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【女子旅 台湾】 台北から約1時間半で行ける「大渓」で過ごすゆったりショートトリップ:エッセイスト柳沢小実さんの台湾旅行記 第2話

  • 2024.5.9

リンネルの創刊から誌面を一緒に盛り上げてくれている、エッセイストの柳沢小実さん。旅行がライフワークで、旅に関する著書も多い小実さんが、久しぶりに台湾へ行ってきました。今回は、台北から少し足を延ばして行ける郊外の旅について綴っていただきました。

【柳沢小実さん】
エッセイスト。リンネルの創刊当時より、インテリア、丁寧な暮らし方、旅について、多数取材。暮らしや旅についての著書は30冊以上。最新刊『わたしのごほうび時間 大人のゆったり旅』(大和書房)が発売中。

友人たちの地元をめぐる 台北近郊の小さな旅へ

今回はいつも以上に行きたいところややりたいことが膨らんで、行先を絞り込むのに四苦八苦しました。
私的定番スポットは巡りたいし、ここ数年で入れ替わった新しいところも気になる。でも、どうにも時間が足りない。
だったら思いきって方向転換して、のんびりした台湾を味わうために、台北郊外へのショートトリップはどうだろう。
そう思い立って現地の友人たちに声をかけ、ご実家周辺を案内してもらいました。

朝、台北・中山。アートな靴下が人気のファブリック・ラボ「₁₀nE(ex.+10・テンモア)」のメンバー、許芝瑞さんと待ち合わせをしています。
すーっと停まった一台の車は、古着が好きという彼女らしい、ヴィンテージのボルボ。おすすめの店でミルクティーやチョコサンドなどの朝ごはんを買いこみ、車に乗り込む。
台北から南西へ向かう下り車線は渋滞知らずで、「最近どう?」「こんなものが面白いよ」などと喋っているうちに、1時間ほどで大渓という街へ到着しました。
 

桃園市大渓とは?

桃園市大渓は、台北から電車+バスで約1.5時間のベッドタウン。渓という字からもわかるように「川」の街で、昔は船が行き来して台北・龍山寺や迪化街、淡水へ米や茶葉などを運んでいました。けれども、50年以上前に大漢渓の水かさが減って、船の行き来はなくなったそうです。

名所であるバロック建築の「大渓橋」は、1934年につくられて日本統治時代と2001年に改修され現在の姿になりました。今は徒歩のみ通行可。

この地域は元々農業がさかんで、見渡す限り広がる田んぼでは一年に2、3回お米が収穫されています。また、近県でとれる木材で仏壇などを作っており、大豆の加工品である豆干も名物。古い街並みを残す大渓老街には、週末になると台北などから多くの人が訪れ、お茶づくりを見学できる「大渓老茶廠」も大渓の人気スポットです。

大渓のおいしいお店 「林家老川味牛肉面」

移動中に連絡がきて、許さんのお父様の友人夫妻とお昼を共にすることになりました。
こういうことは日本ではほとんど経験がないですが、ここ台湾ではしょっちゅうあります。友達と約束をしていて人数が増えるのは序の口で、いつの間にか違うグループに混ざっていたり、実家にいざなわれることもしばしば。みな、見返りなどは気にせずに、さらっともてなしてくれる。
気楽な旅行者ということもあり、流れに身を任せて偶然の出会いを楽しみました。

連れていってもらったのは老街にある牛肉麺の店「林家老川味牛肉面」で、オーナーさんは大きなレストランで働いていたそう。
麺の種類を選べる牛肉麺は、お肉も、数種類あるスープも抜群で、小菜(サイドメニューのお惣菜)も珍しいものばかりで大興奮でした。

大渓名産の豆干は外側が燻製されていて、醤油や辛いタレをつけるかそのままでいただきます。
青パパイヤは薄くスライスして、パッションフルーツのソースとあえてある。黒きくらげや昆布のおかずも美味しかったですし、なにより黄金泡菜というこれまた地元の名物が絶品で。
これまで食べたことのない種類の小菜ばかりで、料理について沢山質問をしながらの楽しい昼食になりました。
 

text : Konomi Yanagisawa
 
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