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登山家・野口健、「世の中のB面を見る」ことを意識 外交官の父から受けた影響が大きなきっかけに<Style2030 賢者が映す未来>

  • 2024.5.15
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(右から)野口健、龍崎孝、皆川玲奈 (C)BS-TBS
(右から)野口健、龍崎孝、皆川玲奈 (C)BS-TBS

【写真】自身の“似顔絵”と記念撮影をする野口健

5月19日(日)放送の「Style2030 賢者が映す未来」(毎月第3日曜朝10:00-10:54、BS-TBS)に、ゲストとして登山家の野口健が登場する。同番組は、ホストの龍崎孝(ジャーナリスト)が、さまざまな分野の第一人者の方をゲストに迎え、SDGsの達成期限である「2030年」に向け、私たちの思考や暮らしの在り方をどのようにリセットするのかを語るトーク番組。ゲストはSDGs17の目標から2つをトークテーマとして選んでいるが、野口は「パートナーシップで目標を達成しよう」と「質の高い教育をみんなに」を選んだ。

提言は「世の中のB面を見る」と「義務教育に環境教育を」

1999年、自身3度目のエベレスト挑戦で登頂に成功した野口。当時の世界最年少記録となる25歳で7大陸最高峰を制覇した。野口は、登山家の活動だけに留まらず、被災地の復興支援やエベレストの清掃登山などさまざまな社会貢献を行ってきた。そんな野口の提言は「世の中のB面を見る」と「義務教育に環境教育を」。

世の中を“レコード”に例えた父の教え

野口は、父親が中東専門の外交官でODA(開発途上国に対して政府などが行う支援)だったという。幼少期から中東を転々とし、その国の様子を見てきた。

父親は世の中をレコードに例え、観光地など誰しもが見るものはA面、スラム街などはB面だといい「世の中のテーマは得てしてB面にある」と語る。

父親とさまざまな国を巡り、「この国には何が必要か」を考える旅をしたことが野口の提言「世の中のB面を見る」ことを意識し始めたきっかけになったという。

日本を離れることで考え方に変化が生まれた

また、日本の富士山についても言及し、新幹線など遠くから見る富士山はA面、実際夏に登ってみた富士山はゴミがたくさんあり、B面だと感じたという。その現状を改善しようと富士山の清掃活動をしようとした野口だが、地元の人から批判された。批判の多さに疲れ、逃げたのは冬のヒマラヤ。

日本にいるだけでは視野が狭くなり、その中で考えようとするが、その場所から離れることで考え方に変化が生まれた。それまでは「自分の考え方=社会の考え方」と思い込んでいたが、立場が異なればとらえ方も人それぞれ、「自分の考え方は世の中の考え方のひとつ」だと気付いた。

日本に戻ってきた後、山小屋の方々とコミュニケーションをしっかり取り問題解決に向けて動いたという。

環境問題に興味を持つために重要なのは“体験”

もともと環境問題に興味がなかったという野口。山に登るようになり、山からいろいろなことを学び自分の人生の道も見えるようになった。このような体験から、自然と接したことがないと、地球環境に対して関心が持てないのではないかと述べた。

環境教育として、学校で講義するのもいいが、やはり「体験」することが大切だという。野口が携わっていた自然体験ができる「野口健 環境学校」に参加する子供たちの親は環境問題に興味を持つ裕福層が多かった。

経済格差が学歴格差を生むように、体験格差も生まれるという。義務教育に体験型環境教育を取り入れることで、格差を縮めることができるのではないかと語った。

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