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【箱根】「彫刻の森美術館」でお散歩しながらアートを楽しむ

  • 2024.5.9

箱根のミュージアムといえば、まず「彫刻の森美術館」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。開館から半世紀以上、ダイナミックな野外展示で人々を魅了してきました。近年は、フォトジェニックなアート作品が話題を集めています。何度訪れても楽しめる、箱根屈指の名所をご紹介します。

日本初の野外美術館として開館

本館ギャラリー(写真右)
本館ギャラリー(写真右)

「彫刻の森美術館」が開館したのは、昭和44年(1969)。当時は国内に彫刻作品に特化した美術館がなく、屋外に建てられたのもここが初めてでした。設計を手がけた彫刻家の井上武吉氏が、箱根外輪山に囲まれた地形を生かし、彫刻と自然が調和する新しいミュージアムを作り上げました。現在は、近・現代の彫刻約120点を野外に展示しています。

みどころは、世界的な巨匠の彫刻作品

ヘンリー・ムーア『ふたつに分けられた横たわる像:ポインツ』(1959年)ほか
ヘンリー・ムーア『ふたつに分けられた横たわる像:ポインツ』(1959年)ほか

敷地面積はおよそ7万㎡。メインとなる屋外展示場には、世界的な巨匠・ロダンの作品をはじめ、さまざまな彫刻が点在しています。なかでも、ヘンリー・ムーアのコレクションは、世界有数の26作品です。
野外15作品の解説板には、音声ガイドページのQRコードが設置されているので、より詳しく知りたい人はアクセスしてみましょう。

映える写真が撮れるアート作品も!

ガブリエル
ガブリエル・ロアール『幸せをよぶシンフォニー彫刻』(1975年)

野外彫刻作品は、個人利用に限り撮影がOK。なかには、近づいたり触れたりして一緒に写真を撮れる作品もあります。
高さ18mの塔『幸せをよぶシンフォニー彫刻』は、彫刻の森美術館のシンボル的存在。CMに登場したことで、一躍有名になりました。中には手割りのステンドグラスがはめ込まれていて、外からの光を受けると輝きを増します。らせん階段を登って屋上へ出ると、美術館全体を見渡せます。

松原成夫『宇宙的色彩空間』(1968年)
松原成夫『宇宙的色彩空間』(1968年)

12色の2m四方の正方形が連なる『宇宙的色彩空間』は、自然との融合を考えて作られた環境彫刻。色彩の小宇宙に入り込めば、ユニークな写真が撮れますよ。

『ネットの森』(2009年)
『ネットの森』(2009年)

子どもたちが中に入って遊ぶことができる体験型アート作品も大人気。『ネットの森』は、木造ドームの中にカラフルな手編みのニットをつなぎ合わせた巨大なハンモックがあります。ネットの中で飛び跳ねたり、ボールにぶら下がったりできるのは小学生以下ですが、眺めているだけでも楽しい作品です。

正式名称は『サニーサイドアップ』
目玉焼きのオブジェ

屋外展示場はとても広いので、歩き疲れたらひと休みしましょう。目玉焼きのオブジェは、座ったり寝転んだりできるベンチ。大きさが異なるものが2つあります。

2021年にオープンした「ポケっと。」
2021年にオープンした「ポケっと。」

休憩スポットはほかにもあります。敷地の高低差を利用してつくられた「ポケっと。」は、箱根の自然を眺めながらぽけ~っとリラックスできるエリア。芝生の斜面には色とりどりのソファが設置され、『宇宙的色彩空間』(写真奥)などの作品も展示しています。

ピカソ館などの室内展示場も必見

ピカソ館の前に立つのはフェルナン・レジェ『歩く花』(1952年)
ピカソ館の前に立つのはフェルナン・レジェ『歩く花』(1952年)

「彫刻の森美術館」は、国内でも有数のピカソ・コレクションを誇ります。昭和59年(1984)開館のピカソ館では、長女のマヤ・ピカソから購入した陶器188点を中心に、319点の作品を順次公開。2022年5月からは、常設企画展「異形のピカソ」として、17の主題に分けてコレクションを紹介しています(終了時期未定)。

本館ギャラリー1階ではジャン・デュビュッフェの作品などを展示
本館ギャラリー1階ではジャン・デュビュッフェの作品などを展示

本館ギャラリーでは、名作コレクション展を開催。静かで落ち着いた空間で、国内外の作家の彫刻作品をじっくり鑑賞できます。

アクセスや料金をチェック!

エントランスからエスカレーターを下って屋外展示場へ
こちらのエントランスからエスカレーターを下って屋外展示場へ

「彫刻の森美術館」は電車でのアクセスが便利。最寄りの箱根登山鉄道 彫刻の森駅からは徒歩2分です。バスなら、バス停二の平入口から徒歩6分です。広い駐車場もありますが、繁忙期は午前中から満車になるため、公共交通機関を利用するのがおすすめ。
入館料は、公式電子チケット「アソビュー」で前売券を購入すれば、当日スムーズに入館できます。
箱根登山鉄道や箱根登山バスなど8つの交通機関が乗り降り自由の「箱根フリーパス」を提示すれば、100円引きになるので、活用してお得に旅を楽しんじゃいましょう(割引券の併用は不可)。

カフェやレストランが充実

「The Hakone Open-Air Museum Cafe」店内から彫刻を鑑賞
「The Hakone Open-Air Museum Cafe」店内から彫刻を鑑賞

屋外展示場内にある「The Hakone Open-Air Musem Cafe(ざ はこね おーぷん えあ みゅーじあむ)」は、四季折々の自然と彫刻を望む居心地のいいカフェ。メニューはドリンクと軽食が中心で、一角ではオリジナルグッズも販売しています。

日本茶セット600円
「日本茶セット」600円

日本茶セットは、天然玉露とよばれる希少品種「あさつゆ」に、新潟の老舗菓子店の御菓子を添えて提供します。注文は14時~16時30分まで。
足柄金太郎牛乳を使った「ソフトクリーム」450円や、ブリオッシュにアイスクリームをはさんだ「ジェラード・コン・パーネ」600円といったスイーツも揃っています。営業時間は美術館と同じで、16時30分がラストオーダーとなっています。

Wi-Fi接続や充電も可能
Wi-Fi接続や充電も可能

カフェの2階には、箱根の間伐材の丸太を配した休憩スペース「丸太広場 キトキ」があります。ここが企画展の会場になることもあります。

ベラフォレスタの店内
「ベラフォレスタ」の店内

美術館に入館しなくても利用できるレストランは2つ。「ベラフォレスタ」は、和洋中の料理とデザートが計40種類以上食べ放題のビュッフェレストランです。

料理のイメージ
料理のイメージ

料金は中学生以上2200円、小学生1650円、3歳以上の幼児770円。営業時間は平日11時~15時30分、土・日曜、祝日11~16時で、最終入場は全日15時です。

「彫刻の森ダイニング」は眺望抜群!
「彫刻の森ダイニング」は眺望抜群!

「彫刻の森ダイニング」は、箱根の山々のパノラマビューが広がるカジュアルなレストラン。

ビーフカレー1650円
「ビーフカレー」1650円

メニューはトロトロに煮込んだ牛肉と、じっくりローストした牛肉2種類のハーモニーが楽しめるビーフカレーをはじめ、ピザやハンバーグなど。サイドメニューやセットも充実しています。営業時間は10~17時(16時30分LO)です。

作品モチーフのオリジナルグッズがかわいい!

美術館ならではのセンスあふれるグッズがずらり
美術館ならではのセンスあふれるグッズがずらり

2つのレストランと同じ建物内にあるミュージアムショップでは、オリジナル商品をはじめ、約650種類のポストカード、国内外のデザイングッズ、箱根の名産品など、さまざまなアイテムを販売しています。

榮太郎 ポップアップボックスキャンディー各594円
「榮太郎 ポップアップボックスキャンディー」各594円

マストで手に入れたいのが、作品をモチーフにしたオリジナルグッズ。
日本橋の和菓子の老舗「榮太棲總本舗(えいたろうそうほんぽ)」が創業200年を記念して手がけたキャンディーは、ブロンズ彫刻をあしらったパッケージが目を引きます。

ふせん各390円
「ふせん」各390円

作品や美術館の風景を描いたふせんは2種類。会社や学校で活躍してくれそうですね。

かまわぬ てぬぐい ステンドグラス1540円
「かまわぬ てぬぐい ステンドグラス」1540円

代官山「かまわぬ」製のてぬぐいは、販売開始から20年以上のロングセラー商品。『幸せをよぶシンフォニー彫刻』のステンドグラスや『ネットの森』『歩く花』のデザインのほか、箱根にちなんだ柄もあり、全7種類です。ミュージアムショップも入館せず利用が可能ですが、営業時間は美術館と同じ9~17時のため、買い物は早めに済ませましょう。

「彫刻の森美術館」には、ほかにもたくさんのみどころがあります。人気の温泉足湯は現在リニューアル中で、2024年7月下旬に再オープン予定。何度訪れても新しい発見があるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

text:ウランティア(永田晶子)
photo:西村光司、彫刻の森美術館提供

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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