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【生理痛になりやすい人】 経血量が関係している⁉ 生理の期間や量をチェックして自分の体質を知ろう

  • 2024.5.13
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生理中なら多少の痛みがあるのは当然だから、ガマンガマン……と、無理して過ごしていませんか? 実は生理痛があるのは、健康な状態ではありません。自分の体の声に耳を傾け、子宮をいたわる暮らしを始めてみましょう。

生理痛について教えてくれたのは……

駒形依子先生

こまがた医院院長。東京女子医科大学を卒業後、山形県米沢市で婦人科・漢方内科として開業。『自律神経を逆手にとって、子宮を元気にする本』(PHP研究所)ほか、著書多数。

生理痛が起こるのは、経血量が多いことが原因!

「本来、生理痛はないのが当たり前なこと。正常な経血(生理のときに出る血液)の量は5〜7日の生理期間中のトータルで、20〜140mLで昼用ナプキン2〜3枚程度と、ごく少ないこと。この2つは、あまり知られていません」と、駒形先生。

生理痛とは、生理の出血時に子宮が収縮するときに起こる痛み。なぜ子宮が収縮するのかというと、子宮内膜がはがれた組織から出血が続くのを止めるため。注射のあとを圧迫して血を止めるのと同じ原理です。出血の量が多いほど、子宮は収縮する回数や強度を高めて圧迫により止血しようとし、痛みが増します。つまり、量が多いほど痛みが強く出るのです。では、どうすれば経血量が適正になり、生理痛が解消するのでしょう。

「子宮内の酵素のはたらきがよくなれば、子宮内膜はゆっくりはがれ痛まなくなります。酵素のはたらきをよくするには、冷えをとること。骨盤や腟まわりの筋肉を鍛えたり、便秘を解消することが有効です。また、経血が多いと体が水分不足になるので、失われた水分を補うことも忘れずに」

【こんな人は要注意】 生理痛になりやすいかどうかチェック!

☑ 生理痛がある
なかを締めつけるような痛みがあり、痛み止めの内服が必要なことが多い

☑ 経血(生理中に出る血液)の量が多い
2、3日目は昼でも夜用ナプキンが欠かせず、1、2時間ごとに交換しないと不安。

☑ 生理の出血が1週間以上続くことがある

☑ 生理が来ない月がある

☑ 生理前になるとイライラしたり鬱っぽくなって、まわりに迷惑をかけてしまう

教えて! 生理痛の要因は?

生理中に活動してしまう
子宮はおなかのなかで固定されているわけではなく、体が動くと子宮も一緒に動いています。生理は出血している状態なので、子宮も安静が必要。忙しく動き回ったり運動したりすると、妊娠中におなかが苦しくなるのと同様、子宮に張りが出て痛みにつながります。

子宮内膜症などの異常がある
子宮内膜の組織が、子宮以外の場所にできるのが子宮内膜症。おもに腹膜や卵巣にできますが、それらが生理周期に合わせて増殖や出血を繰り返し、重い生理痛を起こしたり、不妊につながる場合もあります。生理痛を訴える人の25%は子宮内膜症というデータも。

経血の量が多い
本来、子宮内膜がはがれるときは酵素が働いて、ゆっくり組織を分解しながらはがれるので、出血の量は多くありません。しかし、その工程がうまくいかないと、出血量が増えます。出血が増えるとそれを止めようとして、子宮が強く収縮し、生理痛がひどくなります。

冷えや自律神経の不調
体、特に手足が冷えていると子宮も冷えてしまいます。冷えると子宮内膜をはがす酵素の働きが悪くなって、過多月経や生理痛を起こす原因に。自律神経の乱れは冷えにつながると同時に、卵巣に影響が出て、排卵がうまくいかず、生理不順や不正出血の原因になります。

illustration:Naomi Mori text:Ema Tanaka

リンネル2024年5月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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