をミアさんに着てもらえて、おばあちゃんもうれしいはず。ぜひその服を着た写真を送ってあげてね。

そして、古着のリメイクは地球にもやさしい。まさにSDGsライフ。みんなにとってハッピーな、すばらしいアクションです。
今後ますますリメイクは流行っていくかもしれません。流用だって、Z世代にY2Kファッションが浸透したように、昔のものが復活することがありますし。昭和レトログッズのショップも見かけます。
恭一さんみたいな専門テクニックはなくとも、今の時代、動画でなんでも学べちゃう。服を買えなくて困っているひとは、家族の着ない服をもらって、リメイクに挑戦しても楽しいです。

ミアさんと恭一さんの距離も、これからますます縮まりそう。物価高の影響もあり、都会の一人暮らしはとっても大変で心が折れるときもあるでしょう。そんなときは、彼氏や友達といっしょに困ったことを言い合おう。
お互いの得意なことを生かしながら、助け合ってやっていける。彼氏ゼロのひとは恋愛のきっかけにもなりますし。

「洋服レスのプアな日々でも、工夫しだいで楽しくやれる! オシャレ心をもつとモテ期が始まるのだ」

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。

©Natalia S./Adobe Stock

文・三松真由美

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