1. トップ
  2. 恋愛
  3. ココロとカラダはつながっている 子どものSOS処方箋

ココロとカラダはつながっている 子どものSOS処方箋

  • 2024.5.8
  • 97 views

ココロとカラダはつながっている子どものSOS処方箋

ココロとカラダはつながっている子どものSOS処方箋

入園や進級などの環境の変化で、少しずつ疲れが出てくるこの時期。自分の思いを言葉でうまく伝えられず、不安な気持ちで過ごしている子どももいるのではないでしょうか。そんな子どものSOSサイン、また親ができる対処法について、専門家に聞きました。

出典:あんふぁんWeb

お話を聞いたのは… 中井昭夫さん

武庫川女子大学教育総合研究所教授、同大学院臨床教育学研究科専攻長。医学博士。小児科専門医、子どものこころ専門医、公認心理師、臨床発達心理士。専門は発達行動小児科学、小児精神神経科学、子どものこころ、発達脳科学。

気持ちを言葉にできず無意識にストレスが蓄積

ストレスを受けた時、大人の場合は誰かに相談をする、好きなことをしてリフレッシュするなどで、ある程度発散することができます。一方、子どもの場合はそういった技を身に付けておらず、無意識のうちにストレスが積もってしまいがち。そしてそれはさまざまな「ストレスサイン」として表面化します。

両極端の症状が出るのもストレスサインの特徴

子どもが示す「ストレスサイン」は、下記の5つに多く現れます。食欲が出過ぎたり・なくなったり、怒りっぽくなったり・すぐ泣いたりなど、両極端の症状が出ることがあるのも「ストレスサイン」の特徴です。

数日で収まるのであればさほど心配ではないのですが、続くようであれば注意が必要です。ストレスサインの症状の多くは、「幸せホルモン」とも呼ばれる、脳内の神経伝達物質・セロトニンが低下することで現れます。セロトニンの低下とうつ病には関わりがあると言われています。周囲の大人が早めに気付いてあげて、適切な対処をすることが大切です。

出典:あんふぁんWeb

食欲に関わるサイン

● 食欲がなくなる

● 特に甘いものや炭水化物を食べ過ぎる

● 吐き気がある

● 体重が増えない・減った

● 体重が急激に増えた・太った

睡眠に関わるサイン

● なかなか寝つけない

● 途中で目が覚める

● 早く起き過ぎる

● 朝起きられない

● 寝過ぎる

● 怖い夢を見る

感情に関わるサイン

● イライラする

● 怒りっぽい

● 当たり散らす

● 落ち着きがない

● 焦っている

● 忘れっぽい

● すぐに泣く

● 感情の起伏が激しい

● ぼんやりしている

体に関わるサイン

● 頭・おなかなどの痛みを訴える

● おなかの調子が悪い

● おねしょがぶり返す

● 昼間におもらしをする、トイレが近い

● めまいがある

● だるそう、元気がない

● 爪かみをするようになった

● チックが出る・悪化する

● すぐに横になる、表情に力がない

● アレルギー症状が悪化する

● 風邪を引きやすい・微熱が続く

行動に関わるサイン

● 甘えてくる、すり寄ってくる、赤ちゃん返り

● おしゃべりになる

● 口数が減る

● 同年齢の友だちを避ける、大人といたがる

● 一人でいることを怖がる

● 一人で過ごすようになる

● お絵かきが変わる(暗いモチーフや色遣いなど)

● 好きなおもちゃで遊ばなくなる

● 好きな遊びをしなくなる

● ストレスに関係するような遊びを繰り返す

● 朝は元気がなく、夕方から元気になる

出典:あんふぁんWeb

イラスト/ひしだようこ

子どものSOSへの対応方法はコチラから

子どものSOSサインへの対応方法ゆったりして過ごす「いつも通り」が一番

子どものSOSサインへの対応方法ゆったりして過ごす「いつも通り」が一番

「子どものSOSサインかも!?」と気付いたら、保護者ができる対処法は?「いつも通りの安心できる環境で生活することが一番。また、日頃からそうすることは、ストレス耐性アップにもつながります」と話す中井先生。具体的に教えてもらいました。

出典:あんふぁんWeb

処方箋1

“ストレッサー”を知る

ストレスの原因となる刺激や出来事のことを「ストレッサー」といいます。ストレッサーには非常に強いものから小さくても長く慢性的に続くもの、または複数のものが絡み合っている場合もあります。大人にとっては「うれしいこと」「楽しいこと」でも、子どもには、自分でも気が付かないうちにストレッサーになっていることも。まずはストレッサーを探り、もしそれを軽減できる場合は実行しましょう。

ストレッサーの例=入園・入学、転園、引っ越し、長期休暇明け、友達との関係、弟妹の誕生、ペットを飼う、親しい人との死別、メディアで繰り返される天災・暴力シーンなど

処方箋2

生活リズムを整える

就寝・起床、食事の時間を決めて、規則正しい生活リズムで過ごすことを心がけてください。朝食をとり、日中明るいところで過ごし、体を動かすことでセロトニンの分泌が促され、それは心身の安定につながります。また、セロトニンから睡眠に重要なメラトニンが作られます。休日もできるだけ同じ生活リズムを保ちましょう。ストレスへの耐性もアップします。

処方箋3

普段からスキンシップを心がける

スキンシップをとることで、愛情ホルモンとも言われるオキシトシンが分泌され、それが精神的な安定につながります。弟妹ができたことでスキンシップが減っているなと感じたときは、弟妹が寝ているときなどに精一杯本人に向き合い、スキンシップをとるように心がけてみましょう。

処方箋4

ゆっくりと好きな遊びをさせる

普段通りの生活リズムの中で、工作やお絵描き、ブロック、料理、お菓子作りなど、ゆったり好きなことをさせてあげることも心の安定につながります。気分転換させようとレジャーに出かけたり、外食したりしがちですが、子どものエネルギーが落ちているときはかえって負担になるので要注意です。

隠れた病気を見逃さないで

症状が長く続く場合は、病気の可能性も考えましょう。イライラの原因がバセドウ病だったり、頭痛や吐き気が脳腫瘍(しゅよう)だったケースも。「きっとストレスだろう」とそのままにせず、小児科に相談してみましょう。

保護者の不安・悩みについてアドバイス

出典:あんふぁんWeb

子どもが不安に感じている理由をなかなか言ってくれません。

(北海道/年長のママ)

出典:あんふぁんWeb

子どもが不安に感じている理由をなかなか言ってくれません。(北海道/年長のママ)

年長さんなので、ママに心配をかけたくないので言わない、言いたくないと思っている場合もあるかもしれません。普段の何げない会話から出てくることもありますので、日頃のコミュニケーションを大事にしてみてください。

出典:あんふぁんWeb

爪をかむ癖があり、親が指摘すると余計ストレスになってしまいそうで対応に困っています。

(東京都/年少・小学生のママ)

出典:あんふぁんWeb

爪をかむ癖があり、親が指摘すると余計ストレスになってしまいそうで対応に困っています。(東京都/年少・小学生のママ)

強く叱ると逆効果です。爪をかんでおらず、落ち着いているときに、「ツメの形が悪くなるよ」「バイ菌が体に入ってしまうよ」など、かんではいけない理由を話してあげてください。

出典:あんふぁんWeb

子どものイライラに対して、つい大人気なくこちらもイライラして負のスパイラルに入ってしまうことが。どうしたら大人の対応ができるのでしょうか。

(東京都/年長・小学生のママ)

出典:あんふぁんWeb

子どものイライラに対して、つい大人気なくこちらもイライラして負のスパイラルに入ってしまうことが。どうしたら大人の対応ができるのでしょうか。(東京都/年長・小学生のママ)

「ペアレント・トレーニング」でも使われている応用行動分析の手法を試してみてはいかがでしょう。子どもの行動を、①好ましい行動 ②好ましくないけどどうでもいい行動 ③絶対にしてはいけない行動、3つに分類します。③の場合はすぐに止める必要がありますが、②の場合は、イライラが治まるまで少し待ったり、場合によっては①に移行できる手がかり(きっかけ)を出してみたりして、②から①ができたらすぐに褒めてあげるというものです。

出典:あんふぁんWeb

父親の当たりが強く、それが子どもの成長に悪影響があるのではないかと不安です。

(東京都/年中・小学生のママ)

出典:あんふぁんWeb

父親の当たりが強く、それが子どもの成長に悪影響があるのではないかと不安です。(東京都/年中・小学生のママ)

親が気分で怒っていると、子どもは怖がり不安になるだけです。大人の気分や感情で「怒る」のではなく、「ダメなこと」「悪いこと」「危ないこと」だという内容についてだけ「叱る」ようにしてあげてください。両親で話し合い、どちらか一方が叱るのであれば、もう一方はあとでフォローするなど役割分担することも大切です。

子どものストレスサインについてはコチラから

元記事で読む
の記事をもっとみる