ホテル雅叙園東京にある自然派イタリアンの名店「RISTORANTE “CANOVIANO”(リストランテ カノビアーノ)」。その料理を気軽に楽しめるお店として、2023年9月「CANOVIANO CAFE(カノビアーノ カフェ)」がオープン。素材の味を引き出す料理は深く印象に残ります。今回はディナーのアラカルトを堪能しました。
ディナーやランチで楽しむ “自然派イタリアン”
自然派イタリアンの第一人者、植竹隆政シェフが手がけるのは、動物性油脂をはじめ、にんにくや唐辛子などイタリア料理の定番素材ながら風味の強い食材は極力使わず、愛用する「サルバーニョ」のエキストラバージンオリーブオイルと共に、野菜をはじめ素材の美味しさを存分に引き出した料理です。そのどれもが強く心に残る味わいです。
▲目黒駅にほど近い CANOVIANO CAFE
お店は目黒駅から徒歩7分ほど。ドレメ通りにあるカトリック目黒教会向かいの路地を入ると、ホテル雅叙園東京に続くアルコスクエアの玄関先です。
▲大きな窓の外には豊かな緑が広がり、奥はバーになっています
CANOVIANO といえば冷製カペッリーニ
「CANOVIANO」といえば、まず初めにアミューズとしていただきたいのが、植竹シェフ、30年来のシグネチャーメニュー「縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」です。北海道産の縞海老とイタリア・サルディーニャ島のボッタルガ(カラスミ)をトッピング。旬のフルーツトマトとエクストラバージンオリーブオイルを合わせたフワリと軽やかなソースは、トマトの旨味たっぷり。縞海老の甘味とカラスミの塩味、トマトの酸味が奏でるハーモニーは、、忘れられない美味しさです。
▲「縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」
手軽な価格で飲めるイタリアワインもそろいます。特に自然派イタリアンというスタイルに合わせ、有機農法のワインにこだわります。ヒヨコの鳴き声 “Pio” と “Bio(=有機農法)” を掛け合わせたひよこのラベルが可愛らしい「ビオ・ビオ シャルドネ」は、フルーティな辛口で、冷製カペッリーニにピッタリでした。
▲有機農法の葡萄で造られた「ビオ・ビオ シャルドネ」
ミリ単位でスライスされ、すりたてが運ばれる生ハムもおすすめのひとつ。産地はその時々で変わりますが、この日は左からフランス産生ハム、中央がイタリアンサラミ、右がボローニャの伝統的なソーセージのモルタデッラ(ボローニャソーセージ)。どれも24か月熟成で、ワインのおつまみにピッタリ。フワリととろける舌触りが堪りません。
▲植竹隆政シェフイチ押し「すりたてハム盛り合わせ」
素材の美味しさに感動する数々のメニュー
今回いただいたのは旬を迎えた春のメニュー。野菜や魚など、その時々でもっとも美味しい食材を厳選。素材の美味しさを引き出した料理は、季節を変えて試したくなる美味しさです。
旬の魚と野菜を合わせたカルパッチョも、季節を感じる一品。春獲れの桜マスは塩でさっとマリネ。スナップエンドウや春の蕪、食感が豊かな紅くるり大根などを、レモンと塩とオリーブオイルのドレッシングでシンプルに味わいます。
▲「桜マスのカルパッチョ 春野菜のサラダ仕立て」 ※通常魚介は野菜の下にありますが、撮影用に上に盛り付けています。
ガラスのドームを被せた「カプレーゼ」は、水牛のモッツアレラチーズとチェリートマトなどをレモンドレッシングで軽くあえ、バジルをスプレーして運ばれます。テーブルでドームを開けるとふわりと広がるバジルの清涼感。柔らかなチーズに、旨味と歯ごたえのあるフレッシュ野菜がアクセントです。
▲香りを愉しむ「チェリートマトと水牛モッツアレラチーズのカプレーゼ」
こちらも春の味、駿河湾で水揚げされた桜海老のパスタです。淡路島産のパスタには、春キャベツや菜の花、同じ淡路島産の新玉ねぎなど春野菜を使い、桜海老はサッとソテーしてトッピング。よく混ぜていただくと、桜海老から香ばしい香りが立ち昇り、オイルベースのアサリの出汁や新玉ねぎの甘味、菜の花の爽やかな苦味がモチモチのパスタと絡みます。
ワインは世界三大スパークリングワインのひとつ “プロセッコ” のロゼ「ジェイオ プロセッコ・ロゼ・ブリュット」。繊細な野菜の味とともに、キリっとしたスパークリングを楽しみました。
▲春の味覚「駿河湾産桜エビと淡路玉ねぎの生パスタ」
肉の出汁で下茹でした牛タンを、鉄板で焼き上げて香ばしさをプラス。甘味があって風味が際立つソテーした「九条ネギ」を盛りつけて、たっぷりのパルメジャーノレッジャーノで仕上げます。牛タンの旨味や、ひとクセ美味しい九条ネギ、チーズの豊かなコクと香りなど、それぞれの素材がそれぞれの味を楽しませてくれました。
▲素材の味を満喫「牛タンボリートの鉄板焼き」
牛タンに合わせて、赤ワインは先のシャルドネと同じ「ビオ・ビオ」のメルロー100%。味わい豊かな料理に似合う、飲み心地のいい赤ワインです。
▲ミディアムボディの「ビオ・ビオ メルロー」
各種デザートがそろいます
凝ったデザートが用意された中から、クレープとコーヒーゼリーをいただきました。
カカオたっぷりのクレープには、バニラジェラートがトッピングされ、ブルーベリーがコロコロ入った甘酸っぱいソースがかかります。
▲「カカオのクレープ バニラジェラートと温めたベリーソース」
コーヒーゼリーの下にはプリンが隠れ、コーヒーのさっぱりした苦みとプリンの甘さのマリアージュ。食後の口直しにもぴったりでした。
▲「カスタードプリンとコーヒーゼリーのロワイヤル」
▲アートがキレイな「カフェラテ」も
ナチュラルでシンプルな味つけと、ふんだんに味わえる野菜の美味しさ。素材の風味を楽しむために訪ねたいレストランです。ディナーはもちろんランチも用意。あなたがまだ知らないイタリアンを、ぜひ味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:CANOVIANO CAFE https://www.hotelgajoen-tokyo.com/restaurant/shop/canovianocafe>