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「その肌不調の原因はコスメ選び?」保湿や洗顔の誤解を専門家が解説

  • 2024.5.9
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自己流の組み合わせが悩みの元だった!?

その肌不調、コスメ選びが原因かも!?

教えてくれたのは

トータルビューティアドバイザー

水井真理子さん

美容のプロページはこちら
エステティックの知識をもとに、肌と心に寄り添うケアを提案。的確な肌分析でVOCE世代の美肌づくりを応援する、頼れる専門家。

VOCE世代の自己流コスメ選びで「もったいないケア」が増えている

SNSを中心に、日々多くのコスメ情報に触れているVOCE世代。自己流の組み合わせ方で、実は“残念ケア”になっている可能性が! プロのアドバイスを参考に、一度全体のバランスを見直してみて。

コスメが大好きがゆえに、なんだかコスメ迷子の私

コスメ迷子「これだけコスメがあると、もはやなにが肌に合っているのかわからない……」/イラスト

あるときは全部「毛穴対策」でそろえてみたり……

毛穴対策コスメでそろえる「毛穴よ、消えろ〜!!」/イラスト

またあるときは超高級エイジングケアにハマり……

超高級エイジングケアにハマる/イラスト

最近のブームは、ふきとり+先行美容液+化粧水のトリプル使い!

ふきととって→先行美容液→化粧水は3品重ねる!/イラスト

ただ、この組み合わせでよいのか正直よくわからない

こんなに頑張っているのに肌調子がイマイチなのはなぜ?

頑張っているのに肌調子がイマイチ「あ、先週ポチったコスメがまた届いてしまった」/イラスト

「悩みに効くものならOK」ではなく、全体のバランスを考えましょう

水井さん

基本的にコスメは、どう組み合わせてもOK。ただし、重ね方やお手入れのやり方によっては、バリア機能に影響を与え、かえって美肌を遠ざけてしまうことが。口コミで悩みに効きそうなものをそろえたからといって、美肌になるとは限りません。お手入れ全体で、機能や保湿力の“バランス”を考えつつ、迷ったら、『ライン使い』にしてみて


「コスメ選び」にまつわる15の誤解

みんなの素朴なギモンや思い込みに、プロがアドバイス。“あるある”な誤解を知れば、肌に合ったコスメが選べるように。

素朴なギモン「この組み合わせ、いいのかな〜?」/イラスト

◆保湿の誤解

“保湿するほど肌にいい”とは限らない! バランスのよい選び方、使い方でもっと美肌へ。

【誤解1】化粧水が保湿の要。何度もたっぷりつけるとうるおった肌になれる

化粧水は大切だけど、やりすぎはバリア機能が低下します。ほかのコスメを活かすためにも“腹八分目”で

水井さん

規定量の1.5倍くらいまでを使って、2〜3回の重ねづけはOK。角層が吸い込む量には限界があるし、必要以上の量や回数を重ねると、場合によってはバリア機能がゆらぐ原因に。そのあとの各ステップにも肌に必要な栄養が入っていますから、ここで無理に“満タン”にしないで、腹八分目くらいで次のステップに進むほうがいいですよ。また、化粧水を何種類も重ねづけする必要はなく、基本的には1本で十分なお手入れが可能です


【誤解2】肌悩みに効く名品コスメを何品も重ねるとよい

組み合わせや肌との相性で「高保湿すぎて吹き出物ができる」場合も

水井さん

昨今の高機能な名品の中には、高保湿で油分が多いものがあります。一品で劇的な肌実感があるけれど、VOCE世代にとっては油分が多すぎる場合も。重ねる各コスメの保湿力が高すぎると、自分の皮脂バランスとの相性が悪くなり、吹き出物の原因に。お手入れ全体の保湿力をチェックして、重すぎると感じたら変更や部分使いも検討してみましょう


【誤解3】ちょっとした刺激や赤みは「好転反応」が起きている証

基本的に「好転反応」はないと思って

水井さん

基本的に、コスメに『好転反応』はありません。レチノールなど、一時的にターンオーバーを活性化するタイプのコスメで、多少の刺激や赤みが生じる可能性があるアイテム以外は、『肌刺激=肌に合わない』可能性が高いと考えましょう。赤みやピリつきが続くようなら、すぐに使用をストップして。トラブルが見られたらすぐドクターに相談をしてくださいね


【誤解4】たくさんのコスメを使い分けたほうが美肌になれる

シワケアやブライトニングは、同じものを続けたほうが効果が出やすいですよ

水井さん

肌悩みがあるなど、具体的な目的がある場合は、最低3ヵ月くらいは目的に合ったコスメを継続するほうが、手応えを感じやすいですよ。特に目標や肌トラブルがない人は、肌が強いのであれば毎日いろんなコスメを使ってもよいですが、その場合は“気分”でなんとなく変えるよりも、その日の肌状態に合わせた使い分けをおすすめしています


【誤解5】今使っているスキンケアの効果が全然感じられないならコスメを替えたほうがよい

現在、少しずつ肌が育っている可能性があります。トラブルがなければ3ヵ月くらい使ってジャッジを

水井さん

コスメを切り替えて、1ヵ月以内に“効かない”と判断してしまうのはもったいない! 単に、今現在の実感がないだけで、じわじわと効いている可能性があるんですよ。トラブルがない限りは、肌が育っている状態なので、焦らず継続するのがおすすめ。美容医療のように短期間で劇的変化があるものではないから、気長にお手入れを続けたほうが美肌に近づけますよ!


【誤解6】大人向けコスメを若いうちから使ったほうが老けにくい

一概には言えません。油分が多い「超リッチ系」はVOCE世代には重すぎるケースも

水井さん

予防として、若いときからエイジングケアを行うのはOK。ただ、かなり油分が多いこってり系のコスメを皮脂分泌が盛んなVOCE世代が使うと、ニキビや吹き出物ができることが。食事でたとえるなら、毎日リッチな“うなぎ”を食べるイメージ……。極端な“与えすぎ”を続けると、肌本来の機能に影響が出ることもあるので、重ねた際の保湿力をよく見極めて


高保湿クリームの塗りすぎ/イラスト

【誤解7】「モロモロ」ができるのは、コスメの組み合わせが悪いから

組み合わせだけではなく「なじませ不足」&「慌てて重ねている」ことも原因かも?

水井さん

分子が大きいタイプのヒアルロン酸やコラーゲンが含まれたコスメがモロモロしやすいのは事実。ただ、なじませ不足だったり、スキンケアステップの間隔が短いことも原因のひとつです。丁寧なハンドプレスでよくなじませて。また、すぐに次のステップを重ねると肌の上に残りやすいので、3分程度時間をおくことも大切


垂直にプレスするモデル

肌に対して水平に擦るとモロモロが出やすいから、垂直にプレスするクセをつけよう。

【誤解8】ビタミンCコスメは濃度が高いものをたくさん重ねるほどよい

自己流で重ねすぎると乾燥することがあります

水井さん

毛穴に悩む気持ちはよくわかりますが、皮脂抑制効果があるビタミンCは自己流でむやみに重ねると乾燥しやすくなったり、刺激を感じることが。濃度が高ければ悩みが解消する、というものではないので、重ねたいときは同じブランドのライン使いが安心です


\同ラインでそろえたほうが安心/

オバジC リファインローション
オバジC リファインローション

150ml ¥3850/ロート製薬

2種のビタミンCで毛穴悩みにアプローチ。Cシリーズとの併用で、効果をさらに高める仕様。

オバジ C25 セラム NEO
オバジ C25 セラム NEO

12ml ¥11000/ロート製薬

ピュアビタミンCを25%配合。シリーズ内で5%、10%、20%、25%の4つの濃度から選べる。

【誤解9】ふきとりケア→先行美容液→先行乳液でより浸透力がアップする

目的が同じものを重ねることになるかも。ライン使いがベター

水井さん

アイテムによりますが、ふきとりケアと先行美容液、先行乳液は“角層を柔らかくして浸透をアップさせる”機能を持つものが多数。角層は一定以上は柔らかくなりませんし、やりすぎはかえってバリア機能を損なう可能性があるので、どれか一品で十分です。それでも使いたい場合は、併用を想定して作られている“ライン使い”で取り入れるのがいいでしょう


\同じブランドならOK/

コスメデコルテ AQ アブソリュート エマルジョン マイクロラディアンス
コスメデコルテ AQ アブソリュート エマルジョン マイクロラディアンス

全3種 200ml ¥11000

心の幸福感と美肌との関係に着目した先行タイプの乳液。化粧水の前にコットンで使って理想のツヤ肌へ。

コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム
コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム

50ml ¥12100

美容成分を抱えた超微細カプセルが1滴に1兆個も。洗顔後すぐの使用であとから使うコスメのなじみがアップする先行美容液。

【誤解10】先行乳液は普通の乳液として使ってもOK

NGではないけど先に使ったほうが効果的

水井さん

使う順番を逆にしたからといって、肌にとって悪影響はありません。ただ、先に乳液を使うことで相乗効果が得られるように設計されているから、自己流で順番を変えると、コスメのパフォーマンスを最大限に発揮するのは難しいかも。先行乳液と化粧水を同じブランドでそろえて、規定通りの順番で使うのがベターですね


◆洗いもの&角質ケアの誤解

理想のつるつる肌に「洗いすぎ」はNG! ほどよい洗顔&クレンジング、角質ケアをマスター。

洗顔&クレンジング/イラスト

【誤解11】角質ケア成分は積極的に取り入れるべき

やりすぎ&コスメの隠れた「酸」に気をつけて!

水井さん

最近は角質をはがす“酸”など、ピーリング成分が入っているコスメが増えているので、よく調べないでコスメを組み合わせていると、いつの間にか“角質ケアのやりすぎ”になっていることがあります。ターンオーバーを早めるレチノールも似たような作用があるので、重ねすぎには気をつけて。日々の角質ケアは、スキンケアステップ全体で1品程度で十分です


各アイテムにピーリング成分が入っていると「やりすぎ」状態に!

クレンジング⇒洗顔⇒化粧水⇒美容液⇒乳液

スクラブやクレイなどの物理的な角質ケアはもちろん、グリコール酸、乳酸、サリチル酸……etc.配合の角質除去コスメを重ねすぎると、バリア機能が失われて肌が薄くなる可能性が。

【誤解12】角質はすぐに溜まるから、毎日しっかり取り除いたほうがよい

日々大量には溜まりません。逆に角質を育てるとバリア機能が高まる人もいます

水井さん

ターンオーバーが鈍化しごわつきを感じる人には、正しいサイクルへ戻す角質ケアが有効。ただ、角質は決して悪者ではなく、肌荒れやゆらぎが起こりやすい人にとっては、逆に肌を保護する強い味方という一面もあり、適度に“溜める”と、厚みのある丈夫な肌に。少なくとも、決して毎日たくさん溜まる性質のものではないので、頻繁に取り除く必要はないですよ


【誤解13】洗浄力が強い洗顔&クレンジングは毛穴対策ができる

敏感肌の人などは逆効果になることも。注意が必要です

水井さん

“毛穴の汚れがごっそり取れる!”といったキャッチコピーに惹かれがちですが、汚れやメイクをごっそりと取る強い洗浄成分は、界面活性剤の作用が強く、肌負担となることがあります。汚れと一緒に肌が持つバリア機能まで落とすと肌不調につながってしまうので、洗浄力が強すぎないクレンジングや洗顔で、日々丁寧に落とすのが大人世代の正解ケアです


【誤解14】レチノールを使う前に角質ケアをすると効果がアップする

ターンオーバーを早めすぎて肌不調につながる可能性が

水井さん

レチノールは肌の深いところから作用してターンオーバーを早め、新しい肌への生まれ変わりを促す成分。角質ケアと併用すると、さらにターンオーバーを早めることにつながります。もともと肌が薄い人や荒れやすい人はもっと角層が薄くなってしまうので、基本的に併用は避けて


【誤解15】“毎日使える”酵素洗顔、クレイやスクラブは毎日使ったほうがよい

肌質によりますが、基本は「週1〜2回で十分」

水井さん

“肌質によっては毎日使える”というだけで、角質ケアは毎日行ったほうがいいということではありません。普通肌なら、週1〜2回程度をおすすめしています。むしろ敏感肌の人は角層を厚く育てたほうがよいので、酵素やクレイ、スクラブなどの必要性は低く、朝の洗顔のときに洗顔料を使わない、といったケアのほうが美肌になれる可能性が高まります


撮影/伊藤泰寛 モデル/軍司由稀(VOCEアンバサダー) イラスト/香川尚子 取材・文・構成/佐野桐子

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