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「息子に会うのだって、何年ぶりかしら」義母のひと言で夫の不倫が発覚…帰省中に起きた修羅場の結末

  • 2024.5.11

帰省をきっかけに夫婦間トラブルが起きることは少なくない。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「ゴールデンウィークや年末年始の後は、夫の実家に帰省した妻たちの不満が炸裂するケースが目立つ。帰省時、夫は妻のケアに努めたほうがいい」という――。

椅子に座って話している2人の女性
※写真はイメージです
帰省をきっかけにイライラが爆発

毎年ゴールデンウィークの時期が過ぎると、夫婦間トラブルの相談が増える傾向がある。年末年始と同様、夫婦どちらかの実家に帰省する際にパートナーや義親へのイライラが爆発する、というのがその理由の大半を占めている。

なかでもとくに多いのは「夫の実家に帰省した妻たち」の不満が炸裂するケースだ。たとえば、こんなことがある。

【CASE1】義母にイヤミを言われる妻をフォローしない夫

「結婚当初から夫の実家に帰省するたびに義母からイヤミを言われてイヤな思いをしていました。いまだに許せないのは、義母よりも、私をフォローしようとしない夫のほうなんです」とN美さん(36歳)は憤る。N美さんは4年前、5歳年下の夫と「授かり婚」をした。

「そもそも義母は、自分の息子が彼より5歳年上の私と結婚することに反対だったようです。結婚の挨拶をしに、はじめて夫の実家に行ったとき『せっかく大学院まで行って社会人としてもこれからというときに、いきなり子どもができたから結婚するなんて言われても、正直な話、ガッカリするに決まっているじゃないの』と言われたことはいまだにハッキリと覚えています。思い返せば、そのときの夫も母親に言い返そうとはせず、ただ笑っているだけでした」

「田舎の年寄りにサンドイッチは間違っている」と夫

N美さんが夫の実家に帰省するのは、年末年始とゴールデンウィーク、夏休みの年3回。帰省中は毎日のように義母からのイヤミが続き、そのたびに憂鬱な気持ちになるというN美さん。「『たまにはN美さんがお昼ご飯を用意してちょうだいよ』という義母のリクエストにしたがってサンドイッチをつくったところ『あら、ご飯をお願いしたのにパンが出てきたわ。ごめんなさいね、ウチは主人も私もパンは苦手なのよ』と、まさかのつくり直しを命じられたんです」。

N美さんがさらに驚いたのは、その顚末てんまつを報告したときの夫の反応だったといいます。「夫は、自分の母親のワガママを詫びたり、私の労をねぎらったりすることは一切せず、むしろ『田舎の年寄りにサンドイッチを食べさせようとするほうが間違っているんじゃない?』と私を批判したんです。結婚以来、夫は一度たりとも私の味方についてくれません。もうこの人には何を話しても理解してもらえないのだろうな、と心から失望しています」。

「地元の友だちとパチンコに行ってくる」と出かける夫
【CASE2】自分の実家に妻を置き去りにする夫

「コロナ禍をきっかけに、夫の実家に帰るのはやめました」と話すR子さん(41歳)も、帰省中の夫に憤る妻のひとりだ。R子さんは同じ年の夫と6年前に結婚し、子どもはいない。結婚以来、年末年始はR子さんの実家、ゴールデンウィークは夫の実家にそれぞれ帰省することが慣例になっていた。

R子さんが夫を腹立たしく思う理由は、実家での夫の態度だという。「実家に帰っても、夫は私を置き去りにして出かけてしまうことがほとんど。帰省するたびに同窓会に参加するのは仕方ないとしても、『地元の友だちとのパチンコに行ってくる』『高校のときの友だちが開いた居酒屋に顔を出してくる』などと理由をつけて出かけては朝帰りの日々。義両親も『1年に1度なのだから、羽を伸ばさせてやってもいいんじゃない』と、40を過ぎた息子に対してあきれるほど寛容なんです」。

R子さんは義両親とは不仲ではないものの、かといって1日中一緒に過ごせるほど親密でもないとのこと。「日用品や食料品の買い物に付き合ったり、テレビを観ながらおしゃべりしたりするのも、せいぜい2日間が限界。3日目以降は、『早く自宅に戻りたい』という気持ちになります」。

悲しみの中の女性
※写真はイメージです
コロナ禍をきっかけにお互いが単身で帰省するように

R子さんは何度も夫にそのことを伝え、なるべく実家にいてもらうようにお願いし続けたという。「夫の返事は決まっていて、『本来、お前の実家に帰るのだってオレにとっては苦痛でしかない。貴重な年末年始の休みを犠牲にしている分、ゴールデンウィークくらいオレの好きにさせてほしい』という一点張りでした」。

だからこそコロナ禍はR子さんにとっては夫の実家への帰省を断るには好都合だった。「『高齢のご両親に迷惑をかけるようなことになっては申し訳ない』を免罪符にして、お互いが単身で帰省することにしました。そのおかげで今は帰省のストレスがゼロになりました。もう二度と夫と一緒に帰省することはないと思います」。

じつは帰省していなかった夫
【CASE3】帰省中に不倫が発覚し離婚を切り出した夫

「まさか帰省のタイミングで夫の不倫に気がつくとは夢にも思っていませんでした」というT奈さん(42歳)は、2歳年上の夫とは結婚10年目、小学生の子どもがいる。「夫の実家は遠方にあり、3人で移動すると交通費がかさむことからも、いつも実家へは夫ひとりで帰省することになっていました。でも今年は、子どもの入学祝いをもらったお礼もかねて、久しぶりに孫の顔を見せようと、3人で夫の実家に帰省することを私から夫に提案したんです」。

ところがT奈さんの帰省の提案に対し、夫は困惑気味だったとのこと。「予想外の私からの提案に、夫がギョッとするのがわかりました。さらに『お礼ならスマホのビデオ通話とかでもいいんじゃないかな。T奈にも負担をかけるし、わざわざ一緒に帰ることはないよ』とやんわり拒んできたんです」。

「これは何かあるな」と妻の直感が働いた、というT奈さん。帰省の同行に消極的な夫をよそに、家族3人で夫の実家を訪れたその日、夫の不倫が発覚した。「開口一番、義両親から『本当にお久しぶりね。息子に会うのだって、何年ぶりかしら』と言われました。じつは、ひとりで帰省するといって4~5日自宅を空けていた夫は、もう何年も実家に帰っていなかったんです」。

男女の後ろ姿
※写真はイメージです
帰省を口実に不倫相手と旅行をしていた

その晩、T奈さんが夫を問い詰めたところ、4年前から不倫を続けていて帰省を口実に不倫相手と旅行をしていたことが発覚。「はじめは軽い気持ちだったが、親しくなるにつけ不倫相手のことを本気で好きになってしまった。こうなることは時間の問題だったのかもしれない。本当に申し訳ないが、別れてほしい」と夫から離婚を切り出されてしまったのだった。

「夫の実家で夫婦の修羅場を迎えることになるとは、思いもよらないことでした。義両親もまじえて話し合いをした結果、『子どももいるし、不倫相手とは別れてもう一度やり直そう』という結論にはいたったものの、私は釈然としないまま今にいたります。『不倫相手とは別れた』という夫が、自宅にいても“心ここにあらず”な様子でいるのを見ていると、離婚の選択をしなかったことが正解だったのかわからなくなります」

帰省中は妻のケアに務めることが鉄則

帰省中に不倫が発覚したケースについては言うまでもない。不倫をすること自体、帰省中であろうとなかろうとパートナーや家族を深く傷つけることになる。立てられる対策はないということだ。

夫が肝に銘じておきたいことはただひとつ。夫の実家に帰省した妻が不機嫌にならないために、「妻を徹底的にフォローする」ということだ。「義両親より妻の肩を持つ」「自分のやりたいことより妻の感情を優先させる」といった、妻のケアに努めることが夫婦関係を危機にさらさないための鉄則だからだ。

それは、妻の機嫌をとることが目的ではない。帰省というイベントが終わり、日常生活に戻ってきたときに快適な毎日を送るため、つまり夫は自分の心の安寧のために必要なことだと考えるべきだろう。

岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。

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