1. トップ
  2. 恋愛
  3. 松本まりかさん「相手に依存する恋愛なら、自身と向き合うほうがいい」

松本まりかさん「相手に依存する恋愛なら、自身と向き合うほうがいい」

  • 2024.5.12

松本まりかさんが放送中のドラマ『ミス・ターゲット』で、結婚詐欺師としてGP帯・連続ドラマの初主演を務めています。2018年にドラマ『ホリデイ・ラブ』で「あざと可愛い」女性を演じて一躍注目を浴び、その後も仕事へのストイックな姿勢を貫く彼女。今回、幸せな結婚を巡って奮闘する女性を演じることで、自身の30代をふり返り、「恋愛より仕事」だった日々とその理由について語ってくれました。

恋愛とはご褒美みたいなもの

――『ミス・ターゲット』は婚活や結婚がテーマの作品です。松本さんにとっては、どんな人が運命の人なのでしょうか?

松本まりか(以下、松本): キャッチボールが自然で、否応なしに惹かれていってしまうというか……。頭で考えずとも気づいたら好きになっている。それから、生活に対する価値観かな。たとえば食べるものやファッションもそうかもしれないけど、一緒に生活していける価値観がフィットしているような。それぐらいまで揃っていたら、運命って思っちゃいます。

「素敵だな」と思うのは、自分だけじゃなくてみんなから愛されている人。みんなに愛されているっていうのは同時に、その人自身もみんなに愛を与えている、心を開いているっていうことだから。そういう方と一緒にいれたら、もっと幸せになれるんだろうなぁと。

朝日新聞telling,(テリング)

――お仕事が忙しく充実されているからこそ、そこまでの方じゃないと松本さんの人生に入り込んでいく余地がないのかもしれないですね。

松本: どうなんでしょうね。確かに私は、恋愛より仕事と思って取り組んできました。恋愛は自分にとってご褒美みたいなもので、まだ与えられたらいけないと自制していた時期もあります。ずっと、自分がすごく欲しいものがある時、なにかひとつ大きなものを断つことでその欲しいものに近づくことができるという考え方をしてきたんです。

――欲しいものが手に入るまで恋愛はおあずけ、と。

松本: はい。逆に言うと私にとって恋愛というのはそれぐらい、すごく素敵で幸せなものなんです。そんな素敵なものを断つからこそ、ひとつひとつの出会いや周りの人の大切さを感じられるし、恋愛するということ、両思いになるということがどれだけ尊いことかというのも、ひとりでいる時間の中で実感できるんですよね。それに、そんなマインドの中でできる恋愛ってたぶん、少数精鋭というか、きっと深い充実が得られると思うんです。

朝日新聞telling,(テリング)

自分を尊敬できるような30代を生きたい

――なかなか自分の思うような相手に巡り合えず、ひとりでいることを選択する人もいますよね。そんな中、どうしても寂しさと向き合わなくてはならず、つらいということも多いと思うのですが。

松本: 私はそれでも、寂しさと向き合うほうを取ります。甘えたいなとか、誰でもいいからそばにいてほしいとか……そんなふうに思っても、ぐっとこらえます。そうすることでもっと良い場所に行けるし、もっと素晴らしいものを手に入れることができると私は思っているから。恋愛って時に、相手に甘えてしまったり、依存したりしてしまうもの。でも、そうなりたくないんです。ちゃんと自立していたい。

朝日新聞telling,(テリング)

弱っている自分に寄ってくる人よりも、本当に自立できて、ちゃんとひとりでも立てているんだと思えるぐらいまで成長した時に出会う人って、きっとすごく素敵な人なはずで、素敵な関係になれる。その自信を持てるまでは恋愛しないと思ってきました。

――そう決めたのは、いつごろからですか?

松本: 20代後半くらいからですかね。その頃、経済的にも精神的にも自立できていないのではないかと感じて。「ひとりでも生きていける強さを持ちたい、自分で自分を尊敬できる30代を生きたい」と考えるようになりました。

ドラマ「ミス・ターゲット」から ©︎ABCテレビ

歳を重ねてからの恋愛には、強さが必要

――現在39歳でいらっしゃいますが、この先40代に向けてどんなふうに年齢を重ねていきたいですか?

松本: 経済的自立と精神的自立のふたつをしっかりと確立できるようでありたいと思っています。今の私にとっては、自分ひとりで生きて、自分ひとりで死んでいけるって思える精神力を持つことがいちばん必要だと思っていて。
それにその先で誰かと出会えたとしても、その人は絶対にいつかお別れする人になりますよね。

朝日新聞telling,(テリング)

――お別れする人、ですか?

松本: だって、亡くなる日が一緒ということはないから。愛し合えたとしても、その先はかわらない。もちろんお互い他に好きな人ができるかもしれないですし。だから年齢を重ねてからの恋愛は、強さを持っていないと耐えられないと思っています。

私、若い女性ってある種無敵だと思うんです。でも自分が若い頃も、「こんな無敵な状態は今だけだ」とどこか自覚もしていました。内面を充実させられる人にならなくちゃってどこかでずっと思っていました。年齢を重ねてから強い精神力を持っていないときっときついだろうから、誰にも依存せず生きていけるようでありたい。それは、パートナーに対しても、子どもに対してもそうで。家族でも依存したくない、相手を「自分のもの」にはしない。ひとりでも自分の人生を豊かにできる人こそ、大切な人と良好な人間を築いていけるんじゃないかと思います。

私はずっと甘ったれだったから、こう考えるようになるまでにすごく時間がかかったけど、少しずつ、目標としている自立に近づいている気がします。

スタイリスト:コギソマナ(io) ヘアメイク:千吉良恵子(cheek one)

■田中 春香のプロフィール
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。

■品田裕美のプロフィール
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。

元記事で読む
の記事をもっとみる