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「老後は不安だけど投資は怖い」人向けのコミックエッセーが話題──原案・監修の横川楓氏インタビュー

  • 2024.5.11
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新NISAが始まり、投資や資産運用の必要性を説く人が増え、「将来のために投資を始めなきゃいけない」と焦っている人は少なくないだろう。

しかし、これまで投資や運用はおろか、お金の管理や計画、ファイナンシャルプランニングに縁遠かった人が、いきなり株式投資や資産運用を迫られても、一歩を踏み出せないものだ。だからといって、このまま将来のために何もしないと、老後に困るかもしれない……。

そんな堂々めぐりをして、モヤモヤしている人たちに向けて、いきなり株や投資へのチャレンジではなく、「お金の漠然とした不安に向き合うこと」「自分の身の回りのお金を整理して、見直すこと」を勧めるコミックエッセー『お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!』(オーバーラップ、紙版は1430円=税込み=)が刊行された。

監修と執筆を務めたのは、やさしいお金の専門家/金融・経済アナリストとして活動、一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事を務める横川氏だ(原案も)。イラストレーター・漫画家のシロシオ氏が親しみやすいタッチで漫画化、登場する4人の女性たちが、マネーの妖精・メープルさんにお金の基本を教えてもらうことで、モヤモヤ解消に向けて小さな一歩を踏み出す物語だ。

登場する4人は、行き当たりばったりだったり、新しいものが怖くてデジタル管理を敵視していたり、投資に悪いイメージを持っていたりと、多くの投資・マネー初心者なら思い当たりそうな人物像で、親近感を覚える人は多いはずだ。そんな本書を狙いや読みどころについて、横川氏に訊いた。

●横川楓(よこかわ・かえで)やさしいお金の専門家/金融・経済アナリスト

一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学。24歳でMBA(経営学修士)を取得。「お金のことを誰よりも等身大の目線で分かりやすく」をモットーに、特に若い世代のマネーリテラシーの普及活動をしている。マネー系のメディアだけでなく、幼稚園児向けの雑誌や、ファッションメディアなど活動範囲は幅広い。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)がある。TV・ラジオなどのメディア出演も多数。

■2年かけて制作、「お金の本は読みたくない」という人にこそ読んで欲しい

──まず、出版の経緯について教えてください。また制作にはどれくらいかかったのでしょうか?

横川(以下略) もともとは出版社(オーバーラップ)の方からお声がけいただいたことがきっかけです。コミックエッセイというとても読みやすい・分かりやすい形式でお金のことを伝えられるのはとても魅力的だと思い、お引き受けしました。

制作期間は2年くらいで、漫画の部分についてはほとんど自分でプロットを書き、漫画家のシロシオさんにお渡しして、漫画にしてもらいました。途中にある情報のページについては、編集者さんと一緒に考えて作りました。

──途中の情報ページというのは、エピソードの間の解説部分「子どもの教育費にどれくらい必要?」「見直すべき固定費はこれだー!」「キャッシュレス決済の『ポイント』」などですね。このページも図や表が効果的に使ってあって分かりやすかったです。今回、登場人物を設定する上でこだわったところはどこですか?

4人の女性が抱えている悩みが、それぞれリアルであるところがこだわりポイントになっています。お金についてどんぶり勘定であったり、キャッシュレスに慣れていなかったり、投資についてあまりいい印象を持っていなかったり、お金がなく未来になかなか希望が持てなかったり……等身大の悩みに寄り添えたらと思っています。

──一番大変だったところはどこですか?漫画家さん、編集者さんと議論を一番重ねたのはどこですか?

一番大変だったのは、漫画のプロットを執筆することです。以前漫画のプロットは書いたことがあったのですが、今回は執筆期間が長くなかったのと、自分なりに各登場人物のリアルな心境に入り込むまで時間がかかりました。 また、情報ページにどういったことを載せるかは何度もやりとりをした部分です。

──具体的にはどんな人に読んでもらいたいですか?

登場人物は4人とも女性ですが、どの登場人物の悩みも、男女問わず関係のある内容になっていると思います。漫画がメインということもありとても分かりやすいと思いますし、お金のことや投資のことというだけで苦手意識があったり、お金のことあまり知らないけど一歩踏み出したい!と少しでも思っている方にぴったりだと思います。

──たしかに、本書は広告でも「お金の本」というだけで拒否反応が出ちゃう人に読んでほしい!とありますね。実際に出版しての反響や感想には、どんなものがありましたか?

お金の知識の本ではありますが、とにかく読みやすい、分かりやすいと言っていただけます。また、登場人物のうち一人について、「私も〇〇と同じです!」といったように、自分と重ねて感想をくれる方もいらっしゃいました。

そういうふうに自分事としてリアルに感じられるというのが、コミックエッセイの良さなんだと改めて思いました。

──横川さんの今後の活動やについても予定があれば教えてください。

ほかにも、漫画に携わらせていただく(原案協力:『三億円高校生』コミックDAYS)のですが、“お金の知識”を“お金の知識としてだけで”伝えるのではなく、いろいろな方法でお金について考えてもらうきっかけを作りたいと思っています。

最近ではNISAもとても話題ですが、まだまだ投資って何?という方がたくさんいるのも事実です。もっとエンタメ要素を取り入れながら、楽しく分かりやすく、でもお金と向き合っていけるそんな機会を増やしていきたいです。

編集/構成・dメニューマネー編集部

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