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“韓国の視点”で見るACL決勝 横浜FMナム・テヒとアル・アインMFの「コリアン・ダービー」に注目!

  • 2024.5.10

横浜F・マリノスとアル・アインによるACL決勝で「コリアン・ダービー」が実現する。

5月11日、横浜国際総合競技場では横浜FM対アル・アインのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦が行われる。

準決勝で蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)とPK戦までもつれる死闘を制し、クラブ初のアジア制覇まであと一歩に迫った横浜FM。対するアル・アインも2021年ACL王者アル・ヒラルを破り、2016年以来7大会ぶりの決勝進出を果たした。

そんなファイナリストの両クラブには、横浜FMにMFナム・テヒ(32)、アル・アインにMFパク・ヨンウ(30)とそれぞれ韓国人選手が在籍している。

ナム・テヒは昨年夏にアル・ドゥハイルを退団して横浜FMに完全移籍。パク・ヨンウも同年夏、蔚山からアル・アインへと移籍した。

ナム・テヒは準決勝第2戦で、ユース時代を過ごした“古巣”蔚山相手に2アシストの活躍を披露。パク・ヨンウもグループステージ2試合欠場を除き、準決勝まで10試合フル出場を果たすなど、いずれもチームのファイナル行きに貢献した。

ナム・テヒ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ナム・テヒ
パク・ヨンウ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)パク・ヨンウ(写真は蔚山時代)
ACL決勝で実現する「コリアン・ダービー」

ともに母国のKリーグクラブではなく、他国クラブの一員として決勝の舞台に立つナム・テヒとパク・ヨンウ。

実は、Kリーグ勢以外の他国クラブに所属する韓国人選手同士がACL決勝で対戦するのが今回で2度目だということをご存じだろうか。

上記のケースが初めて実現したのは2015年大会。

当時は東地区から中国の広州恒大(現・広州FC)、西地区からUAEのアル・アハリが決勝に進出したが、広州にはDFキム・ヨングォン(34、現・蔚山HD FC)、アル・アハリにはDFクォン・ギョンウォン(32、現・水原FC)と、後にガンバ大阪でもプレーする韓国代表の左利きCBが両クラブに在籍していた。

キム・ヨングォン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・ヨングォン
クォン・ギョンウォン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)クォン・ギョンウォン

韓国メディアからは「コリアン・ダービー」とも称された同大会決勝は、アル・アハリ・ホームの第1戦ではキム・ヨングォンが欠場するも、広州ホームの第2戦では2人とも先発フル出場し、韓国人選手対決が実現。

結果はキム・ヨングォン擁する広州が2戦合計スコア1-0で制し、クラブ史上2度目の優勝を果たした。

なお、アジアサッカー連盟(AFC)が発表した大会ベストイレブン「ACL2015ドリームチーム」では、キム・ヨングォンとクォン・ギョンウォンがともに選出され、CBコンビを組んでいた。

それから8大会ぶりに、今度はナム・テヒとパク・ヨンウがACL決勝の舞台に立つことになった。まずは横浜FMホームでの第1戦となるが、2度目の「コリアン・ダービー」を制してアジア王者に輝くのは一体どちらだろうか。

番外編:ACL決勝と韓国人選手の「関わり」

現行方式となった2002-2003シーズン以降、前回(2022年)まで行われたACLの20大会において、Kリーグ勢が決勝に進出したケースは10大会。

そのほかの10大会のうち、Kリーグ勢が決勝まで残らず、他国クラブ所属の韓国人選手が決勝を戦ったケースは5大会ある。

キム・ヨングォンとクォン・ギョンウォンが戦った前述の2015年のほか、2014年には元京都サンガF.C.のDFカク・テヒ(42)がアル・ヒラル所属で決勝を経験。

カク・テヒ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)カク・テヒ

2018年には、GKクォン・スンテ(39、現・鹿島GKアシスタントコーチ)とDFチョン・スンヒョン(30、現アル・ワスル)が鹿島アントラーズのACL初制覇に貢献した。

クォン・スンテ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)クォン・スンテ
チョン・スンヒョン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)チョン・スンヒョン

直近では、元FC東京のDFチャン・ヒョンス(32、現アル・ガラファ)がアル・ヒラルの一員として2019年と2022年の決勝で浦和と対戦した。ちなみに、2021年も浦項(ポハン)スティーラーズとの決勝を戦っている。

チョン・スンヒョン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)チャン・ヒョンス

逆に、現行ACLでファイナリスト両クラブに韓国人選手が在籍していなかったケースは5大会。2002-2003(アル・アイン優勝)、2005年(アル・イテハド優勝)、2007年(浦和優勝)、2008年(ガンバ大阪優勝)、2017年(浦和優勝)がそれだ。

ただ、2013~2022年の直近10大会で見ると、浦和が優勝した2017年以外の9大会で、Kリーグ勢が決勝に進むか、ファイナリストのクラブに韓国人選手が在籍していた。

ACL優勝トロフィー
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ACL優勝トロフィー

以下、現行ACL(2002-2003以降)のファイナリストと、Kリーグ勢以外の他クラブに在籍した韓国人選手。

2002-2003:アル・アイン(UAE)、BECテロ・サーサナ(タイ)

2004年:城南一和天馬(韓国)、アル・イテハド(サウジアラビア)

2005年:アル・イテハド(サウジアラビア)、アル・アイン(UAE)

2006年:全北現代モータース(韓国)、アル・カラーマ(シリア)

2007年:浦和レッズ(日本)、セパハン(イラン)

2008年:ガンバ大阪(日本)、アデレード・ユナイテッド(オーストラリア)

2009年:浦項スティーラーズ(韓国)、アル・イテハド(サウジアラビア)

2010年:城南一和天馬(韓国)、ゾブ・アハン(イラン)

2011年:全北現代モータース(韓国)、アル・サッド(カタール/イ・ジョンス)

2012年:蔚山現代(韓国)、アル・アハリ(サウジアラビア)

2013年:広州恒大(中国/キム・ヨングォン)、FCソウル(韓国)

2014年:ウェスタン・シドニー(オーストラリア)、アル・ヒラル(サウジアラビア/カク・テヒ)

2015年:広州恒大(中国/キム・ヨングォン)、アル・アハリ(UAE/クォン・ギョンウォン)

2016年:全北現代モータース(韓国)、アル・アイン(UAE/イ・ミョンジュ)

2017年:浦和レッズ(日本)、アル・ヒラル(サウジアラビア)

2018年:鹿島アントラーズ(日本/クォン・スンテ、チョン・スンヒョン)、ペルセポリス(イラン)

2019年:浦和レッズ(日本)、アル・ヒラル(サウジアラビア/チャン・ヒョンス)

2020年:蔚山現代(韓国)、ペルセポリス(イラン)

2021年:浦項スティーラーズ(韓国)、アル・ヒラル(サウジアラビア/チャン・ヒョンス)

2022年:浦和レッズ(日本)、アル・ヒラル(サウジアラビア/チャン・ヒョンス)

2023-2024:横浜F・マリノス(日本/ナム・テヒ)、アル・アイン(UAE/パク・ヨンウ)

(文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)

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