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結婚式を執り行うのは神父?牧師?違いや結婚式での役割を解説!

  • 2024.5.9


教会や結婚式場のチャペルでキリスト教式の結婚式を挙げる新郎新婦は、神父や牧師に式を執り行ってもらうことになります。しかし、「誓いの言葉や指輪の交換など式の進行は神父と牧師では異なるの?」「そもそも神父と牧師の違いは何?」などという疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。この記事では、ウエディングプランナーの佐伯エリさんに、神父と牧師の違いや挙式における役割などを教えてもらいました。

神父と牧師の違い



神父と牧師の明確な違いは、宗派です。同じキリスト教ですがカトリック教会の司祭を神父、プロテスタント教会の指導者を牧師といいます。詳しい違いを見てみましょう。

神父とは


カトリック教会では地域ごとに「司教」というイエス・キリストの十二使徒の後継者とされる教会活動の責任者がいます。

「神父」とは、司教の協力者として各教会で宣教活動や信者のお世話をしている「司祭」という聖職者に対する敬称です。キリストの教えを伝え神聖な職務を行う聖職者という立場なので、独身男性でなければならないとされ、「神父様」という呼び方が一般的です。

牧師とは


プロテスタント教会で教会の管理や信者の指導を行う職業の人を「牧師」と呼びます。

聖職者ではなく教職者であり信者の代表的な立場と捉えられているので、結婚も可能ですし女性の牧師も認められています。教職者なので「牧師先生」という呼び方が一般的です。


結婚式を執り行うのは神父?牧師?



神父か牧師か、というのはどこで結婚式を挙げるのかで決まります。カトリック教会で式を挙げるなら神父、プロテスタント教会で式を挙げるなら牧師が執り行います。

一般的なカトリック教会では、新郎新婦のどちらかが信者でなければ結婚式を挙げることができません。信者の場合はいつも通ってお世話になっている教会と神父に依頼するのが自然な流れです。信者でなくても結婚式を挙げられるカトリック教会もありますが、その場合の多くは事前にミサや講習を受けることが条件となっています。

プロテスタント教会の場合は信者でなくても受け入れてくれやすく、ホテルや結婚式場に併設されているチャペルのほとんどはプロテスタントの牧師が執り行っています。結婚式場によっては専属の牧師がいる場合もありますが、近くのプロテスタント教会や宣教団に依頼し、資格を有する牧師や聖歌隊を派遣してもらうことが一般的です。

ちなみに教会とは決められた宗派の礼拝や儀式を行う場所で、チャペルとは一つの宗教にこだわらず礼拝や何かしらのセレモニーを行う場所のことをいいます。そのためチャペルでは、キリスト教だけでなくさまざまな宗教の礼拝やセレモニーを行うことができます。


結婚式における神父・牧師の役割



伝統的なキリスト教式の結婚式を守りつつ、時代や日本ならではのニーズに合わせて確立された現在の挙式スタイル。カトリック教会でもプロテスタント教会でも結婚式で行う儀式は基本的に同じで、神父や牧師が執行します。

各儀式におけるそれぞれの意味や神父と牧師の役割は次の通りです。

賛美歌斉唱


賛美歌は神様にささげるものであり、式の初めと終わりに聖歌隊と参列者で歌います。

聖書朗読


神父や牧師が新約聖書を朗読します。愛について書かれた節『コリント人への手紙』の一部を読むことが多いでしょう。

説教


神父も牧師もキリスト教の教えを伝え広めることが使命なので、結婚式を通して聖書に書かれている神様の愛や教えを説きます。新郎新婦が誓いの言葉を交わす前に、その心構えとなるような話をします。

誓約


キリスト教式の一番重要な部分、愛の誓いです。神父や牧師が新郎新婦に「この先どんなことがあってもこの人を愛し、尊敬し、慰め、助け、生涯を通してその誓約を守ることを誓いますか?」と問います。これに対して新郎新婦が「はい、誓います」と宣言します。

言葉にして誓うことで心に刻むという意味があります。人の心は移ろいやすいから、神様や大切な人たちの前で宣言することが重要なのだそうです。

指輪の交換


諸説ありますが、薬指には心臓に直通する血管があると信じられているので、指輪の交換には「心に一番近い指に永遠に朽ちない金属の輪で封印をし、お互い気持ちが変わらないようにしましょう」という意味があります。

結婚証明書に署名


「神様の前で変わらない愛を誓い約束いたしました」という内容の文書に、新郎新婦が名前を書きます。誓いの言葉を書面に残すことでいつでも見返すことができ、より確かなものとなります。

ベールアップ・ウエディングキス


こちらも諸説ありますが、キリスト教における結婚は、全く別のふたりが神様の導きで巡り合ったという考えではなく、「元々一つだったふたりが生まれ落ちたとき二つに別れたけれども、神様の導きでまた巡り合えた」という考えです。

ベールを上げて口づけを交わすことには、「これでやっと一つの完全なものに戻りました」という意味があります。

結婚成立を宣言


天の神様に聞こえるように神父や牧師が祭壇の一番高いところに上がり、「このふたりは夫婦となりました。神が引き合わせたふたりを人が引き離してはなりません」と、結婚の成立を神様に宣言します。


結婚式の神父・牧師を選ぶことはできるの?



結婚式における神父や牧師の役割は重要なので、どんな人が執り行ってくれるのか気になるところです。

カトリック教会やプロテスタント教会で挙式する場合、教会には専属の神父や牧師がいるので、所属以外の神父や牧師に結婚式だけを依頼することはできません。ホテルや結婚式場のチャペルで挙式する場合は、出張や派遣で牧師に来てもらうことが多いので「こういう牧師を希望します」と式場に相談できる場合もあります。

教会では挙式前に神父や牧師とお話をする機会があります。キリスト教や結婚式の意味を理解した上で、どんな挙式にしたいか相談してみるのもいいでしょう。また、ふたりと話をして、挙式で読み上げる聖書の一説やお説教をふたりに合った内容にしてくれる神父や牧師もいます。

結婚式場のチャペルで挙式する場合でも、事前に牧師との面談が可能なことがあります。挙式のことだけでなく結婚生活に対する不安などがあれば相談してみるのもおすすめです。きっといいアドバイスがもらえるでしょう。


キリスト教式で挙式するなら理解を深めよう!



宗教に携わる神父や牧師に執り行ってもらう結婚式は、神様の前で愛を誓う宗教式です。事前にキリスト教式の挙式の意味や教えをしっかり理解することで、より厳かな気持ちで結婚式を挙げることができるでしょう。

また、「こんな誓いがしたい」「こんな結婚式がしたい」という希望があるなら、早い段階で教会や結婚式場に相談するのがおすすめです。


取材・文/仲西なほ子


【監修】
佐伯エリさん
ウエディングプランナー。15年間ゲストハウス、独立教会、レストラン、結婚式場にてウエディングプランナーや支配人として勤務後、フリーウエディングプランナーとして独立。現在はウエディングプランナーと並行して、ブライダル関連企業にて人材育成コンサルティングのほかブランドプロデュースや商品開発、撮影のアートディレクション、イベントやショー、ライブステージの演出なども手掛けている。
公式サイト:https://www.erisaekiwedding.com/






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